ラノベ作家の朝
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携帯がアラーム音が鳴らす。
ゆっくりとベットから起き上がりテーブルの上の携帯のアラームを止める。
パッチリと目が覚めた割には眠く、油断すればそのまま二度寝してしまいそうな誘惑がある。
「起きないと……」
眠気で重い体を無理やり動かす、大きくあくびをしながら洗面台に向かう。
寝ぐせのついたショートボブを鏡で映しながらピンク色の歯ブラシで眠い目を鏡に映しながらぼんやりと朝の支度をする。
歯磨きが終わるころには眠気も覚めているのでコップを手から滑り落とさずに口を漱ぐ。
可愛いウサギのプリントされたパジャマからリクルートスーツに着替える。
中学時代から胸の成長が止まったのは経済的に助かるが女として悲しい気持ちだ。
「……」
直らない寝ぐせに苦戦しながら薄化粧で朝の支度を終える。
砂糖多めのコーヒーで丸いテーブルを囲んでテレビをつけてニュースを確認して朝を過ごす。
いつものニュースキャスターじゃないなっと感じながら時計を眺める。出勤時間はサラリーマンとかとずれていて満員電車に揺られることはないため痴漢にも遭わない。
「――えっ?」
時計を思わず二度見する。時計の短い針が一時間左に進んでいた。
携帯のアラームの時間を確認する。設定されていた時間が予定の一時間おそい。
スマホあるあるだ。時計の針を合わせるタイプだとこうしてズレる。いつもなら気が付いて直すのだけど眠気に耐えきれずあやふやにしたまま設定したせいだ。
テレビを消し、急いでアパートを飛び出す。エレベーターの前で家の鍵を閉め忘れたのに気が付いたのは最悪の事態を回避できてよかったと我ながら思う。
私の働いている会社は用意してもらったアパートから近く電車で二駅くらいだ。
「……はぁ」
人がまばらの電車で小さくため息をする。ため息の理由は遅刻の理由とかではなく体が勝手に出てくる。疲れやストレスとかでなく会社で私は何をすればいいかという行動のため息だった。
こういうとパワハラを受けているように聞こえるかもしれないけど、決してそういうことではない。
逆に良くしてもらっていて、私のような弱小作家がいてもいいのかと思うくらい優遇されている。秘書によく小言を言われるがもう慣れちゃったけど。
だから余計にこういったため息が出るのかもしれない。
「間に合うかな……?」
間に合うはずもないのに私は何を期待しているのだろうか。でも、なぜか遅刻していると急ぎたくなるのは学生時代のせいかもしれない。
駅前のオフィスビルに慣れないヒールで走りこむ、傍から見れば今にも転びそうな新人者社員が営業で振り回されているように見えるだろう。
「お、おはよーございます!」