23.超高級羽毛布団
さて、俺達は昼飯のホットケーキを食べてから休憩をしていた。
「そろそろ行こうか?」
『わかったの~!』
『行くぞ!』
『行くのです!』
みんなの同意を得られたので俺達はテントを出て、俺はテントをアイテムボックスにしまう。今は10階層手前の階段の前にいた。これから10階層である。っが、その前に、ハニービーを倒して得た蜂蜜をウルの大好物になってしまい、このままでは直ぐに在庫が尽きてしまうのは火を見るより明らかである。なにせウルは熊系の魔物であるため、蜂蜜が大好物になっても可笑しくはない。しかも、次は10階層である。大抵こう言う切りのいい階層は強めのボスが出ることが定番である。なので、10階層に挑むのは今週の金曜日の午後からとしてそれまではレベルアップと蜂蜜を優先的に回収してまわろうと思う。その旨をみんなに伝えると
『大っ賛成なのです!!!』
真っ先にウルが返答を返してきた。目をキラキラさせて………
『グラムもいいの!』
『俺もいいぞ!』
「じゃあ、レベルアップと蜂蜜の回収頑張って行こう!」
『『『おー(なの)(だぞ)(なのです)』』』
こうして金曜日までレベルアップと蜂蜜の回収に勤しむのである。
その結果、大量の蜂蜜を入手することが出来たのである。レベルも上昇したので10階層に挑もうと思う。10階層は、ある意味切りの良い数字であるので少し緊張して階段を下りていくと、そこには普通のダンジョンの通路が一本伸びているだけだった。俺は、9階層と同じ草原と森のフィールドが広がっているものと思っていたがそうではなかった。このパターンは強力なモンスターが居ると見てまず間違いないだろう。取りあえず休憩を挟んでいるのでHPもMPも全快であるので、そのまま進むことにする。通路は本当に真っ直ぐで何もなかった。そんな通路が100メートル位進むと10メートル位の大きな扉が目の前に佇んでいた。扉には特に装飾はなく両開きになっていた。俺は両手で扉を押し開ける。俺達は、部屋の中に入ると扉は閉じてしまった。部屋の中は暗かったが俺達の居るところからドンドン明るくなっていく。まるで何かの演出を見ているようである。部屋が明るくなり、部屋の全容が見えてくる。部屋は特になにもない体育館位の大きさであり、俺達が入ってきた反対方向に入ってきた扉と同じような扉があった。俺が一歩踏み出すとモンスターが出現した。モンスターは、見た目は3メートル位のニワトリがいた。
種族 ビックチキン
レベル 20
HP 4000
MP 3000
スキル つつく7 魔法耐性4
俺は鳥形モンスターが出現したのでモンスターの名前はコカトリスかなと少し期待したが、とりあえず目の前の敵を倒すことに専念しよう。
その前に
「ウル、お前は後ろに下がって土魔法で防壁張ってろよ。あと、土魔法で攻撃できたらしてくれ。」
『わかったですの!』
「グラムとスノウは、各自の判断に任せる!ただし、フレンドリーファイアーには気を付けろよ!」
『ご主人、フレンドリーファイアーって何なの?』
「フレンドリーファイアーってのは同士討ちってことだよ。」
『わかったの!』
『了解だぞ!』
「じゃあ、行くぞ!」
『おうなの!』
『行くぞ!』
『頑張ってなのです!』
ウルは、自分よりも少し大きめの壁を土魔法で作って隠れている。俺は、まず、雷魔法で槍を作り出し攻撃をする。グラムは水王魔法で槍を作り出す。やはり俺の魔法よりすごく強力である。魔法攻撃はモンスターに命中するがあまり効果がみられていない。こうなれば接近戦で戦うしかない。俺よりも早くスノウがモンスターに駆けていき風魔法を纏わせた爪撃で攻撃をする。ビックチキンは、鋭い嘴を振り下ろして来たが俺はそれをかわし木刀にて斬撃を加える。ビックチキンの嘴は地面を割っていた。グラムは魔法があまり効果がないと思ったのか酸弾て攻撃をし、始めはあまり効果が無かったが酸でビックチキンの羽毛が溶けた所をグラムが再び酸弾を打つと「クェェーーー」と大きく鳴き声をあげる。どうやらビックチキンの羽毛は魔法に対する耐性があったようだ。まぁ、グラムが酸弾で溶かしているのでそのうち魔法も効くようになるだろう。
俺は、木刀で攻撃を繰り返す。ビックチキンの攻撃は嘴での攻撃であり、動作がすごくわかり易いため避けるのは簡単である。ビックチキンの羽毛はドンドン酸で溶けていき、今では丸裸になっている。気のせいか俺の木刀での攻撃の効きも良くなっているように感じる。
「ウル、今のうちに攻撃しとけよ!」
『わかったのです!ストーンバレット!!』
土の塊がビックチキンに向けて飛んでいく。まぁ、あまりダメージは受けていないが今はこんなものかと思う。ストーンバレットを放ったウルは既に隠れている。とりあえず、こいつを倒すことに専念する。今は、スノウに向かって嘴で攻撃しているがスノウは楽々とかわしている。その横でグラムが水王魔法のアクアランサーで攻撃をしている。俺も縮地で一気に距離を縮めて思い切り斬りかかる。すると、
『クェェェーーーー』
と、雄叫びを上げて倒れる。とりあえず、立ち上がってこないのか警戒していたがモンスターの体は消えていったのでホッとする。
名前 神月 サイガ
レベル 63
HP 4200
MP 4100
スキル 鑑定 アイテムボックス 木聖術6 テイム10 気配隠蔽2 火魔法6 雷王魔法1 魔力支配2 罠感知8 隠蔽9 気配察知9 魔法耐性8 縮地9 睡眠学習8 体術5 回復魔法6
称号
世界初ダンジョン入り
世界初ダンジョンモンスター討伐
世界初フロアボス討伐
種族 ビックスライム
名前 グラム
レベル 35
HP 4500
MP 4300
スキル 物理無効 強酸弾1 水王魔法2 分裂9 魔法耐性9 巨大化10
称号
神月サイガの従魔
種族 ホワイトタイガー
名前 スノウ
レベル 26
HP 4500
MP 4300
スキル 咬撃2 斬爪撃1 俊速2 風魔法8 氷魔法2 身体強化6
称号
神月サイガの従魔
種族 スモールベアー
名前 ウル
レベル 12
HP 410
MP 390
スキル 引っ掻く5 土魔法5 噛みつき3
称号
神月サイガの従魔
前見たときよりもレベルが上がっているな。っと、ステータスの確認をしていると、目の前にはビックチキンのアイテムがドロップと宝箱が出現していた。まず、ドロップしたアイテムは、魔石となぜか布団が落ちていた。まさか、これがドロップしたアイテムなのかと思い鑑定してみると
超高級羽毛布団
ダンジョン産のとても高級な羽毛布団。睡眠促進効果あり。
良いものが出たな。今日はこれを使って寝てみようかなと思う。さて、あとは、宝箱の回収だな。宝箱を開けてみるとスキルの書と何かの金属のインゴットがあり1つ辺り10キロ位あり、それが、2つ入っていた。鑑定をしてみると、スキルの書には
鍛冶
金属を製品にすることが出来る。また、既存のものを強化、劣化させることが出来る。
強酸弾
酸弾よりも強い酸を産み出すことが出来る。
鉄
ダンジョン産の鉄の塊。
何かあまりいいものではないのかなと思ってしまう。とりあえず鉄はアイテムボックスに仕舞っておくことにする。そのうち、国が買い取ってくれるだろう。ダンジョン産だから高く買い取ってくれたら嬉しいな。あとは、スキルの書は鍛冶なんてあんまり興味がないけど一応習得だけはしとこうと思う。3人に聞いても要らないって言うから仕方なく俺が使うんだけどね。
名前 神月 サイガ
レベル 63
HP 4200
MP 4100
スキル 鑑定 アイテムボックス 木聖術6 テイム10 気配隠蔽2 火魔法6 雷王魔法1 魔力支配2 罠感知8 隠蔽9 気配察知9 魔法耐性8 縮地9 睡眠学習8 体術5 回復魔法6 鍛冶1
称号
世界初ダンジョン入り
世界初ダンジョンモンスター討伐
世界初フロアボス討伐
じゃあ、さっきの鉄を使って少し鍛冶を試してみようかなと思う。目の前にアイテムボックスから鉄をとりだしナイフを作ろうと思う。鍛冶のスキルを使うと鉄が俺が思い浮かべたナイフの形になりつつあるが時間が掛かりすぎる。ナイフを作り初めて10分位たった頃、漸く完成するが完成したナイフは思い描いた形ではあったがとても歪な形をしておりとてもナイフとしては役に立たない代物であった。ここは、要練習だなと思う。