1話 ドラゴンさんの最初
「1章は過去編です」
「ここから説明とかやっていきます」
ある日の朝、目覚めると龍になっていた。私が転生したときのことを一行でまとめるとそういうことだった。まぁ、起きたら真っ白な部屋にいてまず「は?」ってなったんだけど。所謂見知らぬ天井ってやつですね。えーちょっと何が起こっているか分からないかなぁ(現実逃避)。しかも私ふわっふわな真っ白なベッドの上で寝てるし、何か背中痛いし、状況が全く読み込めないんだけど。てか、え、なんでこんなに部屋白いの? 何もかも白くて逆に気味が悪いんだけど。横を向く。タンス、白いですね。机、白いですね。椅子、白いですね。ベッドも白、壁も白、床も天井ぼぜーんぶ白。えぇ……。
こんな意味不明な場面に陥ったら取り敢えず身の回りの状況を知っておくのがセオリーだよね? いやこの状況にセオリーがあるのか知らないけどさ? と心の中で言い訳? をしながら私はベッドから起き上がった。
……………四つ足で………………。
「きゅあ?(え?)」
………………。……………え? きゅあ? 何この声かわいい。小鳥の鳴き声みたいだ。いやそうじゃない、え、私とうとう人間やめちゃった? 思い出すのは自身が中学、高校、大学と、別々な人によく「いつか化け物作ったり、ヤバい事件起こしたりしそう」とか言われてたこと。え、でも今回はマジで私何もしてないんだけど? そもそもただ自分の部屋(大学の寮)で寝ていただけのはずなんですが??
わたわたと混乱しながらベッドから降りる。…降りるというか足を踏み外してベッドから落ちた。えー。もしかしてこの身体少し鈍くさいのかな? と言うか種族何? 何種? 手を見た感じは爬虫類? にしたってうまく体を動かせない気がするんだけど。ちょっと混乱が収まってなくて考えがまとまらない? あれ、もしかしてこれヤバい状況とかである? いや本当に身体がうまく動かせないんだが?
「そりゃそうだよ? だって生まれたばかりなんだから。」
その声が聞こえた瞬間私の身体は硬直してしまう。けれど怖いって感じではない。意味不明で、不気味で、私の知らない感覚。何これ?! いやてかこの声誰だよ⁉
「こんにちは!! 今から君の名前はリナだよ! これからよろしく! ちなみに僕はRって呼ばれているよ! 君もそう呼んでね?」
これが私の始まり。ここから私の龍生が始まった。
私は目の前の少年を観察する。じ~っと見つめる。服装はダボっとした白い半袖のシャツとグレーのズボン。人形の様に整った顔と輝かしい銀髪。そして眼を引くのはそのキラキラした銀眼。いや本当にコイツ何なんだろうな。
「…………信じてないでしょ、その目。」
『そりゃ簡単には信じられないけど。でもなんかこう、どこまですごいのかな~っては思う。まぁ、私がこうやって会話出来てるからちゃんと信じてはいるよ?』
Rと名乗ったこの少年、自分のことをとある世界の最高神の一柱だと言ってきたのだ。うん。はいそうですねってなるわけないよね。頭大丈夫かな? って思ってたら「とりあえず会話できるようにしよう!!」って言ってRが手を翳したら、パアアッて私の身体が光って、なんか自分の思念? みたいなの飛ばせるようになりました。意味わからん。………人間じゃないのは確定しました。私もだけど。私もだけど!!
「まあいっかー。リナちゃんに説明して理解してもらうのが一番はやいし~。」
うわぁ、適当。
『何の話?』
「うん。君は僕が誘拐して、身体を創り変えて生み出した【世界龍】って役割を持つ僕の眷属だよ。」
『は?』
「ま、そうなるよね~。」
今何と? 誘拐? 創り変えた? 【世界龍】? 何ぞ?
「分かりやすく言うとだよ? 僕は新しい世界を創ろうした。けどその世界を管理するのは面倒だ。ただでさえ色々手を出しているからね。じゃあ世界の管理を強力な眷属に任せればよくね? よし、探そうってなって、世界を支えられる役割は【世界龍】だな。あれ、でもなかなか適応する奴いないな~。おっ、あの子は適応するかも! よーしやってみよう! あれれ? 思ってたよりも適応しちゃったぞ? まいっか! ってなった。」
『全体的に雑なんですけど!?』
「神はだいたいこんなもんだよ?」
絶対嘘だ。こんな適当なヤツばっかりだったら救いがなさすぎる。ゲームだったら運営にいちゃもんつけるレベル。だってまず眷属に任せればいいかってならんでしょ。だったら世界創るなって話だし。…あれ、この話の流れってことはまさか嘘でしょ嫌なんですけど!?
「君には世界の管理者になってもらうよ?」
『嫌です。』
「なお拒否権はない」
『嫌だ~~~~!!!』
「あ、世界の管理とかは管理学しっかり学んでからね。」
『しかもここまで来て勉強もすんのかよっ!!!!??』
RPGだったら絶対裏ボス扱いされる奴やん!? ガッデム!? どうしよう私!? 主人公に攻略されちゃう!?
尚、この後から暫くガチでお勉強会が開かれました。渡されたのはごく普通の鉛筆とノート。それに何か色々数式? が書かれた誰がどう見ても問題集。鉛筆うまく持てない!! ノート捲れない! キツイ! しかも滅茶苦茶話難しいんだけど!? わたしにどうしろと!? あっ、これ微積分じゃん!? 私この辺は高校時代から苦手なんだよ!? 一応私は女子大生だったけれど、まだ1年生なんだよ!! しかも数学系は苦手なの!! なのにこんな難しいの出さないでもらえます!? え? これどもまだ簡単な方なの? 最終的には人類が解けていない数式について解を求めてもらう? 無理でしょうが!!?
…………………こうして振り返ってみると初期から悲惨だよね。私………………………。
「2020/11/20現在、Rについて説明を増やしました。」「説明を書いていなくて本当にすいません…。」
「2021/2/23日にさらに改稿いたしました。」