第15話 ボス戦終盤
漆黒の魔物――
最深部のボスは、怒り狂った咆哮を響かせる。
通路全体が揺れ、
倒れた柱や石が散乱する。
三パーティは互いに間合いを取り、
連携を崩さず戦う。
だが、忠臣は胸の奥で違和感を覚えた。
(……これ以上は、
通常剣技だけじゃ間に合わない)
しずくの後方支援を受けつつも、
敵の攻撃は苛烈で、
仲間の体力も限界に近い。
「ここは俺が前に出る」
忠臣は決意を込め、
炎迅撃を解放する瞬間を迎えた。
剣から赤い炎がほとばしり、
通路を照らす。
魔物の目が一瞬、驚きに揺れた。
「炎迅撃……!」
颯真も小さく呟く。
忠臣は全身の力を込め、
踏み込みながら斬撃を放つ。
炎が鱗に吸い込まれ、
一撃で大きな裂け目が走る。
魔物は咆哮を上げ、後退する。
その瞬間、しずくの魔力が
自然に反応する。
(……魂の共鳴!)
赤と白の光が交錯し、
互いの力を増幅させる。
しずくの光が仲間を守りつつ、
忠臣の炎迅撃を補助する。
雷光衆と白銀の誓いは
その隙に攻撃を集中。
天城竜司と神崎剣悟が側面から斬り込み、
八神剛が盾で敵の突進を受け止める。
通路は光と炎、
白い魔力で彩られた戦場となった。
忠臣は息を整え、
炎迅撃の赤い炎を鎮める。
魔物の動きは鈍くなり、
最後の力を振り絞っても、
完全には立ち上がれない。
しずくは杖を下ろし、
仲間に笑みを返す。
互いの視線が重なる。
言葉はなくとも、
深く通じ合う感覚。
(……やっぱり、
懐かしい)
忠臣も心の奥で、
同じ感覚を覚える。
戦いは終わった。
通路には静寂が戻り、
散らばる魔物の残骸だけが残る。
だが、二人の心は静まらない。
魂の共鳴は、
戦場を越え、
未来へと続く糸のように、
確かに二人を結びつけていた。




