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平成の火消し屋  作者: あるた
1/6

平成の火消し屋1-1

「ここの寿司屋で働くことになりましたアルバイトの如月輝きさらぎてると、いいます。よろしくお願いします。」


鈍臭そうな奴が入ってきたなという目で見てくる彼女は先輩の中村ひなた(なかむらひなた)である。

自分は人とは話すときに目を合わせて喋ることができない、いわゆるコミュ障だ・・・

学校でもあまり人とは話さないんだが・・・


「おい新入り!聞いてんのかてめぇ!!なんでオメェなんかの世話なんかしなくちゃいけないんだ。あのクソ店長め」


えぇー・・・この人から仕事を教わるのか?怖そうだなぁ・・・

店長のこともクソ店長呼ばわりっておいおい。まだブツブツ文句言ってるし、ここのバイト先家から歩いても3分もかからないから決


めたんだけど失敗だったかなぁ。まぁ頑張って働くか。


「何してんだ早く行くぞてる!お前の仕事は接客だから分かんねぇことがあったら聞けよ。後、これをつけとけインカムだ。これで呼べば誰か来るから。」


さっそくひなた先輩はレジの方へ向かっていった。

さて、マニュアルに書いてあったとおり最初はお客さんの食べたあとの片付けからはじめるか。

食器をボックスに入れて台を拭いたら裏に持っていくんだったよな。なかなか大変だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここに置けばいいのか。さすが握り場にはたくさんの人がいるなぁ。

すると誰か話しかけてきた。名前札には『馬場店長』と書いてある。


「ひなたちゃんこわいだろぉ。だけどあのつんってしているところがたまんねぇんだよなぁー。そう輝くんも思わないか。」


馬場店長ってひなた先輩のこと好きなんだろうか。そんな馬鹿らしいことを考えていると

ホールから血相を変えて走ってくる見覚えのある人がいた。ひなた先輩だった。

みんななんだなんだとひなたちゃんによる


「店長っ!お、お客さんが店長を呼べって・・・」


店長は握り場から飛び出していった。

ひなた先輩の話を聞くと、お客さんに出したケーキのスポンジに緑っぽいものが付いていたとのこと。

すぐにはカビということがわからなかったものの、お客さんにはそう見えたらしい。

するとそのお客さんが座ってる方から ドンッ! という台を叩く音が聞こえホールに出てみると、お客さんはとても怒って店長に罵声を浴びせていた。


「ここの店は客にこんなものを出すのか!お前の顔と一緒にTuitterに上げてやる!見てろよ!」


と罵声を浴びせてお客さんは帰ってしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

飲食店での衛生上の問題でTuitterなどにあげられるとそのツイートが炎上しお店は潰れるとのこと。

もちろんケーキにカビなどあってはならないことだ。しかも店長というほどだから責任が来るのは当たり前だ。

馬場店長は半泣きで握り場で従業員と話していた。


「終わりだ。来年中学生になる娘がいるというのに・・・」


さすがに可愛そうだと思いながら話を聞いているとある一人の従業員が一言店長に言った。


「店長、火消し屋って知っていますか?」


みんなきょとんとその従業員を見つめていた


「え?火消し屋?なんだそれ・・・」


相変わらず落ち込んでいる店長だったがその従業員は話を続けた。


「はい。一度ネットで見たことがあって噂も聞いたことあるんですけど、ネット等の炎上を消し去る・・・平成の火消し屋です。」

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