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0001話 転生後の初日の出来事

本日3話投稿します

0001話 転生後の初日の出来事


紅蓮誠は、まどろみの中からゆっくりと目を覚ました。彼が目にしたのは、見慣れない天井。白く、かすかな木の香りが感じられる。どうやら木造の家にいるらしい。寝ていた場所は、ふんわりとした藁で作られたベッドのようだ。その心地よい感触は、彼の心を少し安らげた。


「ここは……どこだ?」


ぼんやりとした頭を振りながら、誠は起き上がる。周囲を見回すと、壁にかかった毛皮のタペストリー、古びた家具、そして小さな窓から差し込む日差しが彼を包む。窓の外には、青い空と広がる緑の草原が見え、彼の胸に不思議な感覚が芽生えた。


「もしかして、転生したのか?」


ふと思い出したのは、終電に乗り遅れ、事故に遭ったその瞬間。確かに命を失ったはずだった。その記憶が何度も頭を巡る。すると、彼の心に静かな声が響いてきた。


「君が求めていた新しい世界だ。ダーザイン神からの贈り物だよ。」


その声に、「神様」と言う言葉が瞬時に彼の頭に浮かぶ。彼は、胸の奥で湧き上がる期待感と同時に、不安を感じた。神様から与えられたとされる「鑑定眼」と「インベントリ」、さらに「巨大な魔力」について考えていると、思わず笑みがこぼれる。


「どれだけ素晴らしい能力なんだろう。これを使って、どうにか家族を助けられるかもしれない!」


誠は立ち上がり、再度周囲を見回した。狭い部屋で特に目を引くのは、ベッドの傍に置かれた古びた木箱だった。興味本位で中を覗くと、数枚の木の板や、見慣れない道具が整理されている。これから自分がどうやって生きていくのか、思いを巡らせる。その時、彼の耳に家の外から聞こえる子どもたちの笑い声が入ってきた。


「興味があるなら、外に出てみるのもいいかもしれない。」


勇気を振り絞り、誠は外に出ることにした。扉を開けると、鮮やかな光と共に、そこには想像以上の美しい風景が広がっていた。青々とした草原にボロボロな小屋。他にも数軒の家が見える。


「この土地は……どんなところなんだ?」


彼は草原を見ながら、気持ちが高まるのを感じた。同時に、目の前に広がる貧しい風景が彼を引き戻し、現実を思い出させた。どうやってこの家族を助けることができるのだろう?期待と不安が交錯しながら、誠は新しい人生を歩み始める決意を固めた。


ふと後ろを見ると、小さな女の子がこちらを見つめていた。彼女はめがねをかけた可愛らしい顔立ちで、誠の存在に目を丸くしている。彼は微笑みを返し、そのまま会話を始める準備をした。何が待っているのか、これからの人生の全貌はまだ見えないが、彼には新たな冒険が始まる予感がした。


この世界での彼の「スローライフ」が、こうしてスタートを切ったのである。


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