36.マグロ
3月16日。今日もダンジョンに行く。
今日は、19階層からである。19階層も変わらず水中エリアである。さて、早速この階層を探索しようと思う。
19階層を探索し始め、気配を探っていると大きな気配を沢山感じた。どうやら群れで泳いでいるようだ。どうやらこちらの方に向かって来ているので待つことにする。
「どうやらこっちにモンスターが来ているみたいだぞ。しかも結構大きい奴で群れだ。」
「来る奴は全部やっつけるの!」
「やるぞ!」
「頑張るのです!」
そんなことを言っているとモンスターが近づいて来ていた。どうやら今回のモンスターはマグロのようだ。マグロは体調は5メートル位あった。俺は、心の中でガッツポーズをする。マグロと言えば魚の王様であり、周知と知れたとても美味しい魚である。
種族 ダンジョンマグロ
レベル 30
HP 5000
MP 4500
スキル 遊泳9 氷魔法8 突進6
とりあえず雷撃で麻痺の状態にする。マグロは合計で10匹いた。俺は木刀を抜き攻撃をする。グラムは自分を変化させ剣にして、スノウは氷魔法でウルは土王魔法で串刺しにしようとする。俺達の攻撃でマグロをなんとか倒すことが出来た。ドロップしたものは魔石とマグロがドロップした。
ダンジョンマグロ
ダンジョン産のマグロ。
ドロップしたマグロは2メートル位あり重さは200キロ位ありそうである。しかもどれも同じくらいの多きである。俺は全部アイテムボックスに仕舞っていくが、問題が1つある。それは、このマグロを家で捌けるかということである。まぁ、これは、後で考えるとする。
俺はマグロが手に入ったことでウハウハだった。それが歩きにも出ていたのだろう、
「ご主人、嬉しそうなの!」
「マグロが手に入ったからな!」
「そんなに嬉しいの?」
「ああっ、なんたってマグロは滅茶苦茶美味しいからな。」
「そんなにうまいのかだぞ?」
「旨いぞ。捌けたらみんなで食べような。」
「わかったぞ!」
「楽しみなの!」
「待ち遠しいのです!」
探索を開始する。探索を続けているとまたモンスターの気配があった。大きさは同じであるが今度は1匹だけである。マグロは普通なら群れでいるはずだが今回は違った。なのでそいつがいる場所に言ってみると、何か見たことあるようなフォルムで、そいつは大きな円を書きながらグルグルと廻っていた。
種族 ダンジョンカジキ
レベル 30
HP 4900
MP 4000
スキル 遊泳8 氷魔法4 突進9 貫通8
やはりカジキであった。カジキの一番の武器はあの上顎が長く伸びた剣というか槍みたいなものである。あれは、吻と呼ばれているようで吻で船に穴を空けたり出来ると聞いたことがある。カジキにあの吻て攻撃されたらたまったものではないので俺は雷撃で麻痺状態にする。それから、木刀で攻撃をしようとするが、俺の後ろから氷魔法と土王魔法、水王魔法が一気に放たれダンジョンカジキを攻撃していた。もし、俺が木刀でカジキに斬りかかっていたらどうなっていたかと思うと「ぞっ」とする。あの攻撃が全て俺にむかってくるのだ………
「おまえら、魔法打つなら打つって言ってくれるか?」
「ご主人も、1人でやろうとしてなの!」
「「そうだ(ぞ)(なのです)!」」
「うっ!確かにそれは認める。じゃあ、今度から声かけてからするように!勿論俺もするようにする!」
「ならいいの!」
「わかったぞ!」
「了解なのです!」
なんか俺が負けたように感じるのは気のせいだろうか?まぁ、そんなことはいいとしよう。とりあえず魔石とカジキがドロップしたのでアイテムボックスに回収を行う。カジキの全長は3メートル位あったが吻の部分だけでも結構な長さがあった。重さはマグロと同じで200キロ位である。
ダンジョンカジキ
ダンジョン産のカジキ。
それから、俺達は探索を開始しする。その後は、何度かマグロの大群(10匹位)とカジキには遭遇したので、その都度戦闘し、倒していく。最近の俺の流行な倒しかたは雷撃で麻痺したところを攻撃を加えて倒していたのだが、グラムとスノウから苦情が入った。
「ご主人、楽しくないの!」
「そうだぞ!」
「えーっと、どーゆうことかな?」
「動けなくなった奴を倒しても面白くないの!」
「同感だぞ!それに、ちゃんとやらないと強くなれないぞ!」
「ギクッ!なんかそれを言われたら最近まともに戦ってなかった気がするな……………わかった。じゃあ、次からは麻痺なしで戦ってみような!」
「やったーなの!」
「よしっ!頑張るぞ!」
「ウルはどっちでもいいのです!」
それからは麻痺にさせることなく戦闘をすることになった。グラムは水操作で水を操り上手いこと自分の方に誘導してから倒しており、スノウは、俊足でモンスターに追い付き泳いでいるマグロに噛みつき地面に落としてから止めを刺している。ウルマクロやカジキに出来ることは魔法しかない。だが、モンスターは素早く魔法を当てるには少し練習が要りそうである。最後に俺は、闇魔法を使い相手の目の前を真っ暗にしてやり泳ぐ速度を緩めたり地面に激突したりした奴を木刀を抜き攻撃をしていた。
そうやって探索をしていると気が付けば昼飯の時間になっていたのでそろそろ食事にしようと思う。なので、テントを取り出し皆で中に入る。今日の昼飯はカンパチとブリの刺身の盛り合わせと味噌汁とご飯だ。やはりダンジョン産の魚は旨く、とても脂が乗っている。グラム達も満足して食べていた。そらから、腹休めをしてから午後の探索に乗り出す。
午後からもマグロとカジキを倒しながらダンジョンを攻略する。夕方近くになると下へ降りる階段を見つける。たが、そこにはいつも通り階層のボスが待っている。今回は、マグロとカジキか約100匹位が階段の回りを回遊している。俺たちは、奴らに気づかれないように隠れ作戦を練る。
「なぁ、あんなにたくさんの奴らどうするべきだと思う?」
「何のことはないの。普通に行って倒せばいいの!」
「俺は、あの数は流石に無理だぞ!」
「ウルもやりたいけど無理なのです!」
「確かに、俺もスノウとウルに同意見だ!」
「えーーなの!」
「そこで、グラムは大丈夫そうだからグラムの自由にしていいぞ!」
「頑張るの!」
「あとは、俺とスノウとウルだが個人で挑むにはちょっと無理だと思う!」
「だぞ!」
「なのです!」
「なので、俺が雷撃で麻痺の状態にするからスノウとウルで仕留めて行くって形でどうだ?」
「いいぞ!けど、麻痺している間に全部は仕留めきれないぞ!」
「確かに数は多いから麻痺している間に倒しきれないと思う。なので、先にカジキを先に殲滅するぞ!」
「なぜ、カジキなのです?」
「当たり前だぞ!ウルはあの尖った口に攻撃されたいかだぞ?」
ウルは、カジキに攻撃されたときのことを考える。すると、あの吻に貫かれるイメージがあったのだろう。少し背筋が寒くなった。
「先にカジキをやるのでるす!」
「じゃあ、作戦はまず、グラムは自由にやる。それで、俺達は、まず、俺に向かってくる敵に対して雷撃でダメージを与えて麻痺の状態にする。それで、俺とスノウとウルでカジキがら倒して数を減らしていく。どうだ?」
「分かったの!」
「了解だぞ!」
「やるのです!」
「よしっ!じゃあ、行くぞ!」
「「「おーーー(なの)(だぞ)(なのです)!」」」
まずは、グラムが飛び出していく。飛び出して行ったグラムは数え切れないほどに分裂している。確かにあれを見れば大丈夫かなと思う。突撃していったグラムを見つけたマグロとカジキがグラムに突進していく。
それを見ていたが俺達も行かねばと思い飛び出していく。すると、俺達の方にもマグロとカジキが襲いかきってきた。
まず、グラムは、分裂した数体が水操作を使い、モンスターを巧みに操作して地面に突っ込ませており水操作をしてないグラムの分裂体は体を剣や斧、槍、ハンマー等に変えて攻撃をしている。カジキは頭から突っ込んでおり、カジキは吻が長いので中々抜け出せないでいた。マグロも頭から突っ込むがマグロは少し角度を変え地面を掘るように抜け出していたが、抜け出すのに少し時間がかかっていたのでその時間でマグロに攻撃を繰り出していた。なので、グラムは、俺達とは違い先にマグロを相手にするように決めたようだ。そして、順調に数を減らしていっている。
さて、次は俺達だが、俺達もグラムが飛び出した直ぐ後に敵に突っ込む。当然、モンスターは俺達にも気が付き襲いかかってくる。予定どおりに俺がまず、雷撃を放ちマグロとカジキを麻痺の状態にする。
「よしっ、今のうちに予定どおりカジキから倒していくぞ!」
「了解だぞ!」
「わかってるのです!」
スノウは氷魔法を、ウルは土王魔法を使い、俺も木刀を抜き先にカジキに斬りかかる。麻痺してから20秒位したらモンスターの麻痺が解けかかっているので再度雷撃で麻痺の状態にしてから再度攻撃を開始する。何度か同じことを繰り返していると雷撃を喰らっても麻痺しない奴が出てきた。恐らく、慣れたんだと思う。だが、この時は既にカジキを全て倒し終えた後なので攻撃受けても致命傷になることはない。なので、カジキがいる時よりは余裕をもって対応することが出来る。俺は木刀で、スノウは斬爪擊と氷魔法で、ウルは土王魔法でそれぞれマグロに向けて攻撃を仕掛ける。何とか数を減らせることができ、それから、全てを倒すのに時間はあまりかからなかった。
俺と、スノウとウルはなんとかなったって感じだけど、グラムだけはなぜか元気である。
「ご主人、やっつけたの‼️」
「グラム、凄かったぞ!」
「えっへんなの!」
「凄いぞ!」
「確かになのです!」
俺は、約100匹分の魔石とドロップ品をアイテムボックスに仕舞っていく。漸く全てをアイテムボックスに入れることができ、一息つこうと思っていると、宝箱が出現する。仕方ないので、一度深呼吸をして、落ち着いてから宝箱を開ける。中には、黒いポシェットの様なものが入っていた。鑑定をすると
アイテムバック小(黒ポシェット)
普通の家1件分の収容量。時間経過は外と比べて半分。
おっ、中々いいものが手に入った…………っが、俺には必要ないので取り敢えずアイテムボックスに仕舞っておく。あとは、ハイポーションとハイマジックポーションが5本ずつ入っていた。
とりあえず、ここの階層は終わったので階段を下りてみる。次の階層は20階層なのでこれまでのパターンでいえば次はボス戦である。俺達が階段を下りた先は、これまでとは雰囲気が変わりいつものボス部屋に行く真っ直ぐな道が続いている。
「さて、今日はここで帰るぞ!」
「えーー!せっかくここまで来たのにもう帰っちゃうのはやなの!」
「俺は、主に賛成だぞ。正直、あまり疲れてないけど精神的に疲れたから今日はもういいぞ!」
「ウルも今日は少し疲れたからもういいのです!」
スノウとウルは、俺に賛成してくれた。
「うーーー。仕方ないの。」
その後、グラムも納得してくれ家に帰ることにする。
転移の指輪を使い自宅に帰還する。家に帰るとまず、親父の元に行き、今日、捌いてもらった魚をアイテムボックスに仕舞う。
「親父、ありがとな。」
「ああっ。俺も旨い魚が食べられてるからな。」
元々、じいちゃんが漁師をやっており、親父も一時期脱サラしてじいゃんよ漁を手伝っていた。その後、違う職に就くが、休みの日などは時々手伝っており新鮮な魚を食べる機会が多く、肉よりも魚の方が好きなのである。
「それでさ、また、頼みたいことがあるんだけど………。」
「何だ?」
「実はさ、今日の階層でマグロとカジキがドロップしたんだけど捌ける?」
「大きさによる。」
「マグロが2メートル、カジキが吻を含めて3メートル位なんだけど!」
親父は腕を組み少し考える。
「捌けなくもないが今は無理だ!」
「じゃあ、いつならいい?」
「まずは、道具が足らない。」
「道具?」
「最低でも、まな板とあとは何たって大きいから、大きめの包丁がいる。」
「わかった。用意するよ。」
「頼む。」
俺は、親父のもとを離れ、どうしようかと考える。まず、包丁はこの辺りには専門店など無いため通販で購入することにする。値段は1万円台から上は何十万というものまであった。とりあえず、今は金があまり無いので2、3万円の包丁を購入する。まな板に関しては今度の休みに自作しようと思う。