第7話 授業 魔力操作
「この次辺りの閑話を入れたいな~。」
「発現!!」
私の言葉が鍵となって魔法が発動する。ソレは一瞬で閃光を撒き散らし、生徒たちに影響を与える。
「うおっ!?」 「きゃっ!?」 「これは!?」
皆を包んでいた光はすぐに収まって困惑した生徒たちが残される。ふむふむ、一応成功したのかしら?
パンパン、と手を叩いて私に意識を向けさせる。
「はいはい! 注目! 今の魔法について説明するから落ち着いて―」
「うわっ! 何か光って見える!?」 「あっ! 本当だー!」 「なにこれ!? 凄い!!」
「ちょっ、ちゅうも~~く!! こっち見なさーい! 説明するって言ってるでしょう!?」
ワン君とハウドルちゃんは自由だな!? もう少し大人しくなって欲しいんだけど!?
何とか静かになった教室で説明開始。
「発現は超高等魔法の一つで、その効果は『対象に干渉して魔力を認識できるようにする』っていう魔法なの。それで貴方たちに魔力操作の基礎作りをできる様にしようと思ってねー? で、ちゃんと効果はあったみたいだね?」
確認するように聞けば全員が頷く。良かったー。この術は練習したことはあるけれど実際に使ったことはなかったんだよねー。一回目で成功するなんてさっすが私!!
あ、魔力の動かし方とか教えなきゃ。ということで簡単なレクチャー開始。と言っても魔力操作は慣れの要素が強いからこの授業形式なんだけれど。
魔力は生命エネルギーとは異なり、特殊な外応力として存在している。しかし、それは何処にでも存在していて、勿論体内にもある。イメージとして近い物は『水』かな? あちこちにあって、流れているもので、浸食だったり、堆積だったり、運搬だったり、さまざまな作用がある。そんで、魔力を操るには体内に存在する魔力の流れを誘導することが一般的、らしい。少なくとも私はそういう風に習った(Rに)。
「ふーん、なるほど。そういう事な。」
真っ先にコツを掴んだのはユウキ君。ゆっくりとだが確実に魔力を動かし始めた。
「おー!! どうやったのそれー!!」 「教えてくれないかな!?」
ワン君、ハウドルちゃん、君らは本当に自由だな!
「はい! これからどんなに時間が掛かってもいいから魔力を操作して《涙の欠片》をこの円盾と同じ形に整えてください。出来たら私のところに持ってきてー。上手くできてなくても新しい《涙の欠片》渡さないといけないから持ってきてねー? それじゃあ私は奥にいるから―。」
そう言って私はこの無駄に広い教室の教卓の反対側へ向かう。んー、アレ造りたいし、龍の姿になろうかな? 一息で姿を変えると……後ろから強烈な視線を感じた。チラッと見ればキラキラした顔のワン君、ハウドルちゃん、マサト君、トム君が……。
『………私に触りたいなら課題は終わらせてねー。』
「「「「はーい!!!」」」」
おう、そっかー。頑張れなー。
さて、みんながコネコネしているうちにアレを創っておきましょうか! それはズバリ、『アスレチック』である!! ……ただのアスレチックと思うなかれ。私も地獄を見たので恐ろしさはお墨付きである…。
天界の『アスレチック』が何故恐ろしいのか? 理由は簡単。アスレチックはRが発案した軍隊育成用トレーニング施設のことなのだ。人間界にある遊戯施設とは関係ない。ぶっちゃけてしまえば『リアル脱出ゲーム』なんだ。ただ、身の安全は保障されていない。高圧電線、有刺鉄線、落とし穴、毒ガスの罠、落ちてくるギロチン(刃は潰れている)、槍衾(穂先は無い)など、命は落とさないが非常に痛い目を見る危険で過酷なトレーニング施設である。それを私は龍の身体に慣れてきた転生10年目? くらいでやらされたんだぜ? Rの頭は本当におかしいと思う。
でもまぁ、実践訓練としては有効なんだよね。緊急事態の練習にもなるし、空間魔法も使えば広い場所での戦闘訓練みたいなことも出来るし。ということで転生者候補達用のレベルに合ったアスレチックを作成する。……他もことにも使えそうだなって思ったから材料は妥協しないで《白亜の涙》を使用することにした。お陰で魔力を動かすだけで簡単に作成できます。私の眼は良いから細かい作業も簡単だし、魔力操作は得意だから《白亜の涙》で色々創れる。
「先生、出来ました。確認をお願いします。」
んお? いつの間に完成したんだ? 脳内で記録していた時間を確認すると既に2時間が経過していた。マジすか。私はみんなの背を向けて作業していたから気付かなかっただけで皆出来て…な…いな…。うん。まだまだ形になってないし、4人ほど渡したときの形(長方形)のままだな。出来たのは今持って来ているシズルちゃんだけか。
私は持って来てくれた作品を尻尾を使って器用に受け取る。
『じゃあ確認するねー、ってこれじゃ駄目だよ? 取っ手が無いから持てないよ?』
「……あ、忘れてた。」
成程、シズルちゃんは少し天然さんなのかな。メモメモ。んで、形が固まってしまっているから新しい《涙の欠片》を渡す。がんばってー!!
「出来たッス!! 確認お願いするッス!!」
『ん……、と、おお! いい感じじゃない! 合格よ!!』
「おっしゃあぁぁぁ!!! …………尻尾触っていいですか?」
『……いいよ。』
ガッツポーズで喜ぶのはトム君。真っ先に終わったのは意外にも彼でした。そしてさっそく私の尻尾を触ってる。……そんなに触りたかったのかい……? 「すげーっ。」って言いながら触られてるんだけど。……Mさんの《愛の抱擁》(意訳)よりは全然マシなんだけれど、少し恥ずかしいかもしれん。
まぁ、私の尻尾って毛が生えてるから触り心地は良いのかもしれないけれど。基本は爬虫類の尻尾なんだけれど、尾椎に沿って柔らかいモフモフが生えているのよ。しかも先のほうはライオンみたいにモフッと毛が生えていて可愛い、らしい(Mさん談)。
あ、そんな私の尻尾を触っているトム君を見て約3名の作業速度が異常に速まった。
「ズルイズルイ私も触りたい―!!」
「早く早くしないと…。」
「出来る出来る僕は出来る出来る出来る僕は出来る出来る出来る僕は出来る………。」
ナニアノヒトタチコワインデスケド。
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