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ぼくの詩集

ささやかな世界の一日

作者: 桜井あんじ


朝露の 薔薇の茂みの下 こっそりと隠れて

棘が引っかき傷を作るのも 気にせずに


薔薇の香りに包まれて

目を閉じると


風のおと

呼んでる


海のおと

呼んでる


君の声

呼んでる



通りの乾いた土を

撫でてゆく通り雨

ぼくも 水になる

雨の一粒一粒になって

世界に 降り注ぐ


ぼくの体の細胞の ひとつひとつが 

一滴一滴となって 世界に溶け込み

そしてぼくは 海になる



闇と孤独に包まれて

蠢きはじめる

夜だけの ぼくの いきものたち


ぼくは暖炉の炎を

飽くことなく いつまでも いつまでも 見つめている


むかし

だれか が いて

そのひとはいつも 

仕事から帰るとぼくを抱きしめて 暖炉の前に座った

何も語らない彼の膝の上は

居心地がよくて 暖かくて

ぼくは そんな 

記憶とも夢ともつかぬ 

幻を 思い出す


 眠るまえ ぼくは

 手紙をかく

 届かない手紙を

 存在しない 誰かにあてて

 なぜ書くのかも 知らぬまま

 ぼくは ぼくの世界の出来事を

 言葉にして 綴る


嵐 春の嵐

嵐の夜が すきだ

雨 風 もっと窓を叩け

さあ 古い世界なんて 壊してしまえ!


そうして

ぼくの創造の遊びは

終わる事なく


ぼくの想像の産物は

尽きる事なく


また あたらしいせかいを つくりだしてゆく

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