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33.水の中

さて、現在は16階層のフィールドダンジョンにいる。ここは、全てが水中のダンジョンのようだ。


俺達は探索を開始すると早速、気配察知に引っ掛かる。どうやら岩かげに潜んでいるようだ。


「どうやらあの岩かげに何かいるらしいな。」


『じゃあ、俺が行くぞ!』


スノウが、任せろと言い飛び出していく。まぁ、スノウなら大丈夫だとは思うが………一応、フォローが出来るようには準備をしておこうと思う。スノウは岩かげに向かって走っていき、手前で大きくジャンプをして斬爪擊で岩ごと砕こうと考えたらしいが思いの外飛び上がり、しかも落ちて来るまで時間がかかる。その間に、モンスターは岩かげから飛び出し無防備になっているスノウに迫る。どうやらタコのモンスターであるようだ。


種族 ダンジョンタコ

レベル 25

HP 4000

MP 3000

スキル 触手5 水魔法3 噛みつき4 擬態6


ダンジョンタコは足を広げスノウに纏わりつき、そのまま地面に叩きつけられる。スノウはダンジョンタコから逃げられずもがいている。


『主、助けるぞ。こいつの足、結構痛いぞ!』


そう、タコに吸い付かれると結構痛い。俺も何度か経験があるがタコを持つとあいつらは手に巻き付いてくる。その時、吸盤で吸い付いてくるので結構痛い。しかも、離れないときている。離したあとは腕にタコの吸盤の痕がくっきりと残っている。今のスノウはそんな状態なのだと思う。どうやって助けようか悩むが俺にはこれしか思い浮かばなかった。


「スノウ、少しだけ荒療治になるが勘弁してくれよ。」


『どんなでもいいから速くするぞ!』


「わかったよ。」


俺は、スノウとダンジョンタコに向かって麻痺する程度の強さで雷王魔法を放つ。俺は1つ忘れていたことがあったがここは水中であるということである。だが、気がついたときにはもう遅く魔法は発動していた。


『あばばばばばーーー!』


と、スノウの悲鳴が聞こえただけで俺には全く影響はなかった。


「あれっ?」


と思う。スノウとダンジョンタコは麻痺したらしく水中をプカプカと浮いている。とりあえず、木刀を抜きダンジョンタコに止めを刺す。その後、スノウを魔法で回復させる。どうやらダンジョンタコのダメージより俺の魔法の方がダメージが大きかったようだ。


『主、ひどいぞ!!』


「いや、威力は手加減したんだが、どうやら水中では雷系の魔法は強化されるみたいなんだよ。」


『そんなことがあるのかだぞ?』


「実際にあるんだから仕方ないだろ。お前達も魔法の確認はしといた方がいいぞ。戦闘が始まってから威力が弱いとか強すぎとか分かっても困るからな。」


『わかったの!』


『了解だぞ!』


『やるのです!』


それぞれ、魔法の確認を行う。その前に、忘れていたがレッドオクトパスのドロップ品を回収しよう。落ちていたものは何時ものように魔石であった。あとは、タコ茹でてある状態のタコが落ちていた。俺の頭の中は???であった。とりあえず鑑定してみるか…


ダンジョン産タコ

ダンジョン産のタコ。とても美味しい。


タコ型のモンスターを倒したからタコがドロップした。何か笑えない感じである。でも、タコがドロップしたということはたこ焼きが出来る。まぁ、これは、つまり、今日の昼飯にするしかないな。

そんなことを考えていたが、魔法のこともやっておかねばならない。俺の持っている魔法を検証した結果、闇魔法は問題なかった。雷魔法は威力が上がっていたが、火魔法は明らかに威力が低下していた。水の中だから仕方ないんだけどね。


「みんなはどうだった?」


『水魔法は威力は上がってないけど扱いが簡単になってたの!』


『氷魔法も発動はしやすかったぞ!ただ、風魔法は、水中じゃあ使わない方がいいと思うぞ。』


『土魔法は、土だと使いづらいけど岩にしたら普段とあんまり変わらないのです。光魔法は、普段よりも威力がある気がするのです。』


「よし。各自、魔法の確認も出来たことだしダンジョン探索の続きを始めようか。」


『『『おー(なの)(だぞ)(なのです)!』』』


その後は、イカ型のモンスターとカニ型のモンスターが出現する。イカとタコもそうだが、カニ型のモンスターが出現し、尚且つドロップ品が2、3キロありそうなカニなのだ。カニは、言わなくてもわかると思うが美味しい。これは、つまり、乱獲する必要があるだろう。タコもイカもそれなりに見た目、新鮮でありとても美味そうである。それらを得るために夢中になり気がつけば昼食も取らずに頑張っていた。


種族 ダンジョンカニ

レベル 25

HP 4600 

MP 3000 

スキル 水魔法3 泡5 鋏攻撃6 


泡を出し相手を撹乱させる。


鋏攻撃

鋏による攻撃。


種族 ダンジョンイカ

レベル 25

HP 4200

MP 3000

スキル 触手5 水魔法3 


現在はもう夕方である。そろそろ帰ろうかと思っていたが下への階段を見つけてしまったのでついでたがら17階層に行ってから今日は帰還しようと思う。

一応気配を消し、様子を見ると魚人みたいなやつが3体いた。


種族 サハギン

レベル 30

HP 4500

MP 4000

スキル 槍術6 水魔法7 


「どうする?」


『ご主人と、グラムとスノウで一体ずつ相手をするの!』


『賛成だぞ!』


『ウルの出番はないのです?』


ウルが少し悲しそうな顔をするので、ウルに戦わせてみることにした。


「わかった。じゃあ、俺の分はウルがやっていいぞ。その代わりダメだと思ったら介入するからな!!」


『やったーなのです!!!』


ウルは、戦いを任せてもらったので大喜びしている。


『ご主人、いいの?』


「やらせてみればいいんじゃないか。万が一があれば俺がフォローするし。」


『了解なの!』


さて、3体いる敵に向かっていく。

まずは、グラムである。サハギンはグラムに突き出される槍をバックステップで回避し、アクアカッターを連続で使い


スノウは、サハギンと対峙をすると氷魔法で一杯の氷の塊を作り出し一気にアイスボールをサハギンに向けて放つがサハギンはそれを槍を使い上手く捌いていく。たが、スノウの狙いはそこではなく。魔法の攻撃をしている間に相手の足元を凍らせてそのまま下半身を氷漬けにして、サハギンの動きを封じる。サハギンが動けない状態になると、スノウはサハギンに向かい突っ込んでいく。たが、サハギンも何もしないわけでない。サハギンひ、槍でスノウを攻撃してくるがスノウはそれを斬爪擊で槍を弾きとぱし斬爪擊を喰らわせる。サハギンは、まだ、倒せておらず、サハギンは、魔法を発動させようとするが、スノウはそれよりも速くサハギンの首筋に咬擊を繰り出し止めを刺す。

最後に、ウルだ。俺は、ウルが何かあった時のため、ウルの後ろで何時でも動けるような待機をしている。まぁ、内心ウルが心配でドキドキではあるが……ウルは俺がそんなことを思っているとは露も知らず、


『さぁ、ウルがやってやるのです!かかって来いなのです!!』


ウルが片足ずつピョンピョンと飛びながら掌を上に向けてちょいちょいとかかって来いというポーズを取っている。まるで、昔の映画の武道家かよっと突っ込んでみたかった。

まぁ、そんなことはいいとして、サハギンは少し怒っているみたいだ。槍で突きを放つ。ウルは、バックステップで後ろに飛び攻撃を回避する。そして相手に向かって行くがサハギンが槍を横薙ぎをすると、ウルはサハギンの槍の柄の部分がヒットし、飛ばされる。


「ウル!!大丈夫か?」


『大丈夫なの!!まだやれるの!』


「わかった!」


ウルがまだやれるというので様子を見ようと思う。今度は、ストーンバレットを6個作り出しサハギンに向けて放つ。サハギンは、4つ目までは槍で叩き落とすことが出来ていたが残りの2個はサハギンの左足と右手にヒットする。すると、サハギンも水魔法で水の塊を4個作り出し向けて放つ。ウルは4足で走りだし3つは回避するが1つに当たってしまい、その反動で少し後退してしまう。その間に、負傷したサハギンは、右足で地面を蹴りウルを槍で攻撃をしようと飛びかかる。

俺は、その一部始終を見ていたが、ここまでだと判断し介入することを決意する。予め、納刀している状態で雷王魔法を纏わせており、縮地で、サハギンの懐に入り一気に抜刀術でサハギンの胴体を一刀両断する。流石、水中エリアで雷系の魔法の威力が上がっているだけはある。こうして、16階層のボスは全て倒すことが出来た、が、1人だけ納得していないやつがいた。ウルである。


『もう少しやれたのです!』


「あれ以上やると危険だと思ったから手を出したんだよ。」


『ウルは、まだ、弱いの!』


『そうだぞ!早く強くなるぞ!』


『頑張るのです!!』


サハギンのドロップ品は魔石と鱗が落ちていた。


サハギンの鱗

サハギンの鱗。防具にすることが適している。


とりあえず、使わないのでアイテムボックス行きが確定である。

あとは、宝箱の回収である。宝箱の蓋を開けてみると、鎧が1つとスキルの書が1つ入っていた。


スケイルメイル

サハギンの鱗で出来た鎧。


硬化

体を固くすることが出来る。


名前 スケイルメイル

スキル 防御力アップ2 


さっきサハギンの鱗が出たと思ったらもうサハギンの鱗で出来たスケイルメイルがドロップしたよ。まぁ、どっち道使わないんだけどね。そして、もう1つは硬化か、要は体を固くするってことは防御力が上がるって事だよな多分。俺は、今すぐに欲しいスキルではないな。ということで、


「みんな注目。さっきの宝箱にスキルの書が入ってたんだ。内容は硬化。要は体を固くする効果があるみたいなんだけどいる人???」


『グラムがもらうの!!』


何か、切羽詰まったような感じでグラムが声をあげた。


「グラム、何か切羽詰まってんのか?」


『せっぱつまるがよくわからないの。でも、そのスキルの書が欲しいの!!』


「理由を聞いてもいいか?」


『いいの!この階層では、水系の魔法が結構便利だったの。タコやイカの動きを止めたりして、みんながモンスターの止めを刺してくれてたの。』


確かにそれは言えるな。グラムは専ら魚達の動き止めていた。止めを刺していたのはグラム以外であった。


「そうか。じゃあ、使っていいぞ!」


『ありがとうなの!!』


グラムは早速スキルの書を使って硬化を覚えた。


「じゃあ。次の階層に行ったら今日はもう帰ろうか。昼飯忘れてたから腹減ったろ!」


『お腹減ったの!』


『早く帰るぞ!』


『帰るのです!』


そうして、俺達は次の階層に足を踏み入れるがやはり16階層と同じ様なフィールドダンジョンであったので俺達は家に帰ることにする。

現在は午後4時半である。まだ、晩飯には少しあるが今日は昼飯を食べていないので少し腹が減っている。それは、俺だけではなくて3人も同じである。なので、夕食に差し支えない位のスナック菓子を出してやると大喜びをしている。その間に俺は、ある人物の所に行く。それは、父親の所である。なぜ、俺が父親の元に来たかというと、ちょっと親父に頼みたいことがあったからである。それは、今日ドロップしたタコとイカについてである。カニは、洗えばあとは茹でればいいだけだが、タコとイカはそのままではどうしようもない。要は捌かなければならないが俺は、あまり得意ではない。なので、ここで、親父の出番である。俺も捌けなくはないが親父の方が上手い。なので、親父に頼むことにする。


「親父、ちょっと頼みたいことがあるんだけど……」


「何だ?」


「実はさ、今日行ったダンジョンがさ水中のダンジョンで、タコとイカがドロップしたんだよ。でも、このままじゃ食べられないから親父に捌いて欲しいんだよ。」


「俺も忙しいからな。」


「特にすることなだろ?」


「こう見えて、俺もそれなりに忙しいんだぞ!」


「わかった。報酬を出すよ。まぁ、今すぐってわけにはいかないけどダンジョンに入れるようになったら給料出すからさ!」


買い物をしたり広島に行ったりしてお金を使いすぎたから今はあまり使いたくない。それに、まだ、買いたいものもあるしな。


「わかった!捌くだけでいいのか?」


「タコは茹でといてくれると助かるよ。あと、イカに関しては面倒臭いだろうけど色々と頼みたいんだよね。」


「わかった。それでイカはどうする?」


「まずは、普通に捌いたものが欲しい。あとは、一夜干しとカチカチに干して欲しいんたけど………。」


「確かに面倒だな……わかった。明日からでいいか?」


「ありがとう。明日からで構わないよ。たださ、今日の夜にたこ焼きしたいからタコを1匹だけ捌いてよ。」


「わかった。」


親父にタコのことを頼むと俺は、夜にたこ焼きをしようと思うので準備をする。その後は、風呂に入り、家族全員揃ってたこ焼きパーティーを行う。した結果、たこ焼きはとても旨く皆に好評であった。

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