29.光魔法
3月5日、今日から14階層を探索する。14層も風景は特に変わりがなく荒野が広がっていた。恐らく、この階層が最後だろうと思う。
探索を開始するが特に変わったところはなく強いて言えばモンスターが少しレベルが上がっており1回に出てくる数が多くなった位である。まぁ、その位なら全然苦戦はしない。
『何か、オークばかりだからつまらないの。』
『確かにだぞ!』
『じゃあ、ウルがやるのです!』
『『ウルには少し早い(の)(ぞ)!』』
『しゅん!』
「お前達、そんなに文句言うなよ。オークを倒せば肉が手に入るんだからちょっとは我慢してくれ。それに、今までだとこの階層の次は、恐らくボスが居るだけだろうし、その先はまた違ったフィールドになってるはずだしな。そうなると出てくる魔物も変わって強さも上がるはずだからさ!」
『わかったの。我慢するの!』
『じゃあ、早く行くぞ!』
『だから、ここはウルが』
「ウルはもう少し強くなってからね!」
『わかったのです!』
「じゃあ、とっとと行こうか?」
『『『わかったの(の)(ぞ)(のです)。』』』
俺達は順調に探索をして行った。そして、この階層にはサツマイモ、トマト、じゃがいも、そして、卵と全部揃っていた。勿論、全て収穫させてもらった。そー言えば、6~9階層で野菜を収穫したときも9階層に全部揃っていたな。恐らく、自然フィールドの各階層で収穫できるものは最後のフィールドになると全部揃うんだと思う。まぁ、これは、俺の予想だけど多分間違ってはいないと思う。
何とか夕方にはこの階層のボスモンスターに到達することが出来た。
「どうする?」
『どういう意味なの?』
「今日は1日、探索やら収穫やらで疲れてないかと思って…………」
『そんなことなの。それなら大丈夫なの!』
『余裕だぞ!』
『やれるのです!』
「そうか!じゃあ、やろうか!」
ボスモンスターは、オークジェネラル2匹、ハイオーク4匹、オーク8匹となっていた。
種族 オークジェネラル
レベル 38
HP 4600
MP 2720
スキル 絶倫8 怪力8 槍術8 統率8 威嚇3
種族 ハイオーク
レベル 35
HP 4100
MP 2200
スキル 絶倫7 怪力7 槍術6 統率4
種族 オーク
レベル 30
HP 2800
MP 1400
スキル 絶倫5 怪力4 槍術4
「さて、今回はどうする?」
『任せるの!』
『どいつでもいいぞ!』
『ウルがやるのです!』
「『『ウルはダメ(なの)(だぞ)!』』」
最近、ウルは自分が強くなったのを試したくて仕方ないのは分かるが、相手の方が明らかに強い奴に向かって行きたがるのはちょっと止めたい。がっ、俺が一緒ならたまには言いかなと思い…
「じゃあ、今回は、オークジェネラルはグラムが、ハイオークはスノウが、そして、オークは俺とウルが担当でどうだ?」
『えっ、ウルもいいのです?』
「いいぞ!但し、俺と一緒ってのが条件だけどな!」
『それでもいいのです!やってやるのです!』
「おうっ!期待してるぞ!」
「グラムとスノウもそれでいいよな?」
『いいの!』
『いいぞ!』
「じゃあ、やろうか?」
『『『おーー(なの)(だぞ)(なのです)!』』』
さて、手前にオーク、ハイオーク、オークジェネラルの順番でいた。とりあえずグラムとスノウにハイオークとオークジェネラルへの道を開けてやらねばならないので真ん中にいるオークを抜刀術で一刀両断にする。グラムとスノウは、俺の後ろに付いて来ていた。
「グラム、スノウ、行ってこい!」
『任せろなの!』
『了解だぞ!』
グラムとスノウは、俺を通り越してハイオークとオークジェネラルに向かっていく。
グラムとスノウが敵に向かっていったので俺は自分の残りの仕事をしようと思う。そう、オークが残り9体である。
『ご主人ばかりずるいのです!』
ウルは、はじめに俺達がいた場所に置き去りになっていた。
「悪かったよ。ウル、やるぞ!」
『ハイなのです!』
ここからやっとウルがお待ちかねの俺とウル対オーク9体との戦闘が始まるのである。
「ウル、今だっ!」
『わかったのです!』
ウルには事前にある方法を教えてある。それは、土魔法の使い方についてだ。土魔法と言うのは要は大地を使う魔法である。と、言うことは、自然に大地で起きる現象は魔法でも出来ると考えられる。あとは、創造力があれば問題はないだろう。
ウルは、両手を地面に付けて
『動けなくするのです!!』
そう言うと、オーク達の足元が沈み始める。オーク達はそれに気がつき必死になって逃げようとするが、もう時既に遅し、である。ぬかるみに足をとられ満足に動けない状態となっていた。俺は、ウルの隣に行くと
「ウル、良くやったな!」
『はぁ、結構疲れたのです!』
オーク達はもう既に下半身は大地の下にあり、その場から動けなくなっていた。あとは、止めを刺すだけである。だが、オーク達に、接近戦を仕掛けるわけにはいかない。何故なら俺もぬかるみ、というかもう殆ど底無し沼のようになっているので俺もハマれば動けなくなるからである。そうなると、あとは、遠距離攻撃しか残っていない。遠距離攻撃と言えば魔法である。
「ウル、魔法でいけるか?」
『もちろんやるのです!』
「無理しないようにな。」
『ハイなのです!』
ウルは、ストーンバレットを使いオークに放つが一撃では仕留められず7、8発放つとオークを倒せていた。たが、4匹目を倒した当たりで魔力の限界が来たようで
『ハァハァご主人、もう無理なのです!!』
「そうか、良くやったな。あとは、任せろ!」
俺は、残りのオークを火魔法で炎の竜巻を作りオーク4匹を巻き込む。
「ファイヤーストーム!」
しばらくするとオークを倒すことが出来ていた。これで、俺とウルの担当は終わった。ウルは俺の側で疲れて眠っている。
そして、グラムとスノウは、それぞれの敵に向かって行く。まず、グラムはハイオークを無視してオークジェネラルに向かっていこうとしていたが、ハイオークがグラムを槍で突き刺そうとするが、グラムはそれを無視してオークジェネラルに突き進む。それを見たスノウは、その槍の攻撃を斬爪擊で叩き落とす。
『先に行けだぞ!』
『スノウ、ありがとうなの!』
『どういたしましてだぞ!』
グラムはスノウの援護があり、先に行くことが出来ていた。ハイオーク達は、グラムを追おうとするがスノウが一吠えしてハイオーク達のヘイトを集める。それにともない、ハイオーク達の標的はスノウは氷の塊を作りだし、その氷の先を鋭利なものにしてから回転をかけてハイオーク達に放つ!
『アイシクルバレットだぞ!』
スノウのアイシクルバレットは勢い良くハイオークに向かって行ったが仕留めるまではいかず、ハイオーク達の肩や足に突き刺さっていた。ハイオーク達は、氷魔法を放ったスノウを睨み付けており、それでもスノウに襲いかかろうとするのでスノウは、風王魔法でハイオークサイズの風の塊を作り出していく。
『いくぞ!風玉だぞ!』
風の塊をハイオークに向かって放つ。すると、風の塊はハイオークを飲み込む。飲み込まれたハイオークは、風の刃に切り刻まれていく。どうやらあの風の塊をの中は、一種の嵐のような状態になっているのだろうと思う。まぁ、嵐って言葉が生易しく感じる以上に強力すぎるんたが………。どうやら、風玉でハイオーク達を倒すことが出来ていたスノウであった。
さて、最後に、オークジェネラルを倒しにいったグラムだが、結果から言えば楽勝である。オークジェネラル達はグラムに槍で突き刺しに来るがグラムはそれを避けることもせずに攻撃を受けるが、グラムに槍が当たった瞬間に、グラムの体がプルんっとなりオークジェネラルの槍を弾いていた。それを見たオークジェネラル達は、槍を薙ぎに攻撃をするがグラムの体に当たるとグニャっとなるが次の瞬間に槍は弾かれる。オークジェネラル達は自分の攻撃がな効かないことな焦っているがグラムはそんなことはお構いなしである。グラムは前回水王魔法で相手を水の塊の中に入れて倒していたので、今回は強酸弾をオークジェネラルの大きさに作り出しオークジェネラルに放つ。強酸弾はオークジェネラルに命中すると、何かいろんな所が溶けているが、オークジェネラルは、まだ動いていた。
『むぅ、しつこいの!アクアカッターなの!』
水王魔法で水を刃のようにしてオークジェネラルの首を飛ばし止めを刺していた。これで、この階層のボスモンスターの討伐が完了する。倒したモンスターが消え、アイテムがドロップしていくが、ここで、グラムが急に光始める。
「これはっ、進化か!」
『やったの!!』
『えっ!また、強くなるのかたぞ?』
『まだ、ウルは追い付いてないのです!』
スノウとウルはグラムが進化するのは少し不満があるようだ。
「仕方ないだろ?この中でグラムが1番最初にテイムしたんだから!」
『そうだけどたぞ…』
『それは、わかってるのですけど……』
「まぁ、今は見守るとしようか?」
『『わかった(ぞ)(なのです)。』』
そんな2人の愚痴を聞いているとグラムの光が収まり進化が終了する。毎度のことだがグラムの外見は殆ど変わっていなかった。グラムをしなければならないが、ついでに俺達もどれだけレベルが上がったのか確認しようと思う。
名前 神月 サイガ
レベル 79
HP 5900
MP 5800
スキル 鑑定 アイテムボックス 木聖術8 抜刀術2 テイム10 気配隠蔽5 火王魔法1 雷王魔法3 闇魔法2 魔力支配4 罠感知9 隠蔽10 気配察知10 魔法耐性9 縮地10 睡眠学習改2 体術9 再生魔法1 鍛冶5
称号
世界初ダンジョン入り
世界初ダンジョンモンスター討伐
世界初フロアボス討伐
種族 ヒュージスライム
名前 グラム
レベル 1
HP 5500
MP 5300
スキル 物理無効 魔法無効 強酸弾4 水王魔法4 超分裂1 超巨大化1 スライムボックス1
称号
神月サイガの従魔
種族 ホワイトタイガー
名前 スノウ
レベル 42
HP 6000
MP 4900
スキル 咬撃4 斬爪撃3 俊速4 風王魔法2 氷魔法6 身体強化9
称号
神月サイガの従魔
種族 チャイルドベアー
名前 ウル
レベル 9
HP 2400
MP 2100
スキル 爪擊2 土魔法9 噛みつき7 身体強化3 運2
称号
神月サイガの従魔
抜刀術
抜刀術を使うのが上手くなる。
再生魔法
回復魔法の上位版。
超分裂
分裂時よりもさらに多くの分裂が出来るようになる。
超巨大化
巨大化よりもさらに大きくなることが出来る。
スライムボックス
アイテムボックスと同義。但し、スライムボックスにはレベルが存在しレベル上昇するにつれて収納容量も大きくなっていく。最初は、四畳半の部屋くらいである。
何かグラムが良いスキルを取得したな。
「グラム、このオークの魔石を収納してみてくれないか?」
オークを倒してドロップした魔石を試しに収納してもらう。
『わかったの。』
グラムは、魔石を体内に取り込む。
「出来たか?」
『多分出来たの。』
「じゃあ、次は出してみようか?」
『わかったの。』
グラムが返事をするとさっき取り込んだ魔石が出てくる。
「『成功(なの)!』」
スライムボックスは見事成功した。そんなことをやっている間に宝箱が出現していたが気がつかず、スライムボックスの検証が終わってから宝箱が出現しているのを発見する。
「あっ、宝箱空けるの忘れてた!」
『ご主人早く開けるの!』
『楽しみだぞ!』
『何が入っているのか楽しみなのです!』
早速、宝箱を開けようと思う。今回は何が入っているのか楽しみではある。宝箱を開けると、ポーションが5つ、マジックポーションが4つ、ハイポーションが3つ、ハイマジックポーションが2つ、スキルの書が2つ入っていた。とりあえず、ポーション系はアイテムボックスに仕舞い、スキルの書を鑑定すると、光魔法と火魔法のスキルの書であった。
「誰かスキルの書いる奴いるか?」
『光魔法が欲しいのです!』
ウルが1番に手を上げた。
「因みに理由を聞いても良いか?」
『いいのです………!光魔法がカッコ良さそうだからなのです!!』
「わかった。じゃあ、使っていいぞ!」
『ありがとうなのです!』
「スノウもグラムも火魔法はいいのか?」
『今はいいの!』
『俺もいらないぞ!』
「じゃあ、アイテムボックスに仕舞っとくからいる時は声かけてくれよな!」
『『『わかった(の)(ぞ)(なのです)。』』』
俺は、火魔法のスキルの書をアイテムボックスに仕舞い次の階層を目指す。