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123.特訓

あかりと俺の戦闘スタイルが決まった。そして、最後に進である。


「俺は、そうですね。2人の意見を聞くと俺は前衛の方がいいな。」


「前衛ですか?じゃあ、剣とかどうかな?」


「いいですね。じゃあ、それでお願いします。」


こうして3人の戦闘スタイルが決まった。



※ここから神月目線


「じゃあ、決まったところで特訓しましょうか?」


「特訓って今からですか?」


玉兎が俺に質問してくる。


「そうですよ。」


「今からダンジョンには行くと帰るのは夜中になりますよ。」


「確かにね。でも、帰るのは夜中じゃくて明日の夕方だよ!」


「「「夕方???」」」


「そう。夕方ですよ。そう言えば荷物は何処に置いてますか?」


「玄関に置いてますよ!」


「そうですか。じゃあ、取ってきてもらえますか?」


俺が頼むと3人は荷物を取りに行き直ぐに戻ってくる。


「あの、神月さん。荷物を取ってきたんですけど、これからどうするんですか?」


3人は少し不思議そうな顔をしている。


「勿論、ダンジョンに行くんですよ!」


「「「えっ?」」」


驚愕している3人であるが、俺はその3人の間を通り自室にあるダンジョンに行こうとすると、突然数匹の猫と犬が俺の前に出てきた。玉兎達は、突然の出来事で目を丸くしている。そして、ワン、ニャーと俺に訴えかけているのを不思議そうに見ている。内容はと言えば、


『ご主人だけずるいニャ!』


『僕らも行きたいワン!』


っと、要は俺の話を聞いていて、ダンジョンで夜を過ごすことを言っているのだろう。確かに、皆には夜の続けてダンジョンに行くことは禁止していた。基本的に朝から夕方までと決めてあった。なので、俺が夜通し行くと言ったのを聞いていて反論しに来たのであろう。


「わかった!じゃあ、今日だけ認めてやる。その代わり無理はしないこと。あとは、一応夜は休むつもりだからお前達も休むこと。取り敢えず俺は5階層で休むつもりだから全員時間になったら5階層の俺がキャンプしているところに来ること。それが条件だ!集合時間は午前0時だ。以上が守れるなら行ってもいいぞ!」


その言葉を聞くと、全員が飛び出してダンジョンの方に行ってしまった。それを見ていた3人は何が起こったのかわからないと言う顔をしている。俺も同じ立場ならそういう顔をしていたと思う。


「説明しとこうな。まず、この部屋にはダンジョンの入り口がある。」


「「「!!!?」」」


3人はまた驚愕な顔をする。


「ビックリするのは分かる。この事は内緒だ。だけど、一応、ダンジョン庁の長官の御堂さんとか総理とかは知ってる。」


「それだけでも吃驚なんですが、さっきの動物達は?」


「ああむ、あいつらは俺がテイムしている動物達だ。成り行きでテイムしたらあっという間に目茶苦茶強くなってた。今ではダンジョンに入り浸りだよ。餌も要らないし手も掛からないから助かってる。じゃあ、さっそくダンジョンに行こうか!」


3人は半信半疑に俺について来る。だが、ダンジョンに入ると実感が沸いてきたみたいである。


「ここが、ダンジョンの中なんですね。」


玉兎が質問してくる。


「そうだよ。じゃあ、今から5階層に行きます!」


「「「えっ?」」」


そうして、俺は転移の指輪を使い5階層に転移をする。3人は相変わらず驚愕の表情をしている。


「着きましたよ。」


「着きましたってここが本当にダンジョンの5階層なんですか?ただの草原なんですけど……って草原もおかしいんですけど。」


あかりと進も同時に頷いている。すると、グラム達が飛び出してくる。


「ご主人!またやるの?」


「そうだぞ。朔夜と遙見たいにしようと思う。」


俺とグラムが話していると、あかりと進が、


「「……スライムが喋った~???!!!」」


っと、驚愕する。すると、グラムが


「グラムは喋れるの!それに、グラムは普通のスライムじゃないの!」


「そうだぞ!それに、喋れるのはグラムだけじゃないぞ!」


「そうなのです!」


スノウとウルも喋れるのがグラムだけでないのを言いたいようである。それを見て、再び固まるあかりと進であった。まぁ、それは置いといて、グラムの真意を聞くことにする。


「グラムたちもご主人もこんなところでモンスターを倒しても簡単にレベルは上がらないの!」


「確かに、一理ある。」


「なの!だから、グラム達がモンスターを集めてきて、一気にそこの3人をレベルアップさせるの!そしたら、グラム達は強いモンスターをいっぱい倒せるの!」


「確かに、でも、そんなに沢山のモンスターをこの3人が対処出来ると思うか?」


「そこは、ご主人の出番なの!」


「俺の?」


「そうなの!まず、グラム達がモンスターを追い込むの。そこで、ご主人が魔法でモンスターを痺れさせればいいの!それを、そこの3人に倒させたらいいの!」


「まぁ、確かにそうだけど、そんなこと出来るのか?」


「グラム達に任せれば簡単なの!」


「だぞ!」


「なのです!」


スノウとウルも賛成する。


「分かった!じゃあ、行ってこい!」


俺がそう言うと3人はあっという間にいなくなった。そして、俺は3人の要望を聞き、それぞれの武器を用意する。勿論はじめから強力な武器を渡すつもりはない。ダンジョン産の鉄のインゴットと鍛冶のスキルを使う。まず、あかりは、接近戦が好みのようなので、本人の要望も強く双剣にした。だが、あかりが女性だということを考え剣では、長くて重すぎると思い、刀より少し短めの小太刀を作ってみる。それに対しあかりは大喜びしていた。次に進の武器である。剣と言うことなので、直剣を用意してあげると黙ったまま剣を眺めていた。そして、最後に玉兎である。本人は中間距離の槍を希望していたが、中間距離と聞いて玉兎に使わせたい武器があったのでここはあえて棍を用意する。玉兎は疑問そうだったが、俺がそれを使ってみろと言うと納得して使用してくれるようである。

そんなことをしていると、地響きが聞こえてくる。どうやら3人がモンスターを追い込んでいるのだと思う。


「おっ、おい!大丈夫なのかよ、玉兎?」


「…多分、大丈夫だと思う。」


「多分って、お前な!」


「ほらっ、そんなことしてるとモンスターの餌食になっちゃうよ。」


この中で、1番冷静な判断を下せるのはあかりのようである。


「まず、モンスターを動けなくする。最初は倒せないだろうからとりあえずモンスターにダメージを与える。それで、俺が仕留めると3人にも経験値がいく。それで、まずはレベルアップが最優先。レベルが上がれば攻撃力も上昇する。とりあえず、動きはしないから思いっきりやってくれ。そのうち、2、3回の攻撃で倒せるようになったら普通に戦ってもらうからな。無防備な奴だけ倒しても戦闘の経験にはならないし、連携も必要だと思うからな。」


「「「分かりました!!!」」」


そこからは、玉兎、あかり、進の3人の地獄が始まることなる。初めは押し寄せてくるモンスターを俺が雷魔法で痺れさせて攻撃させて俺が止めをさして3人のレベルアップをしていた。ある程度レベルが上がると無抵抗の相手では、戦闘訓練にならなくなっていた。なので、俺はモンスターを痺れさせるのを辞めると、今までうまく行っていた攻撃が通らなくなる。まぁ、至極当然である。何しろ相手も動いており、殺意満々の相手である。3人は試行錯誤して、戦闘を行っていた。戦闘は約4時間近く続いた。その間は、勿論休憩は無しである。レベルが上がるにつれて運動機能も上昇しているから問題はないだろう。俺が、終わったことを告げると3人は大の字になって地面に寝転んでしまった。


「もうっ、無理っ!動けない!」


「はぁ、はぁ、はぁ、スッスパルタ過ぎる。」


「キツイですよ。神月さん。」


あかり、進、玉兎の順に言う。


「さて、そろそろ寝るぞ!」


「このどこで寝るんだよ!」


進が文句を言い出す。俺はそれを無視してアイテムボックスからテントを取り出す。勿論、普通のテントではなくの魔法のテントである。


「あの~そのテントには私達、全員入れないと思うんですけど……!」


玉兎と進が頷く。


「はいっ、黙って入る!」


俺は強制的に3人をテントの中に入れる。入った瞬間、3人は直立不動となり動かなくなる。その間をグラム、スノウ、ウルが飛び込んで来るも気が付かず、その後も続々と従魔達が帰ってくるが3人は未だに呆然と立ち尽くしていた。最後の従魔が入ってくる。そろそろ正気に戻してやろうと思い柏手を鳴らす。すると、3人はハッとし、


「なんじゃこりゃ~!」


「非常識過ぎる。」


「ははははは。」


進は絶叫をあげ、あかりは呆れ果て、玉兎は壊れてしまった。っとまぁ、冗談程ほどにして、俺はをアイテムボックスから3人の荷物を取り出す。


「ほらっ、汚れてるんだからさっさと風呂に入ってこい!」


「えっ?お風呂もあるんですか?」


あかりが興奮し、進と玉兎が呆れた顔をしている 中野の次は新宿に停まります 。


「あるぞ!」


俺が風呂の場所を教えるとあかりは着替えをもって飛んでいった。それを見送っていた玉兎と進はポカンとしていた。


「ほらっ、いつまでもボサッとしてないで2人も汚れを落として来てくれるかな?」


「えっ?でも、今はあかりが入ってるんじゃないんですか?」


玉兎が質問してくる。


「大丈夫。女風呂と男風呂は別れてるから何の問題もない。」


「「えっ?マジか!?」」 


2人はまた驚愕したようだが、さっさと正気に戻し、風呂に入らせる。その間に、夜食の準備をして食事をした後は、寝る。俺やグラム達はそれぞれの部屋で寝るが、玉兎、進、あかりの3人はリビングに布団を敷いて雑魚寝してもらう。勿論、男女は離してある。無いとは思うが、万が一、男共が良からぬことを考えないとも限らないので、リビングで寝る従魔達には男達が良からぬことをした場合、懲らしめてやれとは言っておいた。従魔達が力加減を間違えると玉兎も進もこの世にはいないであろうから、死なない程度にと厳命しておいた。それを聞いていた玉兎と進は青白い顔をしていた。

そして、次の日は、早朝から3人を叩き起こし先日と同じことを延々とさせる。勿論、途中の休憩を挟んだ。あと、1つ付け加えるならレベリングをしていた階層のモンスターがいなくなったのである。なので、途中から階層を1つ上げて同じことをさせた。3人は文句を言っていたがそこは聞かざるである。そして、夕方まで続ける。


「よしっ、これで今日のメニューは終了だ。」


「やっ、やっと終わった。」


「疲れた!」


「死ぬかと思ったよ。」 


進、玉兎、あかりの声である。


「じゃあ、明日、お前ら3人で近くの山口第3支部のダンジョンの6階層まで行ってくること!」


「「「はぁ?」」」


3人とも同じような反応をする。


「それ位簡単に出来るようにレベルはあげたはず。期限は朝8時から夕方の5時まで。もし、一分、一秒でも時間が過ぎれば地獄の特訓が待ってるからな!」


「「「じっ、地獄の特訓???」」」


「そう!楽しみにしといてくれよな。もし、それが嫌なら頑張ってクリアすることだ!じゃあ、今日はもう終了だ。美味いもの用意してやるから風呂に入って早く寝ることを推奨する。」


そうして俺達はダンジョンを後にする。表情の消えた3人を引き連れて。

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