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ぼくの詩集

ささやかな世界の一日

作者: 桜井あんじ
掲載日:2017/01/22

朝


朝露の 薔薇の茂みの下 こっそりと隠れて

棘が引っかき傷を作るのも 気にせずに


薔薇の香りに包まれて

目を閉じると


風のおと

呼んでる


海のおと

呼んでる


君の声

呼んでる


昼


通りの乾いた土を

撫でてゆく通り雨

ぼくも 水になる

雨の一粒一粒になって

世界に 降り注ぐ


ぼくの体の細胞の ひとつひとつが 

一滴一滴となって 世界に溶け込み

そしてぼくは 海になる


夜


闇と孤独に包まれて

蠢きはじめる

夜だけの ぼくの いきものたち


ぼくは暖炉の炎を

飽くことなく いつまでも いつまでも 見つめている


むかし

だれか が いて

そのひとはいつも 

仕事から帰るとぼくを抱きしめて 暖炉の前に座った

何も語らない彼の膝の上は

居心地がよくて 暖かくて

ぼくは そんな 

記憶とも夢ともつかぬ 

幻を 思い出す


 眠るまえ ぼくは

 手紙をかく

 届かない手紙を

 存在しない 誰かにあてて

 なぜ書くのかも 知らぬまま

 ぼくは ぼくの世界の出来事を

 言葉にして 綴る


嵐 春の嵐

嵐の夜が すきだ

雨 風 もっと窓を叩け

さあ 古い世界なんて 壊してしまえ!


そうして

ぼくの創造の遊びは

終わる事なく


ぼくの想像の産物は

尽きる事なく


また あたらしいせかいを つくりだしてゆく

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