41.合格発表
本日は、3月21日。今日も休みである。すると、猫や犬達が俺の元にやってくる。
『ご主人、行ってくるニャ。』
「おう。気をつけてな。」
『はいニャ!』
『わかったワン!』
そう言うと、ダンジョンに入っていく。俺は、休みだが特にすることがないし、グラム達を置いて何処かに行くわけにもいかないので、今日も家でゴロゴロして過ごす。
猫や犬達は、昼過ぎに1回帰ってきたが、ちょっと休憩したらすぐにまた、ダンジョンに入っていった。
「ご主人。猫や犬達、そろそろボスに挑んでもいいと思うの。」
「そうだな。じゃあ、明日の朝イチでみんなで行ってみるか?」
「それがいいと思うの。」
ということで、明日の朝イチで1階層のボスに挑もうと思う。まぁ、全員で行けば過剰戦力なのは分かりきっているので、この前の班と同じでいこうと思う。その事を、グラムとスノウ、ウルに説明すると賛成してくれたので明日の朝実行しようと思う。
夕方、昨日より大分早い時間に、猫や犬達は帰ってきた。
『ただいまニャン!』
『ただいまワン!』
「おう、お帰り。大丈夫だったか?」
『はいニャ。大丈夫ニャ。』
「そうか。ちょっと全員に話があるからダンジョン入った所に集まって貰えるか?」
『はいニャ。』
『わかったワン!』
俺の部屋では全員集まれないので広い場所に移動する。全員すぐに集まってくれたので鑑定をしてみる。
種族 猫
レベル 10
HP 400
MP 380
スキル ひっかく4 噛みつく3 俊敏3
称号
神月サイガの従魔
種族 犬
レベル 10
HP 450
MP 350
スキル ひっかく3 噛みつく4 俊敏3
称号
神月サイガの従魔
じっと見ている俺にどうしたのかと不安になっている奴が何匹か居たので、説明することにする。
「えっーと。今、お前達のステータスを見せてもらった。みんな、強くなっているので、明日の朝イチで、1階層のボスを倒しにいこうと思う。そして、それが無事に終われば2階層の探索の許可を出すぞ。」
俺が、そう言うと、皆喜んだ。
『ご主人、ありがとニャ。そろそろ、飽きてたのニャ。』
『もっと強い奴と戦いたいワン!』
「その気持ちはよく分かるけど、安全第一でせめて回復魔法のレベルがが上がるまでは要注意だぞ。まぁ、怪我をしないことに越したことはないけどな。」
『わかったニャ。』
『了解だワン。』
「じゃあ、今日はこれで解散。明日に備えてよく休んどけよ!」
『はーいニャ。』
『わかったワン!』
俺達は夕食を食べて寝るとする。
3月22日。今日は、昨日言った通り、猫と犬達のダンジョン1階層のボスに挑むのと、後は、ダンジョンの資格試験の合格発表の日である。発表は、午後2時からなので、今日は昼で探索はやめようと思う。
朝食を終えて、ダンジョンに向かう。
「さて、今日は、ダンジョンの2階層に進もうと思う。一応、俺達が付いていくが、余程の事が無い限り手は出さないからそのつもりでやってくれ。じゃあ、行こうか。」
『はいニャ!』
『行くワン!』
皆、一緒に行くと、大所帯になりすぎるし、ボスも4班に別けて挑戦するので同じタイミングでボスのところに着いても仕方ないので、別々のルートで階層ボスの所を目指すこととする。
俺の班は、最短ルートでボスを目指す。猫と犬達の戦闘を見せて貰うが、皆危なげなく敵を倒すことが出来ていた。
特に問題なくボス部屋まで来ることが出来た。
「行くぞ!」
『はいニャ!』
『行くワン!』
俺は、扉を開けて中に入っていく。結果として、誰も負傷すること無く、というか、一撃も貰うこと無く完勝していた。宝箱にはろくなものが入っていないと思っていたが何とスキルの書が2個入っていた。内容は、火魔法と水魔法である。これは、猫と犬達が倒して手に入れたものだから、勿論、皆に使って貰う。
「この、2つのスキルの書は、お前達が相談して使ってくれ。」
『いいのかニャ?』
「良いも悪いもないよ。俺は何もしてなくて戦ったのはお前達だ。だから、使う権利はお前達にあると思うぞ。お前達に必要が無さそうな物は俺が回収したけどな。」
『わかったワン!皆と相談して決めるワン!』
結局、犬の1匹が火魔法を、猫の1匹が水魔法を取得したようだ。
他棍棒とかだったので、俺が回収する。俺達は、2階層に向かう。今日の目的は、1階層のボスと、猫や犬達が2階層でどの程度やれるかということを見るためである。
2階層のモンスターも、問題なく倒すことが出来ていたので、これからは、探索は、2階層まで許可を出そうと思う。
俺達が2階層を探索しているとグラムとスノウ、ウル達も順調に問題なく2階層に到着することが出来ていたようだ。
どうやら、今回は運が良いことに各班、スキルの書が宝箱から出てきたらしく、猫や犬達に使わせたとの事だった。因みに、グラム達のところは1個で風魔法。スノウ達の所も1個で鍛冶であった。これだけでも、凄いと思うがウルの時には、何と3個も出たようである。恐らくスキルに運があるからではないかと思う。スキルの書の内容は、氷魔法と剣術、身体強化であった。これらも、全て猫と犬達が使用した。ただ、鍛冶と剣術は4足歩行の奴にはちょっと無理なような気がするが、まぁ、様子を見ることとしようと思う。
そんなこんなで、無事に全員無傷で2階層に来ることが出来ており、2階層の敵も上手く倒しているので、まずは大丈夫だと判断した。
「さて、今日の1階層のボス攻略は全員無傷で突破出来たし、これなら、2階層の探索をお前達でやってもいいぞ。」
『ご主人、ありがとうニャ。』
『頑張るワン!』
「ただし、怪我には注意しろよ。あと、無理だと思ったら退くこと。ただ、突っ込んでいく無謀なことはするなよ。退くことは負けじゃなく、生きてることに意味が有るんだからな。退かなくて死んだらそこで終わりだけど生きていたら、いつかリベンジ出来る可能性が有るんだからな。」
『わかったニャ!』
『心に刻むワン!』
「さて、俺達は帰るがお前達はどうするんだ?」
『残ってレベル上げをするニャ。』
『早く強くなるために残るワン!』
「そうか、わかった。あんまり遅くなるんじゃないぞ!」
『はい(ニャ)(ワン)!』
俺は、グラムとスノウ、ウルを連れて転移の指輪を使い自室に戻ってくる。現在の時刻は午後1時である。
「ご主人、これからどうするの?」
「とりあえず、昼飯を食べて、今日は試験の合格発表が2時からあるからそれを見ないといけないんだよ。」
「そうなの。じゃあ、もうダンジョンには行かないの?」
「そうだな。今から行っても中途半端になるだろうし、明日から本格的に行こうと思うんだが、どうだ?」
「行きたいけど、中途半端は嫌なの!」
「俺は、どっちでもいいぞ。」
「ウルは、早く行きたいのです!」
「じゃあ、多数決の結果、今日は止めておこうと思います。」
「「わかった(の)(ぞ)!」」
「えーーっなのです。」
ウルの不満があったがとりあえず、昼飯を用意しみんなで美味しく頂くが、俺は、時間が経つに連れて、意味が解らないくらい緊張する。恐らく受かってはいると思うが、何故か不安に駆られてしまうのだ。だが、とりあえず、2時まで待つしかない。
携帯を見ると、1時59分であった。2時になったのでネットでアクセスしてみるが一向に繋がらない。恐らく、受験者や受験者の周辺の人たちが一斉にアクセスをしているので回線がいっぱいになっている為に繋がりにくくなっているのだと思う。仕方ないので、少し時間を置いてから、また、ネットにアクセスすると、2時15分になると漸く繋がった。結果としては見事合格していた。後日、合格の証明書が届くらしい。そこに、探索者としてのルール等が書いてあるようである。そして、ダンジョン探索初日にダンジョン事務所の受付に持っていかなければならないらしい。そこで、探索者カードの作成を行うようだ。一応身分証明書を持っていかなければならないようだ。とりあえず、今日やることは終わったので家でリラクッスする。
その後、夕方には猫と犬達が戻ってくる。
「2階層でもやっていきそうか?」
『大丈夫ニャ。ご主人のためにも早く強くなるニャ!』
『余裕ワン!ガンガンレベルを上げて行くワン!』
「ははっ、頑張れよ。だけど、何時も言うけど怪我には気を付けろよ。」
『『わかった(ニャ)(ワン)!』』
どうやら、あれからも問題なくやっていけてそうである。