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ドラゴンさんの暇つぶし  作者: R's
第3章  人間の想いと神様の願い
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第15話   メイシアの日常

 冒険者の朝は基本的に早い。まぁ私は寝てないけど。寝る必要が無いから夜は本体とおしゃべりしてるんだけどね。

リナが冒険者になって2週間。ようやく仕事にも慣れ、一日のルーティンも出来てきたところである。


まず日が昇り始めると宿の人が起き始めてご飯の用意が始まる。ご飯が出来るまで部屋で暇潰し。最近は《千里眼》の魔法でギルドを覗いている。ご飯が出来たら1階の食堂で朝ご飯を食べる。今日はカツサンドが出た。フリットサンドって言うんだって。このお肉何の肉かな? 本当に美味しい。

食べていると他の宿の客たちに混ざってグレイが来るのでおはようと声を掛ける。グレイは朝に強いタイプなので朝食もガッツリ肉を食う。美味しそうなら私も食べるけど。どれだけ食べても私は太らない。よって何の不安もなく色々食べます。ダイエットに勤しむすべての女性に羨まれそう。

朝食をとると30分ほど休んでギルドへ出発。ここまでが大体4の鐘、日本時間で言えば午前8時くらいだろう。健康的な生活である。ちなみにギルドは4の鐘と同時に始まる。あそこ中々にブラック企業じゃないか? 労働基準法仕事してる? あ、異世界に労働基準法は無いですか、そうだった。


ギルドでは適当な依頼を受ける。今までは街の清掃とか狩猟依頼とか討伐依頼とかがほとんどだったけど、最近は魔法を教えて欲しいとかいう人が出てきている。しかも依頼になっているというのがまた面倒だが。

ヨハンなんちゃらと手合わせしたときにほとんど誰も知らない魔法を使っていたからね。目立ったんだよね。手合わせした次の日にヨハンなんちゃらと会って、侮辱してすみませんでした! とか言わせましたし。オルトラさんが。あ、ちゃんと『戦の王』パーティーとは和解しましたよ。これから働くうえで揉め事を起こさないようにするために、だけど。禍根は少ない方がいいからね。


そんなこんなで魔法も剣も使えるSランク冒険者かつ、誰も知らない知名度の低さという点で私は超目立ってる。さらにギルドから情報を聞き出そうとしても何も答えないことから、さらに私は謎の人物になっているのだ。少しでも情報を得たい一部の奴らが、私と接点を持とうとしているのだ。面倒だけど、面白そうなことが起きそうなのでこういう依頼は受けている。特別なことは教えてないけどな!! むしろスパルタな教え方に音を上げる人が多く、大体の人は「Sランクって頭おかしい」という結論に至っている。



「今日は何を受けようかな~。あ、グレイのお仲間はまだ合流できなさそうかな?」


「あ~連絡が来てたんだが、Aランクの昇格試験は終わったんだがまだ結果が出ていないらしくてなー。合流するのはもう少し先だと思う。」


「じゃあちょっと遠出しても問題なさそうだね。これ受けようか。」


「なになに? 『シープスゴーレムの討伐依頼』? この辺りに居たっけか?」


「最近見つかったらしいよ? 遺跡の近くにいたんだって。50体くらい討伐してほしいんだって。」


「ふーん。場所は《ユカリアの森・中域》か。じゃあ8の鐘が鳴る前に戻れそうだな。」


 《ユカリアの森》はメイシアから100㎞程離れた場所にある森林地帯である。私とグレイが走って1時間くらいだ。ただし、他の冒険者たちは騎獣に乗って2時間掛かる。徒歩で4時間くらいなんだとか。Sランク冒険者がおかしいと呼ばれる原因である。

 中域はBランク以上から入ることが出来る。魔物はあんまりいないが癖が強いやつばかり、らしい。この前行った時にはマッドフロッグが居た。あの呪い蛙が団体様でお出迎えしてきたので焼き払った。グレイも魔法で焼き払っていた。得意魔法は火系統らしく、あっという間に焼いていた。その後もちょくちょく呪いや毒と言った搦め手を使う魔物が出てきたが、グレイは等しく焼き払っていた。流石Sランク冒険者だ。ちなみに私は見た瞬間、風魔法で首を刎ね、すぐさま空間収納で仕舞うのでグレイが呆れていた。


 今回受けた依頼の討伐対象のシープスゴーレムは四足歩行の山羊型ゴーレムである。ゴーレムは土などを纏う魔物であり、その身体の核になっている物がゴーレムの本体だ。通常、魔物は魔力が結晶化したものを心臓付近に持っている。それが力の源になっていることが多いのだが、それが何らかの影響で魔物の体内から外に出て、自我を持つようになると周辺のもので身体を創り、ゴーレム種へ進化する。故に核さえ壊せば簡単に討伐できるのだ。

 ゴーレムは知能が低く、本能と呼べるものもあまりないのだが攻撃的なものが多く、見つけたらぶっ壊せ! とギルドで呼びかけられている。しかし、ゴーレムは核以外は素材になることが少なくて、核も壊さないと再生してしまうし、ゴーレムは身体の損傷を気にすることが少なく、好戦的なので見敵必殺ゾンビアタック! してくることから、好んで討伐をする冒険者は少ない。だからグレイはこういう依頼を受けることが多いらしい。私もそういう依頼を良く受ける。こういう依頼は面白いことが起こるんじゃないかと思うからね。今のところそういう面白いことは起きていないけど。今回も起きなかった。ギルドからは面倒な場所にいる、厄介な魔物を討伐したと感謝されたけど。あ、シープスゴーレム達は頭から真っ二つにして倒しました。グレイもやっていたのでこれが正しい倒し方なんだと思う。


 街に戻ってギルドに報告した後は、『緑の鳥』に帰ってご飯まで部屋でゴロゴロする。9の鐘が鳴って晩御飯の時間になると、素早く食堂に入りご飯を注文。今日は川魚の照り焼き、肉じゃがだった。メイシアはご飯がとても美味しいです、まる。


 ご飯を食べたら浴場へGO。ほんとに毎日お風呂に入れるのが最高。メイシアの近くには温泉が湧き出るところがたくさんあって、そのおかげでお風呂に入るのが日常的なんだと。王都とかでは魔術師がお湯を出すので、お風呂に入ろうとするとかなり割高になるんだって。つまりメイシアが最強。異論は認めない。

 浴場(女湯)で『緑の鳥』に泊まっている他の人たちともお話しして街のおススメポイントを教えて貰ったり、誰それが付き合ってるだとか、あそこの店主は気が利かないだとか、街の噂話だとかを仕入れる。お風呂から上がって部屋に戻ると噂を確かめに千里眼を発動させる。あ、本当にあそこの店主さんは気が利かない人みたい。奥さんにめっちゃ怒られてるね。で、そろそろ周りが寝るなぁという時間になると部屋のランプ(魔石を使った魔道具。LEDライトくらい明るい。)を消して本体と意識を同調させる。


 ……………………。……………………………………。





 分身体のアストラルから意識を戻すと、世界のシステムにさっと目を通す。異常がなければ後はアストラルに意識を戻すのだけれど、今日は戻さないでおく。


『あー、あー。テステス。あー、彼方―いる? 聞こえるー?』


『もしもし姉さーん? 聞こえてるよー?』


 今日は久しぶりに彼方と連絡を取るのだ。彼方に付けたラプラス達から今日はお話しできると連絡が来たので、色々話すことにしたんだ。こっちの様子だとか、常識だとか、彼方が私の世界にやって来た時に必要そうなことを教えたり、彼方の学校生活だとか、父さん母さん達が新作ゲームを出した話だとか、他愛もないことを話す。こっちと向こうは時間の流れが違うのであまり長く話す時間が取れていないのが残念だが。


『それじゃ姉さん、そろそろ僕は寝るねー。また今度。』


『はいよ。それじゃあまたね、彼方。また今度。』


 こうして今日も終わり、夜が更けていく。


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