28.抜刀術瞬煌
オークとハイオーク達を倒した。すると、俺の木刀と服が光だした。
名前 魔法の木刀改
スキル 破壊不可 成長 魔纏
名前 魔法のロンティー改
スキル 破壊不可 サイズ補正 温度調整 進化 変化 物理耐性8 魔法耐性8
名前 魔法のジーパン改
スキル 破壊不可 サイズ補正 温度調整 進化 変化 物理耐性8 魔法耐性8
変化
使用者のイメージした通りに変化することが出来る。
おっ、久々に進化した。それに今まで木刀は鞘も何もなかったが今回の進化で鞘付きになっていた。まぁ、普通は鞘なんかついてないから、少し困惑したが、鞘があるってことは居合い系の技を使えるってことだから何かドキドキしてくる。それに、服も俺の思うように変化するようになった。
進化した装備を見ているとドロップ品と宝箱が出現していた。ドロップは、やはり肉と魔石であったのでアイテムボックスに仕舞っていく。次に、宝箱を開ける。宝箱にはポーションが3本とマジックポーションが3本、あと金属のインゴットが10本入っていた。金属のインゴットは、前回と同様で1つ辺り10キロ位あり、その金属は7本が金色に光っておりもう三本は白く光っていた。鑑定すると
金のインゴット
金をインゴットにしたものである。
ミスリルのインゴット
ミスリルをインゴットにしたものである。
ミスリル
魔力を非常に通しやすい金属であり強度もある。希少金属である。
やっぱりあったな。ダンジョン定番のミスリル。しかも、いきなり30キロ近くも出てくるなんて思ってなかったが、今は使い道がない………わけではないか。鍛冶のスキルがあるから何か作り出せるが、今は特に作りたいものがないのでとりあえずはアイテムボックスに入れておくことにする。
さて、このまま下の階層に下りて行く。次の階層は13階層である。まだ、昼には少し早いので13階層を探索しようと思う。風景は相変わらず荒野である。モンスターも特に変わらずオークが多い。あとは、ステックバードがいる感じである。とりあえずは、モンスターを見つけると俺、グラム、スノウの順番でモンスターを倒していた。ステックバードが出た場合はウルが相手をしていた。そんなことをしていると昼を過ぎていたので昼食にする。魔法のテントをアイテムボックスから取り出してテントの中に入る。今日の昼食は何をしようかと悩む。
「なぁ、何か食べたいものあるか?」
『肉がいいの!』
『俺も肉がいいぞ!』
『ウルは、蜂蜜がいいのです!』
「じゃあ、多数決で肉にしようと思う。ウル、蜂蜜はまた今度な!」
『わかったのです。』
肉と言われたが何にしようかと悩む……よしっ、牛丼ならず豚丼にしようと思う。アイテムボックスから玉ねぎを取り出し、皮を剥き玉ねぎを半分に切り、千切りにする。次に、オーク肉を切っていく。まずは、玉ねぎを色が変わるまで炒める。そして、一度取り出して今度は肉を炒める。そして、肉に火が通ったらさっき取り出した玉ねぎを加えて炒める。そこに、買っておいた牛丼のタレを入れて、少し煮る。出来上がったら、どんぶりに盛っておいたご飯の上に豚丼の具を乗せてネギをたっぷりとかけてステックバードの卵を割って乗せて完成である。あとは、お好みで七味唐辛子を用意する。ここに、紅しょうががないのは少し残念ではあるが仕方ない。みんなは、自分の部屋で寛いでいるので大きな声でご飯が出来たことを伝える。声をかけるとすぐに集まってくるので食事を開始する。
「今日は、オークの肉を使って豚丼にしてみたぞ。卵は、ステックバードの卵を使ってるからしっかり味わってくれよ。」
『いただきます(なの)(だぞ)(なのです)!』
俺は、どんぶりを持ち上げまずは、卵を割らずに豚丼を食べる。やはり、オーク肉は美味い。
『ご主人、美味しいの!』
『主、美味いぞ!』
『ご主人、とっても美味しかったのです!』
3人とも満足してくれたみたいである。そのあと、少し休憩をしてから午後からの探索を開始する。
さて、現在は午後2時である。今から、午後の探索を開始する。さて、探索をしていると何か見たことのある植物がそこに生えていた。見たことはあるのだが思い出せないので鑑定をしてみることにした。すると、
ダンジョンじゃがいも
ダンジョン産のじゃがいも
なんと、じゃがいもである。じゃがいもは色々なレシピがあるため、これも確保が必要である。
「よし、みんな、採取の時間だ!」
『またなの?』
『今度はなんだぞ?』
『美味しいものがいいのです!』
「今回はじゃがいもだ。」
『『『じゃがいも(なの)(たぞ)(なのです)。』』』
「そう。じゃがいもだ。色々と使い用途があるから便利な食材なんだよ。」
『そうなの?』
「ああっ。ってことで、今からはじゃがいもを見つけようと思う。それで、下の階層の階段を見つけたらその前にいるモンスターを倒してから今日は終了で、もし、見つからなくても5時になったら今日の探索は終了するぞ!」
『了解なの!』
『わかったぞ!』
『わかったのです!』
まずは、ダンジョンじゃがいもを引っ張り抜き、グラムに水で綺麗に洗ってからアイテムボックスに仕舞っていく。残ったじゃがいもも掘って水で綺麗に洗ってからそれもアイテムボックスに仕舞っていく。
「よし、次に行くぞ!」
『『『おーー(なの)(だぞ)(なのです)』』』
その後、3ヶ所ぼどじゃがいもを見つけ収穫していく。その間もオークやステックバードを見つけたので1匹残らず倒して俺達の経験値になってもらう。そんなことをしているともう既に午後5時になってしまったので今日はここで探索を終了しようと思う。
「今日はここで探索終わるぞ!」
『はーいなの!』
『わかったぞ!』
『早く帰ってゲームするのです!』
ゲーム大好き人間もといモンスターになっている3人である。
「ゲームは風呂に入ってからだぞ!」
『『『はーい(なの)(だぞ)(なのです)!!』』』
そして、俺達は家に戻り風呂に入る。風呂が終わると3人とも一目散にゲームに向かい遊び始める。母親が帰ってくるとみんなで食事を開始する。
「ねぇ、サイガ。最近、仕事場とか近所の人に、若返ったわね。って、よく言われるのよ。」
「まぁ、仕方ないんじゃない。実際、若くなって見えるし。」
「そうだな。俺も、最近では腰が全く痛くなくて動きがスムーズになってるしな。」
「あら、私もよ。腰と膝が痛かったんだけど今では全く痛くないの。仕事場で思い荷物を抱えても全く何ともないわ。」
「多分だけど、ダンジョン産の食べ物を食べ始めてからだと思うんだよね。だけど、この事は内緒でね。」
「わかってるわよ。」
「ああ。」
「よろしくね。」
そんな話をしながら夕食を終える。自室に戻ると3人はゲームをしており俺は携帯をいじっている。その後、就寝する。
さて、次の日もダンジョン探索をする。その為、ダンジョンの13階層に移動する。
「さて、今日の予定を発表する。」
『どうしたのなの?』
『そうだぞ。』
『予定の発表なんて初めてなの。』
「ちょっときょうは、いつもと違うからな。」
『どう言うことなの?』
「実はさ、昨日じゃがいもを見つけただろ。だから、じゃがいもを集めようと思うんだよ。それで、俺とウル、グラムとスノウのペアで収穫をしていこうと思う。」
『わかったけどそれだといつもと変わらないの!』
『そうだぞ!』
ウルは首を傾げている。
「まぁ、そこまでは、前にもあったが、今回は少し違うぞ。」
『どこがなのです?』
「それは、今までの経験上、昨日で殆ど探索したと思うんだよ。あと言ってない場所に行けばこの階層のボスがいるはずだから夕方にボスの前で待ち合わせして、ボスを倒してから今日は帰ろうと思うがどう思う?」
『賛成なの!』
『最後にボスかいいぞ!』
『頑張るのです!』
「よし、じゃあ、それで決まりだな。じゃあ、油断しないように行くぞ!」
『『『わかった(の)(だぞ)(のです)。』』』
こうして俺とウルはグラムとスノウと別れて探索を開始する。ウルにはステックバードを任せオークは俺が相手をする。俺は、鞘が出来たことであることをやってみたいとずっと思っていたことがある。それは、抜刀術である。漫画とかで良くある技で実際にもあるものである。取りあえず見よう見まねでやってみようと思う。木刀を鞘に納めたまま俺はオークに接近する。普通なら敵が接近してくるのを待つのが普通なのだろうが、俺は、早く抜刀術を使ってみたくて待ちきれず自分から接近する。オークが自分の間合いに入ったのを確認してから俺は漫画やアニメの見よう見まねの抜刀術を意識して技を放ってみる。すると、普段よりも明らかに剣速が上昇しておりオークに深い傷を負わせ一撃で仕留めることが出来ていた。
「なんか、この技ヤバくない?」
俺は、1人で突っ込んでみる。明らかに普段より殺傷能力が高いし、俺は、ただ、漫画やアニメの見よう見まねをしただけで、まだ、完全に物にしたわけではない。つまりは、まだ、完全な形じゃないのに威力が高すぎるということだ。もし、抜刀術のスキルがあればもっと効率よく技を出すことが出来ると思うと嬉しいようなゾッとするような複雑な感想だ。
『ご主人、スゴいのです!スッゴく速かったのです!』
「俺もビックリだ!それじゃあ、行こうか?」
『ハイなのです!』
それからは俺とウルはじゃがいもを求めて探索を開始する。取りあえずはまだ、行ってない所から探索をしていこうと思う。勿論、ウルにもモンスターの相手をしてもらう。そして、昼過ぎにはボスモンスターを発見していた。まぁ、待ち合わせは夕方なのでボスモンスターはスルーして再びじゃがいも探索を開始する。
夕方になろうとしているのでボスモンスターの所に行こうと思う。
「ウル、そろそろ時間だから待ち合わせの場所に行くぞ!」
『ハイなのです!』
俺とウルは、ボスモンスターのいた場所に向かうとそこには既にグラムとスノウが待っていた。
『ご主人、遅いの!!』
『遅いぞ!』
「ごめんな!ってか、お前達が速すぎるんだと思うけど。」
『そんなことないの!』
『そうだぞ!』
「じゃあ、ボスを倒してから下の階層をちょっと見て今日は帰ろうか。」
『わかったの!』
『さっさとやるぞ!』
『やるのです!』
「ウルはまだ、援護な!」
『うーー………わかったのです。』
ウルは、少し納得がいってなさそうだが安全第一だ。そういえば、この階層のボスモンスターは
種族 オークジェネラル
レベル 35
HP 4400
MP 2600
スキル 絶倫8 怪力8 槍術8 統率7 威嚇3
種族 ハイオーク
レベル 33
HP 3900
MP 2100
スキル 絶倫7 怪力7 槍術6 統率4
種族 オーク
レベル 28
HP 2690
MP 1300
スキル 絶倫5 怪力4 槍術4
今回はオークジェネラルが一体とハイオークが3匹、オークが6匹いた。
「まずは、作戦会議だ。今回はどうしたい?」
『どこでもいいの!』
「スノウは?」
『じゃあ、俺がオークを担当するぞ!』
「わかった。じゃあ、グラムにはハイオーク3匹を任せてもいいか?」
『了解なの!』
「じゃあ、ウルは隙を見て攻撃な!」
『わかったのです!』
「よしっ、じゃあ、行くぞ!!」
『『『おおーー(なの)(だぞ)(なのです)』』』
さて、まずは、グラムとスノウが突っ込んでいく。グラムはオークの目の前で止まり、グラムはオークの間をすり抜けてハイオークの元に向かう。っが、オーク達はそれを見過ごすはすがない。オークの間をすり抜けたグラムにオーク達が攻撃をしようとしたが、スノウが1匹のオークに斬爪擊で、オークの1匹を攻撃して、そのまま、押し倒しグラムに攻撃を仕掛けようとしたオーク達に『ガァァァッッッ-』っと吠えて威嚇をしてオークのヘイトを自分に集めるのであった。そこからは、戦いと言うよりは、もう蹂躙に近かった。スノウが押し倒しているオークに向かって風王魔法を纏った斬爪擊で1匹目の止めを刺していた。そして、オーク達はスノウに攻撃を仕掛けようとするが、スノウの俊足についていけず一方的な展開となる。風王魔法を纏った斬爪擊をヒットアンドアウェイを続けるとあっという間に5匹のオークを仕留めていた。
スノウがオークと戦っている頃、グラムはハイオーク3匹を相手にしていた。
『かかって来いなの!!』
グラムは、巨大化で大きくなり分裂にて3人に解れていた。どうやら、1匹に対して1人の計算なのだろう。それを見たハイオーク達は、スライムを相手にさせられたので少し怒りモードなのだろう。
『『『ブモっーーーー!!!』』』
と、雄叫びを上げグラムに槍で攻撃を仕掛ける。まぁ、ハイオークの気持ちも解らなくはない。何せ、相手はモンスターの最弱候補のスライムである。それを、1対3で相手をさせられるのだから少し同情の余地はあるが、グラムは、うちの従魔の中では1番強い。下手をしたら俺以上に強い。そんなグラムの強さを見抜けなかったハイオークには、「御愁傷様」としか言ってやれない。まぁ、そんなことはどうでもいいとして、グラムは、水王魔法を発動させて、ハイオークをハイオークの2倍くらいはある水の玉の中に閉じ込めていた。ハイオーク達は、水の中では身動きが取れずもがいているが脱出出来ずに徐々に動きが少なくなり最後には動かなくなった。あとで、グラムに聞くと、水の玉の中の水も自由に操れるとのこと。それで、ハイオーク達を拘束して動けないようにしたとこ話していた。「グラム、恐るべし!」と、心の中で思っていた。
グラムも無事にハイオーク達を倒せていたので残るはオークジェネラルだけである。俺は、スノウとグラムの後に続きゆっくりとスノウとグラムの活躍を見ながらオークジェネラルと対峙する。俺がオークジェネラルと対峙したのはちょうどグラムが水王魔法を発動した位である。オークジェネラルは、余所見をすることなく俺に集中していた。オークジェネラルは槍を構えると、一気に突きを繰り出してきた。俺の木刀はまだ、鞘の中にあり、その突きをかわすとオークジェネラルの腕めがけて抜刀する。かなりの手応えはあったが、オークジェネラルは、バックステップをして、俺から距離をとろうとする。因みにオークジェネラルの腕は結構なダメージが入っている。俺は、オークジェネラルが、バックステップしたので縮地を使いオークジェネラルの懐の1番深い部分に潜り込む。勿論、刀は鞘に収まっている。縮地と同時に踏み込み一気に抜刀術を放つ。これには、オークジェネラルもかわせるはずもなくオークジェネラルを真っ二つにしてしまった。
このときには、すでにグラムもスノウも戦闘を終えており俺の戦いをみていたのだが………
『ご主人、さっきのスゴいの!!』
『オークジェネラルが真っ二つになったぞ!』
「ありがとな。今のは、そうだな。一瞬の煌めきってことで瞬煌ってのはどうだ?」
『カッコいいの!』
『いいと思うぞ!』
と、大はしゃぎをしているが、1人だけシュンとしている奴がいた。ウルである。
「ウル、どうした?」
俺が、理由を聞くと
『何も出来なかったのです。悔しいのです!』
どうやら、自分の出番がなかったことに悔しかったのだろう。
「まぁ、今回がダメでも次があるからさ、また、頑張ろうな!ウルも段々強くなってきてるから大丈夫だよ!」
と、ウルの頭を撫でながら言うと
『もっと強くなってやるのです!』
「頑張れよ!ウル。」
『頑張るの!』
『頑張れだぞ!』
オークとハイオークからは、魔石と肉が、オークジェネラルからは、魔石と槍がドロップしていた。
名前 オークジェネラルの槍
スキル 防御力アップ 怪力
防御力アップ
防御力がアップする。
取りあえずはアイテムボックスの中に仕舞っておく。
そんなことをしていると、お待ちかねの宝箱が出てくる。宝箱の中身はスキルの書が2つ程入っていた。
洗浄
体や物を洗浄することが出来る。
闇魔法
闇魔法を使えるようになる。
普通の探索者なら洗浄のスキルは重宝されるのは分かるが、俺達には特に必要性を感じない。なんせ、いざとなれば、家に帰って風呂に入ることが出来るし、魔法のテントの中にも風呂はあるので特に必要はない。次に闇魔法だが、3人とも特に興味を示さなかったので俺が使うことにした。洗浄のスキルの書をアイテムボックスに入れて下への階段を下りていく。下りた先は、14階層であるが特に13階層と景色は大して変わりがなかった。なので、今日の探索はここで終了とする。