11.退職願いと白い塊?
次の日は、仕事に行かなければならなかったので仕事に行くが今日もグラムには車で漫画でも読んで留守番をしていてもらう。
仕事中は、昨日の総理の発言が話題となっていた。俺も話には参加をする。昼休みになり、グラムの所に行こうと思うがその前に1つ寄るところがある。それは、部長室だ。俺は、総理が言っていた探索者になるために仕事を辞めようと考えていた。まだ1月だが俺がいる病院は辞める3ヶ月前に言わなければならないのだ。そのため、俺は、部長室にその旨を伝えに行く。
部長室に着きドアをノックする。すると中から
「どうぞ。」
と、声が聞こえたので俺は、ドアを開け中にはいる。
「失礼します。部長、少し話があるんですが良いですか?」
「いいわよ。」
部長は、50台の少しきつめの女性である。
「実は、3月一杯で退職をしたいと思いまして……」
「あら、そうなの。理由を聞いてもいいかしら?」
「はい。部長も知っていると思いますが昨日の総理の話のダンジョンに興味がありまして資格を取って行きたいと考えてます。」
「あなた、もういい歳なんだからそんなこと辞めた法がいいんじゃない?」
「いえ、もう決めたことなので…」
「はぁ、決意は固いようね。わかったわ。じゃあ、これに名前と印鑑を押して持ってきてちょうだい。」
部長は退職願いの用紙を手渡してくれる。
「わかりました。」
「あなた、有給はどのくらい残ってるの?」
「今年は殆ど使ってなかったと思いますが……」
「そう。じゃあ、有給を全部消化して辞めなさい。その方があなたにとってもいいんじゃない?」
「本当ですか。ありがとうございます。」
「来月の初めに少し働く位であとは3月の終わりまで有給があるはずだからしっかり準備しなさいよ。」
「わかりました。」
「あと、ダンジョンは危険だって言ってたからくれぐれも怪我をしないようにね。」
「ありがとうございます。では、失礼します。」
俺は、部長室を出てグラムのところに向かう。グラムは車で本を読んでいたが俺が入ると飛びついてきた。俺は、グラムと一緒に昼御飯を食べる。今日から、1週間は仕事が続いているためダンジョンには行けていなかったが、やっと纏まった休み(といっても2日だが)になるのでダンジョンに明日から行こうと思う。それをグラムに伝えると大喜びしていた。
次の日、両親にダンジョンで泊まることを告げてダンジョンに入る。今日からは5階層の攻略を行う。
なので、俺は、一気に5階層の入り口に転移をする。すると、俺の目の前に小さな白い塊がコロコロを転がってくる。なんだろうと思っているとその後ろからゴブリンソードが2匹とゴブリンアーチャー2匹、そして、杖を持ったゴブリン1匹がニヤニヤしながらこちらに歩いてきていた。
種族 ゴブリンアーチャー
レベル 7
HP 50
MP 40
スキル 弓術2
種族 ゴブリンソード
レベル 8
HP 60
MP 30
スキル 剣術2
種族 ゴブリンメイジ
レベル 8
HP 30
MP 60
スキル 火魔法2
やはり、ゴブリンメイジであった。俺は、奴らのにやけた顔が気にくわなかったので縮地で真っ先にゴブリンメイジに迫り斬り殺す。そして、グラムが水魔法でゴブリンアーチャーを倒している。残りはゴブリンソードのみなので俺が雷魔法で止めを刺す。
俺は、何か気が張れた感じがした。そういえば、あの時転がってきたものは何だったんだろう。それを確かめるため白い塊の所に行くとそいつは猫みたいな奴で何か気を失っている感じだったので軽く刺激を与えてやると目が覚め俺の方を見るなり「シャーー」と威嚇をしてきた。恐らく、ダンジョンに居たのだからモンスターなんだろうが手に乗るサイズの小ささなため殺めることが出来なかったのでアイテムボックスから皿と牛乳を出し入れてやると最初は警戒をしていたが、俺が、牛乳を飲んで見せると徐々に警戒を解いてくれ牛乳を飲み始めた。
全部飲み終えたがまだ欲しいといった目で見てくるため。
「わかったよ。仕方ないな。」
と言った瞬間に、
「ベビーホワイトタイガーをテイムしました。」
とアナウンスが流れた。
『おい。もっとほしいぞ!』
「今の声はお前か?」
『そうだぞ。』
「そうか。じゃあ、これからよろしくな。」
『こちらこそだぞ。』
「ところで何でこんなところに居たんだ?」
『よくわからないぞ。気がついたらここに居てあいつらに遊ばれてたぞ!!』
「そうなのか。ところでお前、俺の従魔になったんだけど問題なかったか?」
『いいぞ!これからよろしくだぞ!主!!』
「ああ、よろしくな」
種族 ベビーホワイトタイガー
レベル 1
HP 7
MP 5
スキル 噛みつき1 爪撃1
称号
神月サイガの従魔
噛みつき
噛みつく攻撃。
爪撃
爪による攻撃。
「名前つけもいいか?」
『いいぞ!カッコいいのがいいぞ!』
「そんな期待すんなよ。ネーミングセンス無いんだから…………そーだな~。白い雪みたいだからスノウはどうだ?」
『スノウか、いいな。それでいいぞ。』
と嬉しそうである。
「それて、こっちのスライムがグラムな。スノウと一緒で俺の従魔だからよろしくな。」
『スノウ、よろしくなの。』
『こちらこそだぞ!』
2人は特に喧嘩をすること無く仲良くなってくれていた。ホッとしたところで、
「じゃあ、先に進むぞ!!」
『わかったの~!』
『わかったぞ。でも、俺は弱いぞ!!』
「大丈夫だよ。戦うのは俺かライムだから、スノウには指一本触れさせないから。」
『わかったぞ。』
「じゃあ、改めて行こうか。」
すると、グラムはいつもの定位置である俺の頭の上に陣取る。すると、スノウも俺の体を這い上がろうとしているが這い上がれずにジタバタしている。俺はスノウを抱え上げる。
「お前は何してるんだ?」
『おれも主に運んでほしいぞ。』
「お前は何を言ってるんだ?」
『グラムだけ主の頭の上にいるなんて、ずるいぞ。』
『ここは、グラムの特等席なの。』
「わかった。じゃあ、スノウは方にでも乗るか?」
『それでいいぞ。』
「でも、落ちても知らないからな。」
『わかったぞ。』
「じゃあ、行こうか。それと、スノウはまだレベルが低いし、俺の肩に乗ってるからあまり激しくは動けないから戦闘はグラムがメインで頼めるか?もちろん魔法で援護はするぞ。」
『仕方ないの。グラムがやってやるの。』
俺は、5階層の探索を開始する。