117.同窓会9
「儂は、報酬はいらん。儂の分は朔夜と遙にやってくれ。ただし、有用なスキルの書があるなら欲しい。」
玄羅は、倶利伽羅を鞘に戻し、そう言う。
「わかった。了解だ。ところで、グラム。とれだけのドロップ品があるんだ?」
「う~んとね。まず、最初の普通のオークの魔石が、朔夜と遙のが合わせて300、オーク肉1キロが180、オークの皮が95、オークの槍が10なの。それで、ご主人が、魔石が70、オーク肉が60、オークの皮が35なの。それで、スノウと哮天犬が魔石が500、オーク肉が350、オークの皮が200、オークの槍が50なの。それで、次がブラックオークなの。まず、ご主人なの。ご主人の魔石は、502なの。グラムが590、スノウが525、哮天犬が、510、ウル490なの。それで、ご主人とグラム達のドロップ品が、ブラックオークの肉1キロが2100、ブラックオークの皮が1500、ブラックオークの槍が1000なの。続いて、遙が魔石85、ブラックオークの肉が40、ブラックオークの皮が25、ブラックオークの槍が10、朔夜が魔石78、ブラックオークの肉が50、ブラックオークの皮が25、ブラックオークの槍が15、玄羅が魔石が70、ブラックオークの肉が45、ブラックオークの皮が30、ブラックオークの槍が20なの。」
ブラックオークの皮
耐刃性に優れ、銃弾をも通さない。しかも、通気性抜群である。
ブラックオークの槍
ブラックオークが使用していた槍。少し重いが耐久性は抜群である。
モンスターを倒せば、必ず魔石が手に入るので、魔石イコール討伐数と言う形になる。
「っと、言うことはっす、私と朔夜、じいさんが、魔石×7っすから、私が、595でトップっす!」
遙のその言葉に、全員が遙を見る。
「ご主人が、7倍なんて言うからなの!」
「そうだぞ!遙に負けるのは悔しいぞ!」
「なのです!」
「わんわん!」
と、全員から批判の雨嵐である。確かに、俺も7倍はやりすぎたと思う。結果としては、1位は遙で595、2位グラム590、3位朔夜546、4位スノウ525、5位哮天犬510、6位俺502、最下位は同率でウルと玄羅で490と言う結果になった。
ドロップ品は、俺達の分は、魔石が2617、ブラックオークの肉が1500で、1つ5キロである。ブラックオークの皮が1200、グラム、スノウがスキルの書をドロップしたらしい。あとは、朔夜と遙、玄羅を合わせて魔石が235、ブラックオークの肉が185、ブラックオークの皮が150で、朔夜がスキルの書をドロップしたらしい。とりあえず、まずは、スキルの書をそれぞれ鑑定してもらう。
まず、グラムがドロップしたスキルの書は、絶倫と言うらいし。これは、文字通り性行為に対して、強くなると1つがいう意味だ。流石にこれは誰も欲しがらなかったので売りに出す。次に、スノウがドロップしたスキルの書は、気配察知と言うスキルである。このスキルは有用ではあるが、俺が持っているし特にグラム達も必要と感じていなかった。だが、この鑑定結果ぎ出てから1人そわそわし出した人物がいた。それは玄羅である。本人に確認したら、欲しいと言うことなので譲ることにした。最後に朔夜がドロップしたスキルの書は、空間把握というスキルらしい。このスキルは、自身を中心とした空間を把握出るというもので、弓を使う朔夜にとっては好都合なスキルである為、朔夜が使用する。そして、御手洗さんに買い取りのほうをお願いする。すると、支部の職員を総動員して買い取りを始めてくれる。そして、査定が終了し、御手洗さんが結果を報告する。
「まず、オークの魔石から行きます。オークの魔石は、1個7000円で引き取らせて頂きます。2倍なので1個1万4000円ですね。なので、天上院さんと桜庭さんが、それぞれ210万円ずつですね。それから、オークの肉は、1個1万円で、2倍ですから2万円となり、それぞれ、180万円ですね。次にオークの皮が1枚9000円、これも2倍ですから、1万8000円となります。それぞれに85万5000円です。最後に、オークの槍ですが、1本1万5000円。2倍ですから、3万円となり、それぞれに15万円となります。ここまでの、合計で490万5000円となります。こちらは、全部買い取りでよろしいですか?」
「さっさっさっ朔夜!とっ飛んでもない金額になったっす!」
「そうですね。流石にこれは驚きですね!」
「どうするっすか?全部買取りしてもらうっすか?」
「まぁ、オークならいつでも倒せますから買取りにしてもらいましょう。」
「賛成っす!」
朔夜と遙の話し合いは簡単に終わってしまった。なので、御手洗さんが続ける。
「では、買取りと言うことで次に進みます。まず、天上院さんと桜庭さんの査定から済ませてしまいましょう。ブラックオークの魔石は、1個1万5000円で買取りさせてもらいます。これも、2倍ですから1個3万円になります。今回は、それぞれが倒した数が違います。天上院さんが、234万円。桜庭さんが、255万円。そして、天上院さんのお爺さんの分は2人に分配とのことなので、それぞれが105万円プラスとなり、天上院さんが339万円。桜庭さんが、360万円となります。それで、ブラックオークの肉なのですが、1個3万円で引き取らせてもらいます。2倍なので6万円となり、天上院さんが、300万円、桜庭さんが、240万円。天上院さんのお爺さんが、240万円なので、その天上院さん、桜庭さんには、120万円ずつですね。ブラックオークの皮が、1枚2万で、2倍ですので4万円、天上院さん、桜庭さんは、同じ枚数なので、それぞれ100万円。天上院さんのお爺さんが、120万円。それぞれに60万円ほどになります。」
すると、ここで「待った!」が入る。待ったと言ったのは、玄羅である。
「すまんが、ブラックオークの皮と槍は、儂の分は引き取らせて貰えんか?」
「お爺様。それはどういう目的ですか?」
「ふむ。どうやら、ブラックオークの皮は、防御力に優れているようだ。なので、天上院グループを使って防具を製作してはどうかと思ってな。儂等、攻撃力は、あるが防御の面では些か心許ないと思っておってな。ブラックオークの皮を使えば面白い物が出来ると思うだ。それに、ダンジョン関係の市場にも進出する予定だと言っておったしな。」
「そう言うことなんですね。でしたら、私と遙の分も使ってください。」
「いいのか?」
「勿論っす!って言うか、報酬がとんでもない事になってるっすからこれ以上貰いのは怖いっす!」
「そうか。それなら、その言葉に甘えさせて貰おう。」
「じいさん。そう言うことなら俺達がドロップしたブラックオークの皮と槍は持っていっていいぞ。」
「なにっ?いいのか神月。売れば、かなりの金額が手に入るぞ。」
「いいんだよ。今ですらどうしていいかっ言うくらい金もらってんだから、いうんだよ。」
「そうか。では、買取りからブラックオークの皮と、槍は全て儂が貰うこととする。」
「わかりました。では、天上院さんの合計額が、1249万5000円。桜庭さんが、1210万5000円になります。よろしいですか?」
「さっさっ朔夜!いい1000万の大台を越えたっすよ!」
「言われなくても分かってます。ですが、若い頃からお金を沢山持つことは良くないと私は思います。」
「……………なんか古くさいこと言うっすね?それに、天下の天上院グループのお嬢様が言うことじゃないっす!」
「天下の天上院グループの子どもだから言うのです。普段から、お金は常々計画的に使いなさいと教育を受けています。なので、必要以上のお金は持ってないんですよ。それに、何でも買ってもらえるわけでは無いんです。ですが、一般家庭からしたら少し高価な物を買ってもらえてるのかも知れませんが、その程度です。なので、大半は別の所に貯金をして、私達が成人してから使えるようにしましょう。」
「確かに、若い頃から使いすぎるのは良くないっすね。朔夜に同感っす。」
その話を聞いていた御手洗さんが提案をする。
「それでしたら探索者カードをご利用ください。そのカードには制限が付けられるんですよ。例えば、月に幾らまでしか引き出せないようにできるんですよ。ですが、そこは探索者。武器や防具、その他の品を揃えるのに大金を必要となることがあるでしょう。そう言うときは、保護者若しくはそれに準ずる者が許可した時におろせるようになります。」
「その制度、いいですね。是非、利用させて頂きます。」
「私もっす!」
「わかりました。それでは、それは後日と言うことにしましょう。そして、最後に神月さんの買取りですが何か希望はありますか?」
「そうだな。まず、ブラックオークの肉は半分のみ買取ってください。皮と槍に関しては全て爺さんに任せようと思う。」
「いいのか?神月?」
「いいって、有効に利用してくれ。」
「わかった。」
俺が玄羅に任せることを伝えると了承してくれたが、御堂さんが、
「すみません。その事なんですが、少しこちらにも卸して頂くことは出来ませんか?結構いい素材なのでこちらとしても是非とも購入したいのですが?」
「だって?どうする?」
俺は玄羅に相談する。
「そうじゃな、確かに独占は良くないの。では、7対3どうだ?」
「それは、こちら側が3と言うことでしょうか?」
「当然だ!」
御堂さんと玄羅との間に不穏な空気が流れる。
「ふむ。では、6対4で手を打とう!」
「わかりました。無理を聞いて頂きありがとうございます。」
どうやら交渉は済んだようなので、御手洗さんが買い取りの内容について話し始める。
「では、気を取り直して、神月さんの買い取りですが、まず、従魔の方と一緒でよろしいですか?」
「お願いします。」
「では、オークの魔石が570個で、オークの肉が410個、オークの皮が235枚、オークの槍が50本、ブラックオークの魔石が2617個、ブラックオークの肉が2100個ですが、半分の買取りと言うことなので、1050個、ブラックオークの皮が1500ですが、こちらが4割なので600枚となります。そして、ブラックオークの槍が1000本ですが、こちらも4割と言うことで、400本。1本2万円で、2倍となりますので、4万円となり1600万円そして、絶倫のスキルの書を買取りに出すと言うことなので、それが200万円。となります。それで、合計が1億7922万円となります。」
「凄いっす!」
「そうだな。」
まさか、ここまで多額になるとは思っても見なかった。
「では、最後に、ブラックオークキングの魔石と皮、あとは肉ですね。」
「肉はこちらが貰います。それで、爺さん。ブラックオークキングの皮はどうする?」
と、俺は言う。
「うむ。出来ることならこちらで貰いたい。」
「ちょっと待ってください。それはこちらも同意見ですよ。」
と、御堂さんもここは譲れないと言う感じで玄羅に迫る。まぁ、そこは好きにしてもらって構わない。最終的には玄羅が勝ったようである。そして、魔石はと言うと200万円で、2倍の買取りだから400万で買い取りをして貰う。倒したのは玄羅だから本人に聞くと「いらん」と言われた。俺も、貰いすぎなくらいもらってるので朔夜と遙に二等分して渡した。2人ともとても喜んでいた。