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第9話 合同討伐開始


 迷宮最深部への通路。


 三つのパーティが、

 慎重に進んでいる。


 雷光衆。

 白銀の誓い。

 蒼天の翼。


 互いに間隔を取りながらも、

 視線は絶えず連携を確認する。


 忠臣は剣を構え、

 前方を見据える。


 視線の端に、

 しずくの姿がある。


(また胸がざわつく)


 心臓が速く打つ。

 だが、任務に集中する。


「前方に小規模の敵群」


 真壁が魔力感知で告げる。

 通路の奥に、

 ゴブリンとスケルトンが混ざった群れが見える。


「雷光衆、先制攻撃」


 颯真が魔法陣を展開。

 雷光の剣が、青白く輝く。


「白銀の誓い、

 後方支援に回れ」


 八神剛が盾を掲げ、

 味方を守る。


 忠臣は踏み込み、

 一体目のゴブリンを斬る。


 炎迅撃は使わず、

 通常剣技で連撃を放つ。


 だが、敵の数は多い。

 片付けても次が現れる。


「蒼天の翼、左側通路を抑えろ」


 神崎剣悟が指示。

 斥候の風見蓮と格闘家の相原拳が

 左右から敵を押さえる。


「ヒール!」


 しずくの声。

 白い光が、疲労の溜まった仲間を包み込む。


 忠臣の肩の切り傷も、

 瞬時に塞がった。


(やはり、頼もしい)


 その瞬間、

 通路の天井が大きく揺れる。


 オーガの群れが落下してきたのだ。


「上だ!」


 真壁が叫ぶ。

 忠臣は反射的に、

 炎迅撃ではなく、剣技で攻撃。


 強烈な踏み込みで、

 オーガの巨体を吹き飛ばす。


 しずくも杖を振り、

 仲間を癒す。


 連携は完璧だった。

 パーティ同士が、

 まるで意思を共有しているかのように動く。


 だが、忠臣は、

 しずくの背後を自然に気にしていた。


(……やはり、

 あの子が気になる)


 しずくも、

 忠臣を意識している。


(どうして……

 胸が高鳴るの)


 魔物は次々と現れる。

 骨の砕ける音、血の匂い、金属の響き。


 だが、両者の意識は戦闘に集中していながらも、

 互いの存在を忘れない。


「通路奥、危険反応」


 颯真が報告。

 忠臣としずくが同時に視線を上げる。


(ここからが、本番か……)


 互いにわずかにうなずく。

 無言の了解。

 異世界での経験が、

 知らず知らずのうちに二人をつなげていた。


 魔物の咆哮。

 斬撃の音。

 治癒魔法の光。


 三パーティの連携は、

 迷宮全体に緊張感を生み出す。


 忠臣は一歩、

 踏み込む。


 その背後で、しずくも杖を構える。


 二人の心の距離は、

 戦闘の中で少しずつ近づいていた。


 しかし、互いの正体――

 異世界の勇者と聖女であること――は、

 まだ誰も知らない。


 それでも、

 運命の糸は確かに絡まり始めていた。


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