10.国の発表
あれから3時間が過ぎようやく目を覚ますと俺のそばにグラムはおらずリビングで動き回っていた。
『ご主人、おはようなの。』
「おう、おはよう。体調はどうだ?」
『大丈夫なの。それよりもお腹が減ったの。』
「よし、何か食べようか?」
『ハイなの!』
時間を見るともうすでに昼を過ぎていたのでここで食事をすることにする。昼は、サンドイッチを出してやり一緒に食べた。
食事が終わると俺は、テントの外に出てテントをアイテムボックスに入れる。
名前 神月 サイガ
レベル 21
HP 1250
MP 1200
スキル 鑑定 アイテムボックス 木刀術8 テイム5 気配遮断5 雷魔法4 魔力操作4 罠感知2 隠蔽3 気配察知3 魔法耐性1 縮地1 睡眠学習2
称号
世界初ダンジョン入り
世界初ダンジョンモンスター討伐
やっぱり寝るだけでレベルが上がってるよ。これで、ダンジョンに入っていない間にもレベル上げが出来るな。俺は、そう思いダンジョンを歩いているとモンスターの気配を感じとりそこに向かう。そこには、ゴブリンソードが3匹居たので俺はさっき覚えた縮地を使って見ようと思う。敵との距離が5メートル位になると一瞬で相手の懐に飛び込んでいたので少しビックリするががら空きの胴目掛けて木刀を振るいゴブリンソードを斬る。このスキルは、慣れないと駄目だな。俺自身が移動したのにビックリしてたら意味ないからな。そう思い、残りの2匹も縮地を使い仕留める。それから、2時間位探索をするとこの階層のボス部屋が目に入った。なので俺は扉を開け中に入る。すると、モンスターが出現する。出現したモンスターは、ボブゴブリンソードとゴブリンソードが3体、ゴブリンアーチャーが2体であった。
種族 ボブゴブリンソード
レベル 12
HP 275
MP 130
スキル 剣術3
種族 ゴブリンアーチャー
レベル 5
HP 40
MP 33
スキル 弓術2
種族 ゴブリンソード
レベル 6
HP 50
MP 27
スキル 剣術1
グラムにはまず、ゴブリンアーチャーを頼む。すると、喜んで魔法と酸弾を放っている。俺は、縮地を使いまずは、ゴブリンソードを1匹ずつ仕留めていく。最後に残ったのはボブゴブリンソードである。だが、もうそこまで驚異は感じないため、縮地を使い相手の懐に飛び込み斬撃を放つ。が、まだ、倒しきれておらずてに持っていた武器を俺に向けて振り下ろしてきたので、俺はまた縮地を使い相手の背後に回り斬りつけ倒す。すると、前のめりに倒れ消えていった。そして、宝箱が1つ出現したので回収をしようとするとグラムが光出した。これは、前に進化したときの光だったので見守ると1、2分すると光は収まり目の前には2メートルのスライムが居た。
「なぁ、グラムだよな?」
『そうなの。どうしたの?』
「いや、ずいぶんでかくなったなと思ってさ!!」
『そーいえば、ご主人が小さくなってるの!!』
「それは違うぞ!お前が大きくなったんだ。」
『そうなの?でも、多分元の姿に戻れるの!』
そう言うとグラムはだんだん小さくなり元の大きさに戻っていった。
「やっぱりグラムはこの大きさがいいな。」
『グラムもこれがいいの。これだとご主人の頭に乗っかれるの!!』
「そうだな。」
とりあえず、グラムを鑑定してみよう。
種族 ビックスライム
名前 グラム
レベル 1
HP 1000
MP 1000
スキル 物理耐性5 酸弾6 水魔法3 分裂5 魔法耐性3 巨大化5
称号
神月サイガの従魔
何かスゲー強くなってるんだけど……この調子じゃあ俺より強くなるのは時間の問題かもな。とりあえず宝箱を開けるとポーションが2つとマジックポーションが3つ入っていた。それらを回収して次の5階層に進み指輪を使い1階層の入り口に戻る。今日はこれで探索は辞めにする。
俺は自分の部屋に戻り、両親に戻ったことを説明する。
「親父、母さん、ただいま」
「おう、お帰り。怪我はないか?」
「大丈夫。してないよ。」
親父は、リビングでテレビを見ていたので、ます、帰って来たことを報告する。親父と話をしていると玄関から母親が入ってきた。
「あっ、母さん、ただいま。」
「お帰りなさい。どこも怪我してない?大丈夫?」
「親父にも言ったけど大丈だよ。怪我もしてないよ。」
「そう!それはよかった」
「そういえば今日の夕方から国が重大な発表があるってテレビで言ってたわよ。」
「なんだろうね?何時から??」
「夜の7時からって言ってたわよ。」
現在は、午後4時なのでテレビを見たり、風呂に入ったりしているとあっという間に7時になった。俺の家はちょうど家族みんなで夕食を始めようとしていた。
テレビをつけるとどの番組も同じ国からの重大な発表の番組を放送していた。アナウンサーが
「今から総理の方から重大な発表があるそうです。」
と、話をしていると、総理が姿を表し会見が始まる。
「明けましておめでとうございます。今日は急な会見になりましたがとても重大なことなのでこのような方法を取らせていただきました。まずは、お詫びします。
では、今回の事について話を始めさせてもらいます。まず、1月1日午前0時に地震が起こりましたが、震源地の詳細が判っておらずしかも全世界同時に起こったものです。この地震によりある異変が起こり始めました。それは、色々なところに地下に続く穴が出来たことです。国は警察を動員して見つかっている穴を立ち入り禁止にしており、自衛隊に中の探索をする事としました。中には未知の生物がおり撃退すると体はなくなり小さな石を残して消えてなくなりました。そして、帰還した自衛隊員全員にステータスと言うものが表示されるようになったのです。この事から、我々はこの穴がダンジョンであると認めました。そして、未知の生物を倒して落ちた石はエネルギーを秘めておりこのエネルギーを応用することで現在のエネルギー問題を解決することが出来ると確信しています。
そこで、まず、家や敷地にダンジョンが現れた方は警察や国に報告してほしいのです。その土地は国が買い取らせて頂き新たな住居もご用意致します。そして、国は、新たにダンジョン庁を設立し、ダンジョンが現れた所に建物を建設します。そして、一般の方もダンジョンにて、未知の生物を倒して石を集めて欲しいのです。その石、もとい魔石と呼びましょうか。魔石を回収して欲しいのです。もちろん、魔石は国が責任を持って買い取らさせていただきます。但し、2つ程注意して欲しいことがあります。まず1つ目は、免許の発行を行います。資格は16歳以上であることですが、犯罪歴のある方や暴力団関係の方は除外させていただきます。試験は、一般常識と体力テストです。ダンジョンに入るとレベルが上がるそうなのですがレベルが上がると身体能力も上昇することからそうさせて頂きます。免許の試験日や場所、申し込み方法については後日、ホームページにて発表したいと思います。二つ目は、ダンジョンに入る時の事ですが、ダンジョンの探索には危険が伴いますので怪我や事後、最悪は死ぬ場合があった場合は国では責任を負えないので自己責任とさせて頂きたい。
予定では、4月からのスタートを切れればいいと考えますのでこれから法の整備などを整えていきたいと考えます。何か質問のある方は?」
「本当にあの、ファンタジーの世界のダンジョンが出現したと?」
「はい。これは、私も最初は耳を疑いましたが現実です。」
「では、魔石と呼ばれた石なのですが本当にエネルギー問題を解決することが出来るんですか?」
「それは間違いないと思います。色々な科学者のもとに研究依頼を出しどの研究者も可能であると判断されています。」
等とテレビで言っている。俺は、そんな話を聞きながらご飯を食べていた。
「親父、母さん、俺は、家にダンジョンがあることは内緒にしたいんだが黙っていてくれるか?」
「私はいいけど父さんが何て言うか。」
「親父、どうなんだ?」
「黙っててやる。」
「おっしゃー!約束だからな。」
「「わかった。」」
両親の承諾を得ることが出来た。それにしても、総理も思いきったことをするな。と、思いながら俺は、グラムと一緒に就寝する。