実は、
これは、剣と魔法の物語。小さな国エンシュアに住んでいたクロードという剣士の物語。
クルギドとエンシュアの国境付近で戦いが始まった。
「はははははっ。さっさと敵の大将出てこいや!」
彼は戦いを好んでいる。敵陣に一人で突っ込んでいくなど、当たり前である。しかし、
平和が嫌いなのではない。むしろ、平和の方が戦いより好きなのである。
「だって、強い俺が大将をちゃちゃっと倒せば死人、少なくてすむやろ?」
これがクロードの持論なのだ。だから、クロード自身も人殺しをあまりしない。剣を弾きとばしたり、
足を軽く切ったりと戦闘不能にさせるだけだ。
「見~つけた。そこだっ。」
クロードは剣を投げた。魔力が剣を覆い、長剣が槍の長さまで伸び、真っ直ぐに大将のところへ向かっていく。
敵も流石に予想していなかったらしい。無防備だった。
「っ!将軍!」
一人襲い来る剣に反応し、かばった。しかし努力虚しくクロードの剣は、敵を真っ二つにし
大将へとたどり着いた。首から上が吹っ飛んだ。
そこでクロードは叫んだ。
「この場におる全員に告ぐ!お前らの大将の首はとった。おとなしく投降せえ!」
武器を捨て、投降する兵士達が続出する。しかし、抵抗を続ける者もいる。
「全く。クロードの甘さにはいつも困りますねぇ。こういうのは」
一人の味方剣士が抵抗している兵士の所に行った。そして一瞬の間に全員を斬ってしまった。
「ちゃんと力を示さないと。」
「ジャック!お前な、殺すことないやろ!もっと他に方法あったはずや!」
「ありませんよ。そんなの。ほったらかしにすれば、こっちの兵がやられてしまう。」
「まぁまぁ、二人とも。落ち着いてよ。もう終わったんだよ?」
「ちっ。」
幼馴染の女剣士のサラになだめられ、エンシュアへと帰っていった。