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ドラゴンさんの暇つぶし  作者: R's
第1章 世界の始祖となりましょう
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獣伝3 《酉》 空飛ぶ獣は揺蕩うか

「新章前に閑話が入るよ!」

 そこはこの世界で最も荘厳で美しい場所だった。巨大な滝が虹を生み出し、数多の魔物が住み、幻想的な光景を生み出すこの場所は人間が居れば虜になる事請け合いである。しかし、その人間はすぐに命を落としてしまうだろう。何故ならここは外見よりも圧倒的に過酷な環境であり、強力な魔物しか住むことが出来ないからだ。

 その名も『竜の隠れ滝』。弱肉強食を体現しながらも荘厳さを失うことなど無い、創造主のお気に入りのスポットである。


 そんな『竜の隠れ滝』で頂点に立つ魔物は『ハーピィー』。1~2m程の鳥型の魔物で、変身系のスキルを持ち、群れで連携して狩りを行う。基本的な姿は背中側が青色、腹側が白色の鷹のような姿した魔物だ。彼らは独自の言語と魔法で今日も狩りを行う。


『おい、なんだアレは。』


『どうかしたのか?』


 群れの中で獲物や外敵の様子を探る斥候係の一体が遠くから巣に近づいてきている者を発見した。彼女は今までに見たことのない相手を警戒し、仲間たちに伝えていく。


『敵か』 『獲物か』 『一体だけだ』 『ならば殺せ』


『行くぞ!!』


 10体のハーピィー達が正体不明の相手に近づいていく。ソレは二足歩行し、一部だけ硬そうな外殻が覆っている。頭部からは銀色の(たてがみ)が生え、金色の眼でこちらを見ていた。


「へぇ、この距離から察知されるのかー。意外と索敵能力が高いのかな。……うーん、風魔法とかで地面に叩きつけたり出来ないかな?」


 否、()()()()()()()()()()()()()

言わずもがな、リナの分身体である。


「よっと。」


「「「「「「ピュアアアアアアアァァァァ??!!?!」」」」


 彼女の戦闘能力を知らないハーピィー達は警戒しながらもリナの攻撃範囲に入り、風魔法のよって一瞬で撃墜することとなった。


「あ、出来た。これは飛んでる相手に効くのかなぁ。」


 のんびり呟くリナと対照的にハーピィー達は混乱する。攻撃手段も分からず、1秒未満でで10体が叩き落されたからである。文字通りの瞬殺であった。


『やられた!?』  『同胞たちを助けよ!』 『我らの敵を殺せ!!』


 しかしながら、彼ら彼女らはこの一帯の頂点である。一瞬混乱するもすぐさま精鋭たちが戦闘態勢に入る。そして一斉に飛び立ち、変化を行う。

 ある者は強靭な角を、ある者は鋭い爪を、ある者は凶悪な牙を造り出し、ある者は魔法を構築する。


『掛かれッ!!!』


『おおおおおおぉぉぉ!!!!!』


 しかし


「ていっ」


「「「「「「ピュアアアアアアアァァァァ!!???!?!?」」」」」」


 同じ様に全員が漏れなく撃墜させられた。


「………いやもうちょい警戒しなよ……。私の実験にもならないじゃん…。本体が拉致られたからこの後は修羅場確定なのに~。」


 ぶつぶつ独り言を言いながらも巣に近づく事を止めないリナ。一方、巣で待機していたハーピィー達は大混乱に陥った。

『どうする?!』 『逃げよう!』 『間に合わない!』 『クイーンに連絡を!』


 あわただしく動き回る彼らを見ながら、リナは今回の標的(ターゲット)を探す。


「―――いた。」


      ピイイィィィィィィ――――――――


 突然、甲高い声が辺りに響き渡ると同時に彼女は姿を現した。


『侵入者はヤツか?』


 配下にその問い掛けを発しながら現れたのはハーピィーの女王だった。


____________________________________

名  無し

種族  ハーピィークイーン

Lv.295

体力  563

魔力  968

武力  754

耐久  463

敏捷  856


特殊スキル   千差万別  天網恢恢  冷涼天化

称号  蒼天の賢者  天空の女王 突き破る者(アバブ)

_____________________________________


 この『竜の隠れ滝』で絶対者としてハーピィーを統率する王であり、大空を支配するものとして、侵入者(リナ)を睥睨する。その瞳は鋭く、冷たく輝き、相手を観察する。


(…おかしい。)


 だから彼女は気付けた。


(何故、奴は笑っているのだ?)








 ハーピィークイーンの視線を受けてリナは嗤う。何よりも凶悪に。


「やっほー。こんにちは。」


 リナはとても愉しそうに声を掛ける。相手が困惑する様子を楽しむように。そして、()()()()()


「あはは~、君たちはな~んで私の言葉が聞き取れているのに疑問に思わないのかなあ?」


『ッ!?!』


 その言葉を聞いた瞬間、クイーンはその翼で竜巻を巻き起こし、周囲を薙ぎ払う。


『な!?!ク、クイーン!?』 『一体何を!?』


 慌てるハーピィー達がクイーンに問いかけるが、クイーンの返事は無い。そして竜巻が消えた後には侵入者の姿とクイーンの姿が消えていた。


『そ、捜索班を用意しろ!! 急げ!?』


 その後何十時間も捜索は行われたが、ハーピィー達の女王が見つかることはなかった。










『…初めから貴様の術中にあったという訳か。』


「そゆこと。で、こっちの提案について聞いてくれるかな?」


『聞かないと言えばどうする?』


「無視して話すだけ話す?」


『……ならばサッサと言え…。』


 呆れたようなその言葉を聞いてリナは満足そうに頷く。反対に拉致られたハーピィークイーンは器用に嫌そうな顔をする。たまたま居合わせたラプラスは思った。鳥の顔って意外と表情が豊かなんだなと。


 ここはリナの拠点の部屋の一つ。ラプラス達はそれぞれ清掃、調整、監視等の仕事をレネより割り振られている。このラプラスの担当は拠点の清掃である。だからリナの様に人間の姿に変化し、清掃に励んでいた。

 余談であるが、ラプラスは全員がレネと同じ女型である。人形態ラプラスは白髪銀眼でおかっぱ頭の5歳児にしか見えない。リナはラプラス達が人形態になった時、ピッタリのサイズのメイド服を量産したため、人形態ラプラスはみなメイド服である。

 それなのに清掃中に部屋の中に主であるリナが巨大な鳥を捕まえて転移してきたのだ。それはもう困惑である。しかも巨大な鳥さんは怒っているようだし、主は何故か凶悪な顔をして嗤っているし、もう現実逃避をしたかった。というか別の部屋に逃げようとした。しかし、現実は残酷なのである。


『上様が何か連れて帰ったようですね。そのまま観察に移ってください。』


 上司(レネ)から宣告された内容にラプラスは気が遠くなりそうだった。


「まずねー、クイーンくん。君、私の部下にならない?」


『意味が解らん。元の場所に返せ。』


「え、ごめん。もう勝手に眷属にしちゃった。」


『……は? 何だと?』


「まー、君の群れが心配なら連れてきてあげようか? ちょっと改造するけど強くなれるよ?」


『待て待て待て!! せめてどういうことか説明しろ!!』


「おっけー。じゃあ、最初から説明するけれど~――――」


ラプラスは遠い目をしながらレネに連絡した。


『別の場所に行っていいですか?』


『…ああ、許可する…。』


「面白かったら高評価お願いします!」

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