42話 事件はいつも唐突に(前編)
魔力を展開する。もう既に何百回も繰り返した動作だが、私の世界にバグが存在しないか確認していく。…エラーは、やはり、無い。
『…………………お、終わった…………。』
お家に帰ってきてから結構な時間を使ってずっとこの作業をしていました、どうも! りなです。いやぁ、今回はマジでエラーがそこそこ見つかったのよ。文字化けスキルとか、他種間に出来てしまった子供が変な種族名になっていたり、化け物が生まれていたりはまだ可愛い方。地域全体がバグってグチャグチャになってたり、ラミの薬がバグを引き起こす原因になっていたり、私が暴れた箇所で魔法が欠損していたり、もう散々だったわ。
『ちょ、ちょっと休憩しよう。』
私はそのままゴロンと横になる…つもりで伏せる。龍形態は元の姿だから楽なんだけど、ゴロゴロしようとすると翼が邪魔なんだよな~。
さて、休憩しながら今後を見据えましょう。色々見て回ったけどこの世界にまだ人類っぽいのは生まれていなかったので、隔離している牛くん御一行はまだ出番なし。フィリアは……もう少し修行させていた方がいいかな。……私も武術を練習したいのだけど、天界レベルの私の相手が務まる子がいないのよねぇ。そこが残念。
ん? もしかして一回天界に行ってくればいいのでは? 人類が生まれやすくなる条件とか調べられるし、私自身の訓練も出来る。最強っていうのもいいんだけど、あくまでそれは私の創ったこの世界限定だからね。強いに越したことはないよね。
『あ、忘れてた。』
この前見たあの子も眷属の器になりそうだったね。あれとも接触したいから分身体の出番かな。目をつぶって分身体に意識の一部を入れておく。そんでもって自律システムを起動させておけば…。
「おっ! 動く動く!」
『テストにもなるし……捕まえてきてー。』
「イエスマイマム!! 鳥ちゃん捕獲大作戦だー!!」
うん。自分のことながらあのハイテンションに不安しか感じないね!
さて私はここでゴロゴロしつつ、今侵入しようとしているアホを追い出しますか!
『隔離結界…対象、世界。起動。』
さてこれで侵入しようとしていたアホはいなくなって――――――
「ヤッホー!! 録画してるからちょっと手伝ってくんな~い?」
R が い た 。
『んあっ!?』
カメラ片手にあのアホがいた。そのカメラは何処から持ってきたし。
『神様どしたん!? なんでカメラ構えてるのさ?』
「おお? 何か違和感を感じたけどいっか! えっとこれはねー! これから転生させてあげる子たちに君からのビデオレターとして使うんだよー!! 警戒されたりするとめんどいし~、どういう風になるのか教えてあげたいしね~。」
『え? これから転生してくる同郷者にビデオレター? 警戒されないように? え、なんで私の時は無かったのさ。』
「そりゃお初だもん。別にいいでしょー。」
『あ、私が初めてだったからか~。ふ~ん。いや良くないわっ!!』
「問題なーい。大丈夫! 結果的には!」
いや、ほんとによくないわ!! いい加減にしろよなぁ!! その所為でどれだけ私が酷い目に遭ったというのか!! ふぅー、ここで起こっても意味はない。こいつはそういう奴。不毛不毛、よし、落ち着け―?
さてと、ビデオレターか……。何を言おう? う~ん。これくらいかな~。
『コホンッ。え~と、ハロー同郷の皆! 転生って思ってたよりも大変だったよ! 特に気付いた時には大体手遅れになってて、その分取り返すのはマジ無理ゲーだから気を付けて! 後、神様に気に入られれば割と何とでもなるよ! 皆も生前の行いを良くしよう! 以上現場の私こと龍神からでした!!』
「短いっ!! 他にないの!?」
『…え? 短い? だってさという事ないじゃん? うん、ほんと私から言う事無いし。あと神様何とかしなよ。一応神じゃん。』
同郷って言っても他人じゃん。逆に気の利いたことが言える方が怖いわ。
「えー!! いいから何か他にも付け足してよー!」
『……えー。やだー。めんどーい。後付け加えるなら神様マジ面倒くさくて、一番厄介だから捕まった以上「あ、終わったわ」って思った方がいいよ。』
マジでこれは思ったので付け足しとこうか。…あれ、なんかRの顔色が悪くなったんだけど。
「………これさ、ドッキリ突撃生放送なんだけど………。」
『……………………え? これ生放送なん?』
私とRの間に訪れる沈黙。気まずい時間。えっと、思いっきりRの意図と反対の事しちゃったってことでいいんだよね? あの面倒事を持ち込んでくるRに大失敗させたってことだよね?
思い起こす数々の出来事。そのたびに疲れ果てたという記憶。
瞬時に人型に変形する。………よし。
「ドンマイッ!!」
私は全力で逃げだした。
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