12話 ドラゴンさん、眷属を創る
平和な午後の様に優雅にお茶会は進む。参加者はリナ、猫丸の二名だけだが。穏やかな空気。最近はRもMさんも来ないし、やることもほぼないため、くつろいで過ごすことが出来る。
「…………………………暇。」
そう、退屈であるという事を除けばここは楽園だろう。
ども、リナです。暇。今現在、暇すぎて猫丸ちゃんとイチャイチャするしかやることが無い。つまんない。もっとこう、色々実験とかさー、やりたい事あんのにさー、室内だと出来ることが限られてくるわけ。でもってその状態から一週間くらいも放置されると流石に暇すぎる。
「落ち着くにゃー。どうせその腕輪に力を吸われて何にもできにゃいのにゃー。」
「…そうなんだけどぉー。」
約一週間前、Rに謎の腕輪を付けるように言われた。それを付けてから神格が使えなくなり、出来ることが限られてしまった。今の私はただ強い人(?)である。まぁ人の姿のままでいられるし、魔法が一切使えないってわけじゃないけどね。
「これの説明とかさー、ちゃんとして欲しかった……。」
「主様がそんなに優しいことするわけないにゃ。」
腕輪を摘まみながら言えば、猫丸ちゃんから辛辣な言葉が飛び出る。自分の眷属にこんなこと言われる主ってどうなんだろう。ぜひとも反面教師にしたい。
「…………ん? あり?」
「どうしたのにゃ?」
「んー? なんかちょっと力が戻ってきてる……気がする?」
「にゃ? それじゃあ主様に連絡するにゃ~。」
おお~。「その内力は戻ってくるから大丈夫! それまでおとなしくしててね?」ってこういう事か。成程ふざけんな。ちゃんと説明しろや。こちとら力が使えなくなったのかと思ってマジで焦ったんだぞ。……これまた消えたりしないよね? だよね?
「戻ってきたの―? 力。」
「うん。でもちゃんと説明しろや。」
「何で怒るの!?」
「え、主様マジかにゃ? バカにゃ?」
「ひどい!」
こいつマジで変わんないなー。目の前でRは、よよよ、と泣いているけれど、私も猫丸ちゃんも特に反応しないでいるとすぐに立ち直って、薄い笑みを顔に張り付ける。こいつの胡散臭さは神クラスだよなぁ。私はRを無視して尋問する。
「まぁいいや。で、なんでこんなことした訳よ?」
「あ、それよりも君の眷属創りを始めたいと思います。」
「おっし、説明宜しく!」
「ええ~、なんか見たことある流れにゃ……。」
眷属!! 猫丸ちゃんみたいな可愛くて便利な子が欲しい!! そのためにもしっかり説明を聞いたほうが絶対いいでしょう!? なんか誤魔化された気もするけれど仕方がないよね!
「【辰】の神格の中にいろいろある神格のロック外したよー。まずは二体! 創ってみたまえ!」
「R! 作り方の説明になってない! 後、初耳の情報があった!」
「猫丸! お茶頂戴! アールグレイのミルクティーで!」
「承知しましたにゃ。あと他人の質問くらい答えるのにゃ。」
「ああうん。えっとね、リナの神格は主神級って言って元々の眷属が神格の中に内蔵されてるタイプなのさ。勝手に創れないようにロックしないと危険なの。実は。」
「えっ、それ何で言わないの。」
「リナちゃんが素で驚くにゃんて……。主様……。」
「待って待って。忘れてたんだって普通は初めの方で教えるんだって。あれ? 教えてなかったっけ?」
『言ってないし、教えてもらってない………………。』
「驚くと念話に戻る癖が抜けてないのにゃ~。」
Rめ……。覚えてろ……。そういう事は先に言っておくべきじゃないか………。
「で、眷属は与える神格をイメージしてあげて、後は気合で。」
「えっ、気合で何とかなるの?」
「うん、気合。」
「気合なんだ。」
マジかー。
「リナにあるのはー、【子】、【丑】、【寅】、【卯】、【巳】、【午】、【未】、【申】、【酉】、【戌】、【亥】の11種だね。」
「干支じゃん。」
「君ら人間が崇めたんじゃん。神格の形成の仕方忘れたの?」
………そういやそうだった。神格は誰か(主に人類)からの信仰で新たに生まれることもあるって習ったや。でも、私がそうやって形成されたとは思わんかった。いや、何となく【辰】の段階で察したけどさ。十二支じゃね? って思ったけどまさか眷属も含めてそうとは思わないじゃん。
「ほいじゃー、眷属創り始め!」
さてと、やってみますか!
R「リナー、ちょっとこれしばらく付けてね―」
リナ「なにこれ。まぁいいよー。……アレ、なんか力が無くなっていくような?」
R「ああうん。神格から力を奪う装置だから。でもそのうち戻るから大丈夫だよー。」
リナ「はあぁ!? え、ちょっと何!? 外れない!?」
R「じゃ、しばらくおとなしくしててね~。」
リナ「え!? 説明は?! どゆことなの!?」
猫「…………不憫だにゃ~。」




