34.宝箱
本日、3月12日。今日は、午前8時に目を覚ます。朝食をすませると俺達はダンジョンに向かう。今日は17階層からである。17階層も水中エリアである。
俺達は水中エリアを進んで行くとモンスターの気配がする。まぁ、ダンジョンなんだから当たり前だが今までのモンスターよりも明らかに速い。また、昨日みたいにタコかイカきと思っていたが今回は何と魚である。
種族 ダンジョンブリ
レベル 27
HP 4000
MP 2000
スキル 遊泳8 水魔法4 突進5
遊泳
泳ぐためのスキル。
『ここはグラムがやるの!』
と、グラムが張り切っている。モンスターはこちらに向かってきている。モンスターは、俺達を見つけると襲いかかってきた。グラムがやると言ったので任せることにする。ブリは2メートル位のが3匹であった。グラムは水王魔法で水を操りブリの体の回りに渦を作りブリを捕まえる。そして、グラムは自分の体を変化させて剣のようにする。だが、そのままでは意味がないだろう。なんたってグラムの体はポヨンポヨンしているのだから、力を入れても高々知れてると思ってると………
『硬化なの!!』
グラムは自分の体を硬くさせてブリに攻撃をしている。だが、一撃で倒すことは叶わず何回か攻撃をして倒している。ドロップ品は、魔石とブリである。
ダンジョン産ブリ
ダンジョン産のブリ。
「グラム、すごいじゃないか!」
『えっへんなの!前々から考えてたの!グラムの場合、普通の攻撃手段がなかったの。そんな時に硬化のスキルの書が手に入ったの。だから、やってみたの。』
「また、強くなったな。」
『もっと強くなるの!!』
「おう、期待してるぞ!」
『なの~~!!』
グラムはとても嬉しそうである。
『主、俺ももっと強くなるぞ!』
『ウルもなのです!』
「わかったわかった。お前達も期待してるぞ!」
『任せるぞ!』
『頑張るのです!』
グラムが強くなったことに対抗心を燃やしたのかスノウとウルももっと強くなると言っている。嬉しいことである。
この階層にはブリの他にカンパチがいたので見つけ次第狩りまくった。お昼になる頃にはテントを出して昼食をとる。まだ、ブリとカンパチは捌けていないので昨日ドロップしたカニを食べることにする。まずは、大きめの寸胴鍋に水を入れてからカニを茹でていく。1人1匹茹でて目の前においてやる。
種族 ダンジョンカンパチ
レベル 27
HP 3800
MP 1900
スキル 遊泳7 水魔法3 突進4
『ご主人、これは、どうやって食べるのです??』
俺は、皆にカニの食べ方について説明をする。説明をすると3人とも食べ始めた。グラムは上手く出来るだろうと考えていたがスノウとウルまでも器用にカニを食べることが出来ている。3人がきちんと食べるのを確認すると俺もカニを食べ始める。カニはとても味が濃く美味である。俺達はカニを黙々と食べている。カニわ食べるときは無口になるとよく言われるが本当だなと実感する。俺達は満足し、リビングでまったりとする。
『ご主人、カニ、美味しかったの!』
『満足だぞ!』
『また食べたいのです!』
「みんなに好評で良かったよ。じゃあ、一休みもしたしそろそろ行こうか?」
『わかったの!』
『行くぞ!』
『了解なのです!』
俺達はテントを出てアイテムボックスに仕舞う。その後も17階層を探索する。俺はモンスターを探して1ヶ所だけ大量に回遊している場所があったのでその場所に向かってみる。数えきれないほどのブリとカンパチが群れており、その真ん中には宝箱があった。
「どうする?」
『もちろん、やるの!』
『いくぞ!』
『宝箱ゲットなのです!』
「わかった。じゃあ、作戦を立てようか。」
『『『わかった(の)(ぞ)(なのです)!』』』
「まず、俺が雷撃でモンスターを麻痺状態にするからその間にモンスターを殲滅させる。やり方は各自に任せる!何か質問は?」
『ないの!』
『大丈夫だぞ!』
『ないのです!』
俺は、魚型のモンスター目掛けて雷王魔法を放つ。
「雷撃!!」
モンスター全部に雷王魔法が行き渡るように魔法を放つ。すると、モンスターは麻痺をしたのかその場で止まりビクビクと痙攣をしているようであった。
「よし、散会して倒すぞ!」
『いくの!』
『いくぞ!』
『やってやるのです!』
みんなそれぞれ四散してモンスターを倒しに行く。俺は、木刀を抜きモンスター達を斬っていく。グラムも、自身の体を剣に変化させ硬化を使って硬くしてから斬擊を加えていた。スノウは斬爪擊、ウルは爪擊でダメージを与えてからストーンバレットを使い上手く倒していた。
麻痺したモンスターを倒していると、1度だけ麻痺が解ける事があったが今回はさっきよりも強めの雷撃を与え麻痺をさせる。前の雷撃と今回の強めの雷撃の2回の攻撃でモンスターのHPは大分削れているため前の麻痺の時よりも楽に倒せるようになっていた。
モンスターを全て倒し終えるとそこらじゅうに魔石と魚がドロップしていた。俺1人ではアイテムボックスに入れるのに時間がかかるため今回はグラムのスライムボックスにも収納してもらう。
さて、お待ちかねの宝箱である。俺達は宝箱に近づき宝箱を開ける。宝箱の中身はスキルの書がなんと16個も入っていた。スキルの書の内容としては、鞭術が1つと料理か1つ、水操作が1つ、雷操作が1つ、解体が1つ、弓術が1つ、槍術が1つ、回復魔法が1つ、世界言語というスキルが8個入っていた。
料理
料理が上手くなる。また、料理を作る時間が短縮される。
雷操作
生成した雷や雷魔法を操ることが出来る。
解体
解体がしやすくなる。
世界言語
世界の言語が理解、話せるようになる。
弓術
弓系の武器が使いやすくなるスキル。
「さて、何か色々出てきたけど欲しいのある奴居るか?」
『グラムは水操作が欲しいの!』
『俺はいいぞ!』
『ウルもいらないのです!』
「了解!あっ、それと世界言語はみんなで使ってみようと思うぞ!」
『『『わかった(の)(ぞ)(なのです)!』』』
そういうことで全員で世界言語を取得しグラムは水操作を取得する。そして、俺は雷系の魔法が使えるので雷操作を取得する。それにしても宝箱の中にあんなにスキルの書が入っているなんて普通は思わないよな。
名前 神月 サイガ
レベル 89
HP 6650
MP 6400
スキル 鑑定 アイテムボックス 世界言語 木聖術9 抜刀術5 テイム10 気配隠蔽7 火王魔法2 雷王魔法4 闇魔法4 魔力支配5 罠感知9 隠蔽10 気配察知10 魔法耐性9 縮地10 睡眠学習改3 体聖術1 再生魔法2 鍛冶7 料理1 雷操作1
称号
世界初ダンジョン入り
世界初ダンジョンモンスター討伐
世界初フロアボス討伐
種族 ヒュージスライム
名前 グラム
レベル 7
HP 6200
MP 6000
スキル 物理無効 魔法無効 世界言語 強酸弾5 水王魔法5 超分裂3 超巨大化3 スライムボックス2 硬化2 水操作1
称号
神月サイガの従魔
種族 ホワイトタイガー
名前 スノウ
レベル 45
HP 6400
MP 5250
スキル 世界言語 咬撃5 斬爪撃4 俊速5 風王魔法3 氷魔法9 身体強化・剛2
称号
神月サイガの従魔
種族 チャイルドベアー
名前 ウル
レベル 16
HP 3150
MP 2500
スキル 世界言語 爪擊7 土王魔法2 噛みつき9 身体強化5 運3 格闘術3
称号
神月サイガの従魔
「ご主人、聞こえるの?」
「おう、聞こえるぞ、グラム。」
「ご主人と話せるようになったの!!」
グラムはポヨンポヨンと弾んでいる。
「主、俺も話せるようになったぞ!」
「ウルもなのです!」
「スノウもウルもよかったな!」
「よかったぞ!」
「なのです!」
さて、気を取り直して探索を開始する。っが、次の階層への階段はここから500メートル離れた場所にあった。そこに階段があるのが分かったのは強いモンスターの気配を感じたからである。
種族 サハギン
レベル 32
HP 4700
MP 4100
スキル 槍術7 水魔法7
種族 ハイサハギン
レベル 37
HP 5200
MP 4800
スキル 槍術8 水魔法7 統率3
サハギンが4匹とハイサハギンが1匹がいた。さて、問題はどうやって相手をするかだな。
「さて、どうしようか?」
「グラムが魚4匹やるの!」
「じゃあ、俺が奥の奴をやるぞ!」
「全部ウルに任せるのです!!」
「「「それはない(の)(ぞ)!!」」」
ウルは「しゅん」としてしまうが話を続ける。
「2人で大丈夫か?」
「任せろなの!」
「余裕だぞ!」
「よしっ、じゃあ頼むな!」
「「行く(の)(ぞ)!」」
そう言うと2人は敵に向かって行った。スノウは、俊足でサハギンを通り越し一気にハイサハギンの元にたどり着く。グラムも意外と早くサハギンにたどり着く。
まずは、グラム対サハギン4匹である。最初にグラムは自分を分裂させ8人になる。要は1体4ではなく8体4にしたのである。グラムならもっと多く分裂が出来るのだか今回はこれで十分と判断したのだと思う。まぁ、俺からしてみればこれでも過剰戦力だと思うが………グラム対サハギンは8対4だが、実際に戦うのは2対1で戦うようである。勿論、グラムが2の方である。それぞれのグラムは超巨大化のスキルを使い自身を大きくし、体の一部を巨大なハンマーにする。そして、そこに硬化を使いハンマーを硬くする。あとはサハギンを餅つきの餅のようにサハギンをぶっ叩いて相手の攻撃のターンは一切なしで簡単に決着をつけていた。
「そんなに簡単でいいのかよ。」
と、独り言を言ってると、
「いいの!」
と、俺の足元まで来ていたグラムの本体が返事をしてくれる。俺は、グラムを抱えあげて「よしよし」と言ってグラムを撫でてやる。グラムも嬉しそうにプルンとしている。
一方のスノウはハイサハギンと対峙しており、にらみ合いをしている。先に動いたのはハイサハギンである。槍でスノウを突きに来るがスノウはそれを華麗に横に避け、ハイサハギンの槍が突きを終え伸びきった所でハイサハギンの槍に噛みつき槍を奪い取っていた。奪った槍は自分の後ろに放り投げている。槍を失ったハイサハギンは苛立った様子である。攻撃手段は水魔法であるが、スノウは魔法攻撃を上手く回避すると、あとはスノウのターンである。スノウは斬爪擊と咬撃をヒットアンドアウェイを繰り返し徐々にハイサハギンのHPを削っていき、ハイサハギンを倒した。
「主、倒したぞ!」
「堅実な勝ち方だったな。」
「まぁまぁなの。」
「良かったのです。」
「ウルは随分上から目線だけど、ウルはもっと強くなろうな!」
「そうなの!」
「そうだぞ!」
「わかっのです。頑張るのです!」
サハギンとハイサハギンは魔石とサハギンの鱗とハイサハギンの鱗がドロップしていた。
ハイサハギンの鱗
ハイサハギンの鱗。サハギンの鱗よりも硬く防具にすることが適している。
さて、次は、宝箱の中身チェックである。俺は宝箱を開ける。中身は、ハイポーションとハイマジックポーションとスキルの書が4つ入っていた。何かさっきからスキルの書が出る確率が高い気がする。内訳としては、水魔法が1つ、火魔法が1つ、斧術が1つ、刺突剣術が1つ入っていた。
斧術
斧系の武器の扱いが上手くなるスキル。
刺突剣術
刺突系の武器の扱いが上手くなるスキル。
今回も、3人にどれか欲しいスキルの書がないか確認をするが。みんないらないと言うのでとりあえずはアイテムボックスに仕舞う。勿論、宝箱から出てきたポーション系のアイテムも一緒にアイテムボックスに仕舞う。そして、階段を下りていく。18階層に到着すると当然ながら同じ景色であった今日も1階層探索が終えたので今日はもう帰ることにする。
「ただいま!」
「おう、帰ったか!今朝出して貰った分は捌いておいたぞ!」
「ありがとう。」
親父には今朝ダンジョンに行く前にタコとイカを捌いてもらうように頼んでいたのである。親父は、出していた物は全て捌いてくれたようだ。
「実はさ、今日はブリとカンパチがドロップしたんだけど捌いてくれない?」
「いいが、まだ、イカとタコが残ってるんだろ。」
「じゃあ、それが終わったらお願い。」
「ああ、いいぞ!」
「そういえば、今日、いいスキルの書が手に入ったんだよね!」
「どんなのだ?」
「解体ってスキルなんだけど、親父、使ってみない?」
「つまり、解体ってことは魚を捌くのが上手くなるってことか?」
「そうだと思うよ!」
「それて、そのスキルの書は俺にも使えるのか?」
「勿論使えるよ!」
「なら、使ってみるか!」
親父は解体のスキルの書を使用し、見事解体のスキルを習得することが出来た。
「おおっ、スキルを習得することが出来たみたいだな。」
「良かったじゃん親父。明日からも頼むな!」
「仕方ない!」
親父は少し渋々ではあるが引き受けてくれた。そんなことを話していると母親が仕事から帰宅して夕食の準備をする。
夕食の準備が出来るとみんなで食卓を囲む。
「「「「「「いただきます!」」」」」」
俺と従魔たちは食事をはじめるが親父と母親が固まっている。
「どうかした?」
「いやっ、グラム達が喋った気がしたんだが気のせいだな。」
「そうよね。」
「気のせいじゃないの!グラム達、話せるようになったの!」
「そうたぞ!」
「よろしくなのです。」
親父も母親もビックリしている。
「サイガ、どーなってる?」
「実はさ、今日、世界言語っていうスキルを手に入れて、皆に使ったら話せるようになったんだよ!」
「そうなのか。」
「じゃあ、みんなと話が出来るのね。」
「そうなるね。」
「みんな、これからよろしくね。何かあったら言いに来るのよ!」
「わかったの!」
「よろしくだぞ!」
「お願いするのです!」
「あらあら、みんなしっかりしていて可愛いわね。」
母親は凄く喜んでおり、親父も表情はあまり変わっていないが話が出来るようになったのには嬉しそうであった。まぁ、これは、つまり、長年一緒にいるから勘なんだけどね。
その後は、みんなと夜遅くまでコミュニケーションをとってから就寝する。