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126.ランキング

そういえば、もう既に5月の後半も終わろうと言うのに、支部長の御手洗さんから連絡がない。その連絡とは、オークションの話である。オークションは4月の後半を予定していたので、改めて確認を取ると、どうやらとんでもない事になっているらしい。それは、元々国内だけで行おうと思っていたオークションだが、どこからか海外にこの情報が出てしまい海外の有力者達も参加を表明したのである。これに、御手洗さんは自分の手に負えぬと判断して国に手助けを求めたんだとか。なので、もう少し時間が欲しいと言われた。


さて、そんな中、6月1日午前0時過ぎ、俺は爆睡していた。すると、やたらと従魔の連中が五月蝿い。なので、俺はキレてしまい、


「お前等、いい加減に寝ろ!」


「でも、ご主人…」「話は朝聞いてやるから早く寝ろ!」


俺は有無を言わさず寝るように言う。俺は、それほど眠かったのである。従魔達は渋々寝床に戻っていく。


俺は、朝8時に目が覚めた。今日は良く寝れた気がする。俺が起きると、グラムをはじめとした従魔が全員俺の起きるのを待っていたようである。ただでさえ狭いのに余計狭く感じる。


「おっ、お前等、一体どうしたんだ?」


「ご主人が話しは起きてからって言ったから皆で待ってるの!」


「話し???何の事だ?」


「夜中皆で話し合いをしてるときに主が起きて、五月蝿いから話しは起きてからだって言うから皆で待ってたぞ!」


「話し?全く記憶に無いんだが……。」


どうやら寝惚けて説教をしたらしい。反省である。


「それで、何があったんだ?」


「ご主人、自分のステータスを見るの!」


そうグラムが言うので見てみることにする。


名前 神月 サイガ

ランキング 1

レベル 165

HP 17400

MP 16400

スキル 鑑定 アイテムボックス 世界言語 魔法無効 木神術8 刀聖術2 抜刀術10 テイム10 気配隠蔽10 火神魔法4 雷神魔法4 闇王魔法5 魔力支配10 罠感知10 隠蔽10 気配察知10 縮地10 睡眠学習改10 体王術3 再生魔法10 鍛冶10 料理10 雷操作10 計算9 思考8 分身7 空間魔法6

称号 世界初ダンジョン入り 世界初ダンジョンモンスター討伐 世界初フロアボス討伐


特に変わった所は………………。


「なぁ、このランキングって何だ?」


「夜に変な声が聞こえてきたのです。ダンジョンに行っている全ての者にランキングを与えって言ってたのです。それと、ステータスのランキングの所を触ると上位1万人まで検索出来るようになってるのです。ただし、国しか分からないようにしてあるみたいなのです。」


「そっか。じゃあ、この1ってのは俺の事か…………。」


俺は頭を抱えるが、俺が1位だとすれば、コイツらは一体何位なんだ?っと言うことになる。聞きたくないのだが、聞くしかあるまい。


「ちょっと聞くが、お前らは順位はあるのか?」


「あるの~!グラムが2位なの!」


「俺が3位だぞ!」


「ウルが4位なのです!」


頭が痛くなる。良く聞くと、ここにいる全員が連番で上位陣であった。つまり、ここに世界最強の軍団になったわけである。

そして、徐に携帯を見ると充電はギリギリある状態で、どうやら昨日は寝る前に充電器に繋ぐのを忘れてしまっていたようである。とりあえず、充電器に繋ぎ、携帯を開いてみると、恐ろしいまでの着信履歴がそこにはあった。その殆んどが、御堂さんである。中には遙や朔夜、玉兎、玄羅等の着信が見られるが圧倒的に多いのは御堂さんである。電話に出るのも嫌だし、こちらからかけるのも嫌だ。そう思っていると携帯が光だした。俺は携帯をサイレントモードにしているため寝ている間は携帯に着信があったことは全くと言っていい程気がつかなかったのである。俺は恐る恐る応答ボタンをスワイプする。


「もしもし?」


『あっ、やっと出ましたね。御堂です!』


「どうも、お久しぶりです。ところで何ですか?あのおびただしい着信の嵐は?」


『何もご存じないんですか?』


「ご存じとは?」


『世界にランキングが出現した件です。』


「その事ですか!今、起きてグラム達から聞いたところですよ。それが何か?」


『実は今、その事で大変なことになっているんですよ!』


「大変なこと?たかがランキングの導入だけでですか?」


『たかがではありませんよ。このランキングに乗ると言うことは、世界でも上位の力を有していると言うことになります。そして、様々なスキルを持っている可能性があるのです。そうした者達がいる国が、全て平和主義の国だとは言えません。もしかしたら、戦力として他国に宣戦を布告したり、侵略してしまうかもしれません。世界のパワーバランスが崩れるかもしれない物だと言うことです。』


「そっ、そんなにヤバイものとは……。」


『そうなんです。……………ですが、今はそんな問題はどうでもいいのです!』


「どうでもいいのかい!」 


ついつい突っ込みを入れてしまった。


『実は、日本は、今、世界から注目されています。』


「注目???」


『はい。神月さんは、ランキングが1万人まで何処の国の人なのか知る事が出来ることを知っていますか?』


「それは聞きました。」


『そうですか。それで、今現在、日本がランキングの上位を独占している状態なんです。』


「どっ、独占。それが悪いんですか?」


『悪くはないんですけどね。各国からは白い目で見られるですよ。現に今、総理の元にはどう言った人物なのか?どうやってそこまでの人材を確保して上位を独占したのか?他国を戦争をする気があるのか?等々の質問の嵐で参ってるんですよ。総理は勿論、この事が発覚してから私は総理に速攻で呼び出されて徹夜の状態なんですよ。』


「おっ、お疲れ様です!」


『それで、私達には上位を独占できる人材に心当たりがない。いち早くダンジョンを探索していた自衛官ですら最高でも500位前後なんですよ。そんな中で、上位を独占できる人物など想像できない。そう、貴方を除いてね。』


どうやら御堂さんは確信めいたものがあるみたいである。俺も御堂さんの立場であれば俺を疑っていたと思う。


『それで、1つ聞きたいんですが、神月さんのランキングって何位なんですか?』


「えっ~と、その~…………1位です。」



『…………やはり!では2位は神月さんの従魔だったりしますか?』


「…………やっぱり分かっちゃいますか?」


『そうですね。あの戦い方を見てしまうとそう思わずにはいられませんね。』


「…………そうですよね。確認したところ家の従魔達で上位を独占していますね。」


『分かりました。至急総理に報告します。それで、神月さんには今すぐに首相官邸の方までご足労願いたいですがよろしいですか?』


「……拒否権は?」


『ありませんよ。』 


「分かりました。直ぐに行きますけど、少し時間がかかっちゃいますよ。それに、費用は出して貰えるんですよね?」


『時間の方は大丈夫です。こちらが、最速の足を用意しますので。勿論、費用も全てこちら持ちです。』


「わっ、わかりました。」


『あと、1つお願いがあるのですがいいですか?』


「何ですか?この際だから出来る範囲の事はさせて貰いますよ?」

『では、神月さんの従魔をグラムさん達以外にも連れて来て頂きたいのですが、どうでしょうか?』


「その位なら全然いいですよ。」


『そうですか。ではよろしくお願いします。』


そう言うと御堂さんは電話を切る。すると、家に誰か来たようである。母さんが出ると、


「サイガ~お客さんよー。」


母さんの声に何か嫌な予感がする。俺が玄関に行くと、黒いスーツをビシッと着た男が立っていた。


「何でも、ダンジョン庁の人らしいわよ。」


母さんが爆弾を落としてくる。


「…………やっぱりか。」


「おはようございます。長官よりいつでも神月さんをお連れ出来るように家の前でスタンバイしておくように命令を受けました。是非、私共と御同行願いませんでしょうか?」


すごい圧力で迫ってくる。どうやら相当待たされたようであるが、俺の知ったことじゃない。


「今から準備しますので少し待って貰えませんかね?」


「少しとは?」


「せめて、朝食、歯磨き着替えの時間くらい下さい。」


「分かりました。朝食は私共で、用意しますので、その他の用をお願いします。」


「えっ?俺の分だけじゃなくてグラム達の分もいるんですけど?」


「その辺は、こちらで用意させていただきます。」


「俺は、金は払いませんよ?」


「当然です。私共はお願いしている身です。勿論、お題もこちらが持たせて頂きます。」


っと、言うことで、さっさと準備をする。一応グラム達以外の従魔も幾らか連れて来て欲しいと言われたので行きたいと言った奴を連れていく。勿論、指輪の中に入って貰っている。そして、俺は、黒塗りの高級車に乗り込む。だが、やはり落ち着かない。車は市内を走っており、空港までまだ1時間以上かかるはずであるが、急に車が止まる。そして、運転手が外に出てしまい、俺は何が何だか分からなくなってしまった。だが、車から下ろされた瞬間、理解することが出来た。それは、ヘリコプターである。


「えっ?ここまでするの?」


「御堂長官及び総理からは『最速で』とのご指示なので!」


「マジですか?」


「マジです!」


っと、黒服が詰めよって来るのは恐怖でしかない。俺は仕方なく乗り込む。そして、おれよあれよと云う間に、首相官邸へと連れていかれた。そこはいつも通される部屋であるが、部屋の中には何人もの知らない人がいる。まず、総理、ダンジョン庁長官の御堂さん、防衛大臣の三枝さん。この辺りは何度も会っているので知っている。そして、紹介されたのが、外務大臣国分正(こくぶただし)、法務大臣糀谷新(こうじやあらた)、経済産業大臣の紫藤光臣、厚生労働大臣の仙道道治、の3人である。

総理が上座の真ん中の1人用のソファーに座り、そして、その前にテーブルを挟んで各大臣、そして、御堂さんも座っている。俺はと言うと、残された席に座るよう促されるが、その場所が総理と相対した下座の席なのである。何か、裁判でもかけられそうな雰囲気である。そんな中、総理大臣の本堂が話を始める。


「まず、神月。今日よりランキング制度が導入されたのを知っているか?」


「はい。ちょっと前に御堂さんに教えて貰いました。」


俺がそう言うと、各大臣は俺を射殺す感じて俺を睨む。どうやら全員目が真っ赤である。恐らく、夜中に叩き起こされて、騒動に巻き込まれた感が半端ない。そこを御堂さんが「まぁまぁ」と言って宥めている。


「それで、改めて聞くが、神月のランキングは何位なんだ?」


「………………1位です。」


俺のその発言を聞くと大臣連中が、ざわざわし始めるが、総理が、片手をあげると静かになる。


「やはりか。それで、他の上位陣は?」


「恐らく全部俺の従魔達でしょうね。」


すると、バンッと机を叩き付ける。それは、外務大臣の国分正である。


「ふざけるな。そんなことがあっていいわけがあるか?」


「えっ~と、そう言うことを言われましても……。」


俺は困ってしまう。


「ただでさえダンジョン一般に開放ー馬鹿なことがあり得るか?」


「落ち着いて下さい。国分大臣。」


御堂さんが、落ち着かせようとする。


「これが落ち着いていられるか。外国からの対処は外務省が請け負っているんだぞ。私だけではなく外務省の職員も海外の対応に疲弊をしているんだ。」


っと、国分が愚痴をこぼす。


「それは、私も悪いとは思っているんだが、この対応を出来るのはキミ(国分)しか出来ないと思っているよ。」


「そっ、総理!!」


総理の言葉に国分は涙が出そうになる。


「それで、神月よ。」


いい話だと思ったのに突然話を振られる。


「なっ何ですか?」


「私達は、神月(キミたち)の実力を知りたいと思っている。当然ある程度把握しているつもりだが、目の前で見ないことには信じない者も多くてね。どうだろう。実力を見せてくれないか?」

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― 新着の感想 ―
[一言] なんかこの話しの主人公がいちいち蕩けてばかりで ウザいなぁと思ってしまうなぁ、、、
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