表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

1話 出逢い



1話 出逢い



嵐の日が過ぎ去り、昼の日が長く続いたある日のこと。



白くて、丸くて、ふわふわした小さなしろいのは、森の中で色とりどりの草花の中を歩いていました。


しろいのは草花の中を進み、森の中でも1番大きな木の前にやって来ました。


しろいのが木に近づくと、木陰の中で何かが動きました。

しろいのは、なんだろう?と思い木陰の中を覗きこみました。


すると、、、


「わあっ!!」


木陰の中にいたものがしろいのに驚き、大きな声をあげて影の中から飛び出してきました。


しろいのが、木陰の中から飛び出してきたなにかを見ると、それは、黒くて、丸くて、ふわふわしていて、まるでしろいのの様でした。


しろいのは、黒くて、丸くて、ふわふわしたものに話しかけました。

「こんにちは。ぼくはしろいの。君のなまえは?」


黒くて、丸くて、ふわふわしたものは、躊躇いながらも答えました。

「ぼくはくろいの。」


「くろいの!よろしくね。

ねえ、木陰の中に隠れてないで、こっちに来て一緒にあそぼうよ!」


それでも、くろいのは木陰の中から出てきません。


しろいのは、不思議そうに尋ねました。

「どうして木陰の中から出てこないの?」


「ぼくは影の中から出れないんだ。だから、そっちには行けない。」


「そうなんだ。

影の中しか動けないんだね。

なら、夜の日が来たら一緒にあそぼうよ!」


すると、くろいのはとても悲しそうにして言いました。

「しろいの、ごめんね。

嵐の日が過ぎてから夜の日がずっと来ないんだ。

きっと、これからも来ないと思う。

この木陰から出られないから君とはあそべないよ。」


「そんな、、、。

じゃあ、夜の日が来ない限り君はそこから動けないの?」


「そうだね。動けないよ。」


それを聞いたしろいのは、くろいのと遊べる方法がないかと考えました。

しばらくしてしろいのに、いい考えが思い浮かびました。

「よし!なら、君とあそべるように夜の日を一緒に探しに行こう!」


「無理だよ!

ぼくは、影の中しか動けない。太陽が照らしている中、夜の日を探すことなんてできないよ!」


「そんな事ない!一緒に夜の日を探せるよ!」

そう言ってしろいのは、近くに落ちていた大きな木の葉を拾いました。

その葉はくろいのをすっぽりと覆ってしまうほど、とても大きなものでした。


「これを僕が持って、君がこの影の中に入れば夜の日を探せるよ!」

そう言って、木陰の方へ葉を差し出しました。


「そんな事できないよ。」


「大丈夫!僕を信じて!君ならできる!」


しろいのがそう言うと、

くろいのは、恐る恐る木陰と繋がった大きな葉の影の中へと入りました。


そして、しろいのとくろいのは一緒に歩き始めました。

歩きながら、くろいのはしろいのへ問いかけました。

「どうして、夜の日を探してくれるの?」


「ぼくたちってとても似てるでしょ。

そんなぼくたちが出逢ったからだよ。」


「よく、わからない、、、。」


「今はわからないけど、きっとわかる日が来るよ。

その時には、ぼくたちはもう親友さ!」


そんな話をしながら、しろいのとくろいのは、森の中を夜の日を探して歩いていきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ