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42.ミノタウロス

3月23日。今日から21階層の攻略を開始する。

まずは、朝食を食べて、猫と犬達を見送ったら俺達も出陣である。


俺達は、ダンジョンに入ると21階層に転移をする。ここは、1階層と同じ様な普通のダンジョンであるが、明らかに上にも横にも広い。恐らく、大きめのモンスターが出現すると考えられる。俺は、モンスターの気配を感じ、モンスターがいる方へと向かっていく。そこにいたのは2メートル~3メートル位ある2足歩行で歩く牛のモンスターである。武器は、大きな斧を持っている。何かこいつも鑑定しなくても名前が分かるような気がする。


種族 ミノタウロス

レベル 40

HP 5500

MP 3700

スキル 斧術8 怪力8 突進5


やはり思った通り、ミノタウロスであった。ここには1体しか居ないので誰がやるのかという話になる。


「なぁ、誰がやる!」


「グラムが、やるの!」


「俺は後でもいいぞ。」


「ウルが行くのです!」


「えっ、ウルは止めてた方が良いんじゃないか?」


「何故なのです?」


「まだ、ミノタウロスには勝てないだろ?」


「やれるのです!」


「そうか。グラム。ウルが最初でもいいかな?」


「仕方ないの。」


「ウル。良いってさ。」


「じゃあ、行ってくるのです!」


ウルは、ミノタウロスに向かって行く。まずは、遠距離から土王魔法でストーンバレットで攻撃するも大きな斧で叩き落としている。


「あいつ、ムカつくのです!!!」


魔法攻撃を防御したミノタウロスはウル目掛けて走ってくる。ドスドスと足音がしており、ウルが間合いに入ると斧を振り上げ振り下ろす。ウルは横に飛び退き回避をしてから、ミノタウロスに接近してから近接戦闘をしようとしていた。だが、ミノタウロスの攻撃は、スキルの怪力と元々の攻撃力があるせいなのか、斧が地面とぶつかると地面が爆ぜ、地面が陥没する。そのせいで、ウルは、斧を回避した瞬間にミノタウロスに向かって行っていたので地面が爆ぜた衝撃はウルの後方から来たのでウルは前方に吹き飛びミノタウロスの足に接近していたが、衝撃でミノタウロスの方に吹き飛ばされ、ミノタウロスの足に抱きついている。一瞬の空白があり、ウルとミノタウロスの目が合う。すると、ミノタウロスは、足を振りウルを弾き飛ばし、ウルは壁にぶち当たる。


「グエっなのです!!」


何か、変な声を出して壁にぶち当たっている。


「おっ、おい。ウル、大丈夫なのか?」


「大丈夫なのです!!うーーっ、許せないのです!!」


どうやら、ウルは無事のようであまりダメージは無いみたいで、ミノタウロスに向かっていった。今度は、ミノタウロスは横に斧を振るがウルは、屈んで回避しミノタウロスの腹にパンチをするがミノタウロスには、ダメージがあまり入っていない。なので、次は、身体強化を使って体を強化しもう一度ミノタウロスの腹にパンチを繰り出すと、ミノタウロスの体が後ろにズレ、「グフォ」と言う声を出していた。どうやら、結構なダメージが入ったようである。身体強化したウルは、素早さも上がっているのでミノタウロスの攻撃に当たることはなく、爪撃や噛みつき、パンチやキックを駆使して何とか倒すことが出来ていた。


「はぁ、はぁ、ご主人、やったのです!」


「お疲れ。でも、危なっかしいな。何度、手を出そうと思ったことか。とりあえず、これ飲め!」


俺は、一応再生魔法を使いウルを回復させマジックポーションをウルに差し出す。


「ありがとうなのです!」


倒したミノタウロスは、ダンジョンに消えていったが、ミノタウロスの居たところには、ドロップ品が落ちていた。落ちていた物は、魔石と肉であった。肉を鑑定してみると、


ミノタウロスの肉

ミノタウロスからドロップした肉。とても美味しい。


これは、是非、昼に食べて見なくてはならない。とりあえず、ミノタウロスをいっぱい倒して肉をゲットしなければならない。


ということで、ミノタウロスを探しながら探索をする。すると、すぐに次のミノタウロスを発見することが出来た。


「次は、誰がやる?」


「グラムがやるの!」


「俺は、グラムでいいぞ。」


「じゃあ、グラム、頑張ってな。」あなあ張い


「了解なの!」


そう言うと、グラムはミノタウロス目掛けて行ってしまう。グラムに気が付いたミノタウロスは臨戦体制に入る。ミノタウロスはグラムに斧を振り下ろすがグラムに当たるはずもなく回避され、強酸弾を斧に当てており、斧は、ジューといって溶けている。流石のミノタウロスも目が点になっているようである。そんなことは御構いなしにグラムは、50センチ位の水の塊を作り出しミノタウロスに放つ。ちょうど頭に命中すると、水の塊は頭を覆っている。要は、溺れさせようとしているようだ。ミノタウロスは、頭を振ったり、手で水を掴もうとするが出来ず苦しそうにしているが、次第に動きが少なくなり最終的には完全に動かなくなり、ドロップ品を残しミノタウロスは消えていった。何かやっぱりえげつないよな。グラムだけは敵に回したくないとつくづく思う。


「ウルの苦労はなんだったのです。」


「それは、わかるぞ。あんなにあっさり倒されたんじゃ落ち込むぞ!」


「まぁ、わからなくはないが、戦い方には相性もあるしな。」


俺は、スノウとウルとそんな話をしていると、


「ご主人、楽勝だったの!」


「確かに、楽勝っぽいな。けど、1つの倒し方だけだと、それに依存しちゃうから別の倒し方も考えてみような。でも、よくやったぞ。」


「はーいなの!」


グラムは、素直で本当に助かる。


「次は、スノウでいいよな!」


「いいぞ!」


「じゃあ、次を探そうか。」


俺は、スキルを使いモンスターを探す。すぐに次のモンスターを発見し、スノウに言う。


「おしっ、行くぞ!」


スノウは、見つけたミノタウロスに向かって走っていく。スノウは俺達の中では1番素早いのでミノタウロスが斧を振りかぶって攻撃をしてきても余裕で回避し、ミノタウロスに風王魔法を纏わせて斬爪撃をくり出している。どうやら、スノウは、ヒットアンドアウェイが得意なようである。まぁ、それは、当然か。素早さがあれば簡単に出来るよな。っと、安易に考えていると、[ズドーン]と音がなるので、スノウの方を見てみるとミノタウロスが大の字になって倒れていた。少しするとミノタウロスは、消えて無くなった。どうやら、スノウが勝ったようである。


「少しは楽しめたぞ!」


「そうか。それは、よかったな。」


「でも、まだまだだぞ。もっと強くなるぞ!」


「頑張れよ。

さて、次は、俺の番かな。さっさと行こうか。」


「わかったの!」


「行くぞ!」


「その次は、ウルの番なのです!」


そんなことを言いながら次の相手を探す。


さて、次は、消去法で俺になってしまう。スキルで魔物を探索するとすぐに見つかる。ミノタウロスを見つけると木刀を鞘から抜かずに、そのまま俺は走り出す。俺は、今回は木刀に炎を纏わせて縮地と抜刀術の合わせ技である、瞬煌を使って斬りかかる。縮地は、一瞬でミノタウロスの懐に入ることが出来た。ミノタウロスは、まだ、斧を振り上げた状態であったので、そのまま、瞬煌を放つ。流石に切断までは行かないがそれなりの手応えはあった。そして、俺が斬った傷の所から炎が吹き出し、ミノタウロスの全身を覆った。ミノタウロスは、体を左右に振ったり、地面を転がったりして全身の炎を消すことが出来ていた。さて、次はどうしようかと考えていると、ミノタウロスは、前のめりに倒れそのまま動かなくなった。少しすると、ミノタウロスはドロップ品を残して消えていってしまった。どうやら、最後の力を振り絞って炎を消すことが出来たが、そこで、ちょうど力尽きたようであった。


これで俺達4人は、新たな階層にて、初めてのモンスターを1度倒すことが出来た。


「さて、これからどうするかな。」


「決まってるの。ガンガン敵を倒すの!」


「俺も賛成だぞ。」


「ウルもやるのです!」


「そうだな。どうせ敵を倒さないとレベルが上がんないし強くなれないもんな。」


「そうなの!」


「当然だぞ!」


「ガンガン倒していくの!」


俺達はそれから、探索をしながらモンスターを倒していく。ウルだけが少し危なっかしいなので、手助けをする。


「ご主人。ウルは1人でもやれるのです。」


と、怒られてしまったが、俺は、ウルが危ないと思ったら、また、手を出すと思う。要は過保護なのだ。


まぁ、そんなこともあり、5、6週回して昼頃になったのでテントをアイテムボックスから取り出して中に入る。やはり、ミノタウロスの肉の実食だろう。とりあえず、シンプルにステーキで味付けは、塩コショウでいこうと思う。普段ステーキはレアが好きなのだが、今回ミノタウロスの肉は初めてのためよく焼いてから食べることにする。ご飯を入れ、ステーキをさらに盛り付けて食卓に運ぶ。


「さて、食べようか!」


「「「いただきます(なの)(だぞ)(なのです)!」」」


「いただきます!」


ミノタウロスの肉はとても柔らかく噛めば噛むほどとても美味しい肉汁が出てくる。


「とっても美味しいの!」


「これはもっといっぱい倒すぞ!」


「賛成なのです!」


その後は休憩をして探索をしながらモンスターを倒していく。勿論、ウルが戦うときは、俺とグラムとスノウで交代でウルを援護して危なげなくミノタウロスを倒すことが出来てる。時計を見るともう既に午後5時を指していた。なので、今日はここで引き上げるとする。


「そろそろ夕方だから帰るぞ!」


「えーっ!まだ、余裕なの!」


「やれるぞ!」


「まだまだ、行けるのです!」


「ダーメ!もう今日はここで帰るの。疲れをためると思わぬところで足元をすくわれることになるからな。」


「うーー。仕方ないの!」


「わかったぞ!」


「残念なのです!」


渋々といった感じであるが、俺の言うことに納得はしてくれたようである。そう言うことで、今日はこれで、引き上げるとする。俺は、転移の指輪を使い家に戻る。


家に戻ると、風呂に入り、食事をする。まだ、魚のストックが大量にあるので親父に毎日捌いて貰っているので、それをアイテムボックスに仕舞う。あとは、自室でのんびりするだけであるのて、リラックスしているが、まだ、猫と犬達が帰ってこない。午後9時前に漸く全員帰って来た。どうやら、怪我した奴も居らず全員無事のようだ。話を聞くとどうやら、レベルアップに夢中になっていたようである。とりあえず、無理はしないように言っておいた。

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