14.戦うクマ
翌朝、6階層のテントの中のベッドで目が覚める。時計を見ると現在午前7時であった。俺は、ベッドから起き上がり着替えをする。グラムもスノウも自分の部屋に行かずに俺のベッドに潜り込んで一緒に寝ていた。俺が起き上がると2人とも目を覚ます。
「グラム、スノウ、おはよう。」
『ご主人、おはようなの。』
『おはようだぞ。』
「朝飯にしようと思うけど食べるか?」
『たべるのー!』
『もちろんだぞ。』
「そうか。じゃあ、何が食べたい?」
『ご主人と一緒のものがいいの。』
『俺も主と一緒のものがいいぞ。』
「了解。」
俺たちは部屋を出る。朝はやっぱり和食が食べたいので湯を沸かしインスタントの味噌汁を作る。あとは、アイテムボックスから卵を取り出しスクランブルエッグを作りその後、別のフライパンを使いウインナーを焼いていく。あとは、ご飯を茶碗にもって朝食の完成である。グラムには皿にご飯を盛ってあげおかずは別の皿に盛って出してやる。あとは、底が深い器を出してやり味噌汁を入れてやる。食べても良いと声をかけると『うまいぞ。』と言いながらたべていたが、どうやら猫舌だったみたいで冷ましてから飲んでいた。やはり、タイガー、つまり虎ってことは猫科に属するので猫舌なのだろうか?
まぁ、そんなことはどうても良いいか。グラムには俺と同じ様に出してやると体を触手のように動かして上手く箸を使い食べていたが何処が口なのかさっぱりわからない。まあ、本人は『おいしいの。』と言いながら食べていてので深くは考えないようにしよう。
食事を終え外に出る準備をするがその前に昨日は牛や豚を倒して回ったのにステータスの確認をしていなかってので確認をしようと思う。
名前 神月 サイガ
レベル 37
HP 2300
MP 2200
スキル 鑑定 アイテムボックス 木聖術2 テイム7 気配遮断7 火魔法3 雷魔法6 魔力操作7 罠感知5 隠蔽6 気配察知6 魔法耐性4 縮地5 睡眠学習4
称号
世界初ダンジョン入り
世界初ダンジョンモンスター討伐
世界初フロアボス討伐
種族 ビックスライム
名前 グラム
レベル 11
HP 2100
MP 2050
スキル 物理耐性7 酸弾8 水魔法6 分裂7 魔法耐性6 巨大化6
称号
神月サイガの従魔
種族 スモールホワイトタイガー
名前 スノウ
レベル 28
HP 1600
MP 1500
スキル 噛みつき7 爪撃6 俊敏6 風魔法3
称号
神月サイガの従魔
何か俺とグラムはこんなもんだと思うけどスノウが一気に強くなった感がする。
「スノウ、結構強くなってるから今日は1人で魔物と戦ってみるか?」
『もちろんやってみるぞ。』
「よし、じゃあ、出発するぞ!」
『『おおー(なの)(だぞ)』』
俺はテントから出るとテントをアイテムボックスにしまう。昨日は草原を中心に回ったが下への階段を見つけることは出来なかったので今日は森の方に行ってみようと思う。
俺たちは森の入り口まで来ると突然茂みから1メートル位の猪が出てきたのである。鑑定すると
種族 ラッシュボア
レベル 5
HP 400
MP 300
スキル 突進4
となっていた。ラッシュボアは俺たちを威嚇をし、前足で地面を蹴り削っている。
「スノウ、やってみるか?」
『やるぞ!』
「じゃあ、よろしくな。」
俺は、スノウに任せようと思う。これが、スノウの初陣である。スノウがラッシュボアの前に出るとラッシュボアはスノウに向かって突進してきた。ああっ、なるほど、この突進からラッシュボアなんだなと思わせる見事な突進であったが、スノウは猫科動物特有のしなやかな動きでラッシュボアの突進をかわす。すると、ラッシュボアはそのまま木にぶつかる。だが、無傷でありスノウを探してキョロキョロと辺りを探している。スノウはその間にラッシュボアに近づき爪撃を繰り出しラッシュボアに攻撃をしていた。それからは一方的でラッシュボアの攻撃を喰らうことなく倒していた。ラッシュボアを倒すと魔石と肉が落ちていた。
ラッシュボアの肉
ラッシュボアからドロップする肉。
猪の肉は牡丹肉と言われ鍋にすればとても美味しく食べれるので見つけ次第倒していこうと思う。
俺は森を歩きながら
「スノウは風魔法を使わないのか?」
『ご主人、何を行って言ってるんだ?さっき爪撃を使ったときに風魔法も使ったぞ。』
「へぇー!そうなんだ。」
スノウの奴そんな器用なことをやってたんだ。知らなかった。
「じゃあ、これからはスノウも戦力と考えて問題ないな。」
『まかせろだぞ。』
「じゃあ、このまま森を探索するぞ。」
『『おー!』』
このまま森を探索する。森にはラッシュボアがおり見つけ次第、グラム、俺、スノウの順番で倒していった。もちろん肉を確保するためだ。森にはゴブランも居たがゴブリンは倒しても旨味があまりないので気配察知で見つけてもスルーする。そうして森の奥に進んでいくと今までにない気配を感じたので近づいてみる。
気配のする方に向かっていると急に拓けたところに出る。俺は、とりあえず草むらに隠れ様子を伺うとそこには全長2メートル位の熊が横になっていた。
種族 ファイティングベアー
レベル 15
HP 1200
MP 1000
スキル 爪撃4 噛みつき4 風魔法3 格闘術3
となっていた。熊のクセに風魔法や格闘術なんて使うのかよ。何か反則じゃない?まぁ、ここはダンジョンなんだからなんでもありなのかな?それは良いとしてそいつの後ろに下に降りる階段がことだ。つまり、こいつは、この階層のボスってことになる。ってことは、こいつを倒さなくては先には進めないので、戦うことにする。まずは、まだ、相手はこちらに気づいてはいないようなので先制攻撃を仕掛けることにする。
「グラム、アクアボールで攻撃してくれるか?」
『わかったの。でも、もっと威力のある攻撃も出来るの。』
「今は威力は良いんだよ。とりあえず、アイツをびしょびしょにしたいんだよ。それで、びしょびしょになったところで俺が雷魔法をお見舞いしてやるつもりだからさ。」
『それって、どう言うことなの?』
「つまり、水は電気を良く通すからダメージが増えるってこと。」
『そうなの。じゃあ、いくの!!』
「頼む。」
グラムがアクアボールを大きくしている間に俺もライトニングランスの準備をする。
『よし、できたの。』
「じゃあ、いくぞ!せーのっ!」
魔法を放つ合図を行うとグラムのアクアボールがビッグベアーに向かって放たれ、その直ぐ後ろを俺のライトニングランスが後を追っている。ぶつかる寸前に、ファイティングベアーは起き上がり魔法をキリギリ回避する。
「あのヤロウ回避しやがった!!」
完全な奇襲だったのに上手く回避をされてしまった。こうなっては接近戦で勝負をしなければならないので俺は草むらから飛び出す。横にはグラムとスノウもおり、2人ともやる気満々だった。そんな俺たちの姿を確認するとファイティングベアーは2足で立ち上がり両手を広げ「ガァァァッッッーーーー」っと威嚇してきた。俺たちはそんなのにお構い無く突っ込んでいく。
「俺は正面からスノウは右からグラムは左から攻撃頼む。」
『わかったの。右にいくの。』
『わかったぞ。』
「ただし、味方には攻撃するなよ。」
俺達が突っ込んで行くがファイティングベアーは意外と冷静であり、ただ立っているだけではなく腰を少し落とし格闘技の構えをとっている。やっぱりスキルに格闘術があるからやはり格闘の技を使うんだろう。俺は、正面から突っ込むとファイティングベアーはスノウやグラムには見向きもせずに俺に意識を集中しており俺が突っ込むとファイティングベアーは正拳突きを放ってきた。しかも、普通の正拳突きは拳を握っているがこの熊は威力を上げるために手は抜手の状態で爪を立てている。モンスターのわりに頭を使っている。ファイティングベアーの攻撃は俺に迫ってくるが俺はそれを回避し、木刀で攻撃で伸びきった腕に斬りかかり腕を切断する。ファイティングベアーは俺が腕を攻撃している最中に反対の腕で俺に攻撃を仕掛けようとしていたがグラムはファイティングベアーの顔面に酸弾を放ち、スノウは爪撃で背後から攻撃をしていた。そのお陰で相手は怯んだので俺に攻撃が来ることはなかった。なので、俺はそのまま踏み込み相手の首を切断する。
ファイティングベアーはそのまま後ろに倒れ動かなくなった。