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37.クラーケン

今日は、3月17日。

今日は20階層のボスから攻略しに行く予定である。


「さて、今から20階層のボスを倒しに行く。」


「了解なの!」


「いくぞ!」


「やるのです!」


「よしっ。じゃあ、気合い入れて行くぞ!」


「「「おおーーーっ(なの)(だぞ)(なのです)!」」」


俺達は、20階層に転移をして来る。20階層は何の変哲もない普通のダンジョンで、真っ直ぐ一本道が続いている。


「この道はいつもと同じだな。」


ついつい独り言を言ってしまう。そんなことを言いながら歩いていると目の前に大きな扉が目の前に現れる。扉は見事な装飾かされている。俺は、扉を開けて中にはいる。

いつものボス部屋より広く感じた。さて、20階層のボスモンスターだが、目の前には20メートル位のドでかいイカがいた。「20階層だから20メートル寒いこと言わないよな」と思いながらボスモンスターを鑑定する。


種族 クラーケン

レベル 45

HP 7000

MP 6000

スキル 水魔法9 自己再生9 触手9 威圧5 並列思考10


「ヤバい!当然だけどアイツ、これまでのモンスターの中でも群を抜いて強いぞ!」


「やりがいがあるの!」


「楽しみだぞ!」


「ぎったんぎったんにしてやるのです!」


「ウル、お前そんな言葉どこで覚えてくるんだよ?」


俺は前から思っていたことをボソッと呟く。本人に聞こえたかどうかは定かではないが


「なのです?」


と、聞こえないように言ったが、俺の方を見て首を傾げている。その姿は結構可愛い。っと、そんなことを今、言っている場合ではない。目の前にはクラーケンがいるのだ。


「作戦は各個撃破でいいか?」


「いいの!」


「了解だぞ!」


「まかせろなのです!」


「じゃあ、みんな、気を付けろよ!ああっ、その前にHPやMPが少なくなったら俺に言えよ。そこで、グラムに頼みがあるんだ。」



「何なの?」


「グラムには、3体に分裂してもらって俺の側に置いといて欲しいんだよ。もし、誰かがポーションやマジックポーションが必要な時に渡しに行って欲しいんだよ。」


「わかったの!」


グラムは、分裂して分裂した3匹が俺の側に来る。


「じゃあ、行こうか?」


「「「りょうかい(なの)(だぞ)(なのです)!」」」


みんなそれぞれ散会しクラーケンに戦いを挑む。


クラーケンは元々イカのモンスターなので足は全部で10本ある。要は、1人が2本から3本のクラーケンの足の相手をしなければならない計算にる。まず、俺はクラーケンの真正面から突っ込む。木刀はまだ、鞘に収まったままである。スキルの、鍛冶を使い木刀の切れ味を上げ、鞘の中で雷の魔力を纏わせる。クラーケンの足が上から振り下ろしてくるので、俺は、抜刀術でクラーケンの足を攻撃する。クラーケンの足は斬り飛ばすことが出来たが直ぐに足は元に戻っている。15階層のオクタゴンの再生よりも明らかにスピードが早い。俺はそのまま切れ味と雷を纏わせたまま本体に向かおうとするが足の攻撃が飛んでくる。


グラムは俺の反対方向に向かう。その間、クラーケンの足で攻撃されるが全てを回避し、問題なく到着する。グラムは、分裂を行い100匹に解れる。グラムは、水王魔法で、アクアカッターでクラーケンの足を攻撃する。一撃では切断するまではいかないも4、5発同じ所に当てて切断しているがこれもまた直ぐに再生されている。グラムにはクラーケンは3本の足を使い攻撃しているので、グラムはクラーケンの足1つに対して20匹の分裂体を当てており、残りの30匹は機動力を活かして本体に攻撃を仕掛ける。体を武器に変形し、硬化をさせ斬ったり殴打したりしている。クラーケンは、本体に攻撃をしているグラムに対して水魔法で大量の水を作り出しクラーケンの本体に近いグラムの分裂体を押し流そうとするが、 その水を残ったグラムの分裂体10匹が、スキルの水操作を使い自分の支配下に置く。だが、クラーケンの水魔法の水を全てを支配するにはまだ、スキルが足らないようだが押し流されない程度にはコントロール出来ているようである。そして、水王魔法を使っているグラム達が、水操作でコントロールした水を使って魔法を生成している。どうやら、何もないところから魔法を使うよりも魔法の媒体がある方がMPの消費が少ないようである。これは、全く知らなかったことである。まぁ、そんな感じでグラムは上手いこと立ち回っている。


次に、スノウである。スノウは、クラーケンの足や魔法攻撃を俊足を活かして回避し、本体に近づくと風王魔法の風の塊の風玉を喰らわせ、その後は一旦引いてまた、同じように攻撃をしている。所謂、ヒットアンドアウェイをやっている。また、クラーケンの足の攻撃をする時には、斬爪擊や、咬擊でクラーケンの足を攻撃している。まぁ、こっちは切断にするには何度も攻撃を行わなければならなかった。あとは、MPと体力がもつかである。


ウルは、まだ、クラーケンとの実力差があると分かっているので近接攻撃はせずに遠距離から土王魔法のストーンバレットを放って攻撃しているがクラーケンの足に邪魔されて本体に攻撃は届いていなかった。逆にクラーケンの足に攻撃をされてそれを回避するのにギリギリで回避出来ているといった感じである。


各々そういった感じで奮戦しているが、最初に危機に陥ったのがやはりウルはである。ウルは、遠距離攻撃をしつつクラーケンの攻撃をギリギリで回避していたが、遂にクラーケンの足に捕まえられ締め付けられる。


『くっ、苦しいのです!!!』


ウルからの念話が来る。ウルが捕まるのをちょうど目にした俺はウルの元に走って行く。走っている間に木刀を納刀し、雷の魔力を纏わせる。飛んでくるクラーケンの足の攻撃を縮地で回避してウルが捕えられている足まで接近し抜刀術にて切断し。落ちてくるウルをキャッチしてから後退をする。


「ご主人。ありがとうなのです。助かったのです!」


「いいよ。気にすんな。とりあえず、これ、飲め!」


俺は、アイテムボックスからハイポーションとハイマジックポーションを取り出してウルに手渡す。その間も、俺は、こちらを攻撃されないようにクラーケンの攻撃を雷撃で対応していた。ウルは、与えられたハイポーションとハイマジックポーションを「こくん、こくん」と飲んでいた。


「うーん。あんまり美味しくないのです!」


「贅沢言うんじゃないの!それで、回復するんだから我慢しな。」


「うー。わかったのです。」


「それよりも、ウル。回復したんならちょっと攻撃を代わってくれないか?俺も、ちょっと、回復したいから。」


「わかったのです!」


俺とウルは交代し、ウルが魔法をな放ち俺はポーションで回復に努める。


「グラム。居るよな?」


「ここにいるの!」


最初に俺についてくるように言った3匹が目の前に現れる。こいつらは、俺の戦闘の邪魔にならないように俺の後方で待機していたようである。


「じゃあ、グラム本体ととスノウにハイポーションとハイマジックポーションを持っていってくれ!」


「了解なの!」


俺は、また、アイテムボックスからハイポーションとハイマジックポーションを取り出しグラムの分裂体に手渡すとスノウとグラム本体に向かって行った。


さっきの事があったので、俺は、ウルが心配なのでウルと一緒に戦うことにする。


「ウル、俺が前衛するから後衛頼めるか?」


「わかったのです。頑張るのです!」


俺がクラーケンの足の攻撃を捌くことによってウルの魔法がクラーケンの本体へと届くようになっていた。


その頃、スノウの所にグラムの分裂体が到着する。


「スノウ、いいのも持ってきたの!」


「何だぞ?」


「ハイポーションとハイマジックポーションなの!」


「おおっ、ありがとうだぞ!」


スノウは一旦後退し、グラムの分裂体がハイポーションとハイマジックポーションの蓋を外し、スノウの口に流し込む。スノウは、少し「ごほっ、ごほっ」とむせている。


「これで、暫く戦えるぞ!」


実際、スノウも結構キツかったのである。


「グラムはこれからどうするんだぞ?」


「ご主人の所に戻るの!」


「わかったぞ!」


スノウはクラーケンに突っ込んでいき、グラムは俺のところに戻る。


ちょうど同じ頃、グラムの分裂体はグラムの本体の所に到着していた。


「これ、ご主人からなの!」


「了解なの!」


グラムは、ハイポーションとハイマジックポーションを使う。グラムは分裂体と戦っていたので本体が少し抜け出す分には問題がなかった。ハイポーションとハイマジックポーションを渡したグラムの分裂体は俺のところに戻ってくる。


ここで、もう一度鑑定してみると


種族 クラーケン

レベル 45

HP 2000

MP 1500

スキル 水魔法9 自己再生9 触手9 威圧5 並列思考10


残り1/3を切った所である。


『残り、1/3を切ったぞ。もう少しだから頑張れよ!』


『わかったの!』


『了解だぞ!』


『一気にいくのです!』


俺は、ウルの分のクラーケンの足の攻撃を受けているので手がいっぱいであるので、3人にHPを削るのは任せようと思う。

クラーケンとの戦いで幸いだったのは、HPが減ってもクラーケンの攻撃方法が変わらなかったことである。それで、なんとかHPを全て削れることが出来た。


俺達は攻撃を続け、遂にクラーケンが倒れ込みクラーケンは、消えていった。俺達は、その場に座り込む。


「はぁ。やっと終わったな!」


「やったのです!」


ウルは俺に抱きついてくる。毛皮がモフモフしたとても気持ちがいい。ちょっとするとスノウとグラムも戻ってくる。グラムは、分裂体を元に戻している。


「終わったの!」


「やっと、倒したぞ!」


「ああっ、お疲れ!」


俺は、従魔たちを労っていると、クラーケンのドロップ品が出てくる。それと、同時に俺の木刀と上下の衣類が発光し始めた。


名前 黒刀(木刀)

スキル 破壊不可 成長 魔纏 切断


名前 魔装の服

スキル 破壊不可 サイズ補正 温度調整 進化 変化 魔纒 物理耐性9 魔法耐性9


名前 魔装のズボン

スキル 破壊不可 サイズ補正 温度調整 進化 変化 魔纒 物理耐性9 魔法耐性9


切断

物を断ち切りやすくなる。


俺の愛用している木刀が、今までは木の色をしていたが今は真っ黒になりちょっとカッコよくなっている。服の名前は変わったが見た目は変わっていないので助かる。

そして、ドロップしたものは、大きい魔石とイヤリングと杖、ローブが落ちていた。


名前 水のイヤリング

スキル 火耐性 水魔法威力上昇


水のイヤリング

イルカの形をしたイヤリング。


名前 水の杖

スキル 水魔法威力上昇 


水の杖

水魔法の威力を向上させる杖。


名前 水のローブ

スキル 火耐性 水魔法無効


水のローブ

水のように青いローブ。


火耐性

火系の攻撃に対して耐性を持つ。


水魔法威力上昇

水系の魔法を使うとき威力が上昇する。


水魔法無効

水魔法の攻撃を無効化する。



クラーケンだけあって水に関するものが多かったが、これもアイテムボックスいきかな。後は、宝箱が出てくれば………っと、考えていると目の前に宝箱が出現する。


「さて、今回は何が入っているのかな?」


「楽しみなの!」


「ドキドキするぞ!」


「早く開けるのです!」


「わかったよ!じゃあ、開けるぞ!」


俺は、宝箱を開ける。中身は、金のインゴットが10個とよく分からないポスターが5つ入って居るだけであった。とりあえず、鑑定をしてみる。


金のインゴット

ダンジョン産の金のインゴット。重さ10キロ。


えーっとこれが1つ10キロってことは、今の金の価格ってどうだったっけ?確か、1キロが700万円ちょっとだから1つが7000万円で10個あるから単純計算で7億円以上ってことか。これは、つまり、折を見て占いとな。とりあえずはアイテムボックスに仕舞っておくとしよう。後は、このよく分からない犬小屋みたいなのが書いてあるポスターである。


従魔の家

従魔の家。壁に貼ると使用可能。中の大きさは東京ドーム3個分。浄化機能付きなため、中で排泄しても直ぐに綺麗になる。水分や食事も入れておけば管理され毎食適量提供される。また、入り口より大きな従魔でも入ることが出来る。


何か、また良いもの手に入れちゃった気がするよ。とりあえずはアイテムボックスに仕舞っておくとする。

さて、ここでやることは1通り終わったので次の階層に行こうと思うが、流石に次の階層を探索しようとは思わない。


「なぁ、今日は次の階層を見たら帰って休もうと思うんだがどう思う?」


「賛成なの。」


「いいと思うぞ。」


「わかったのです。」


「よしっ、じゃあ、行こうか。」


俺達は階段を下り、次の階層の様子を見る。21階層に到着する。そこは、最初の階層と同じであるが、それよりも幅も天井も異様に高くなっている。


「よしっ、じゃあ、帰ろっか。」


「わかったの。」


「帰るぞ。」


俺は転移の指輪を使い家に戻ってくる。ます、とりあえず全員に再生魔法を使ってからベッドにダイブする。すると、直ぐに眠くなりいつの間にか夢の世界に旅立っていた。それは、俺だけではなく従魔の3人も同様だったようである。

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