習慣
暗闇の中ベッドの上に膝を立てて座り、静かにあなたに想いを馳せて涙を流すことが、いつのまにか習慣になっていた。
首にはかならずあなたからもらったネックレスをつけていた。
それさえあれば、あなたに愛されてたんだと思い込むことができたからだ。
私は気付いている。
本当は、このネックレスも、もう必要の無いものだということに。
本当は、この失恋ソングも、もう私の心を満たしてくれるものでは無いということに。
本当は、この涙も、もう流すことが辛くなっていることに。
でも、私は気付かないふりをする。
気付いてしまったら、この穴を埋めてくれる誰かを探さなくてはならないから。
私は今日も、涙で濡れたネックレスをつけたまま、眠りにつく。