10話 ドラゴンさん、狂戦士になる。
「リナ暴走!!」
「2021/2/27一部の表現、描写を改稿いたしました。」
「とりゃっ!」
「残念にゃ!はずれなのにゃ!」
高速で振るわれる槍を猫丸は軽々とよける。私が次々と繰り出す槍撃を流れるように躱す。私も負けてはいられない。槍が駄目なら! 武器を変えればいいじゃない! 瞬時に換装。次は大槌!
「おらあっ!」
「大振り過ぎるにゃ~」
猫丸ちゃんは私の大振りの攻撃を避けながら投げナイフで反撃する。それを大槌を豪快にスイングすることで薙ぎ払って、一旦距離を取る。フェイントも混ぜたんだけどこれも避けますか! 弓、剣、鞭、次々と武器を変えて戦い方も変えていく。それでも当たらない。かすりもしない。それでも試行錯誤を続ける。
「うりゃっ!」
「遅いにゃ。」
「あ~! 当ったんない! 何でよ!」
「ふっふっふっ! 動きがバレバレなのにゃ~。」
「あ~もう!」
突然だが、Rの部屋はとても広い。猫耳少女と化した猫丸と組手出来るくらい。おかげで魔物狩りが無い日はこうして毎日組手することになっている。いつもは猫丸ちゃんが相手だが、時々Mさんとやることもある。武器あり、魔法なしというルールのため、結構面白いがMの時は全力で逃げたくなる。…マジであの人強すぎ~。木刀で私の持っている鉄の剣を切っていた。こっちの刃は潰れているとはいえ、私は引いた。
「ていうか私なにやってるの?」
「えっ……いまさら聞くのかにゃ?」
またしばらく打ち合って、唐突に武器を下ろし呟く。それを聞いた猫丸ちゃんからごもっともな意見を頂きました。
「ぶっちゃけさ、後は戦闘技術だけ身に付ければ神になれんの? 実習でどっかの世界救いまくってるけど……。」
「さ~、どうだかにゃ~。主様はなんて言ってたかにゃ?」
「え、知らない。」
「何してんのにゃ。」
「え、だって今思いついただけだし……。そもそも時間経ち過ぎてここにいた理由忘れてたし……。」
「……え~。そういう所だにゃ…。ほんとやめて欲しいにゃ。」
「Rと似てるとかまだ言ってるの? そんなことないし!」
最近猫丸ちゃんとMさんに「Rに似てきた」というコメントを頂いて大変不満であります。解せぬ。遺憾の意を表する!
「まー、分からないならそれはもういいにゃ。で、多分主様は教えるの忘れてるんじゃないかにゃ~。大事なことほど忘れていた方が面白いとか言う神だからにゃ~。」
「何それすっごい迷惑! え、じゃあどうしよう! 取り敢えず言ってみないと!」
「そうすると良いにゃ。」
人攫いしてそのことを忘れる誘拐犯とか居ていいのか? 駄目だろ。てかクソめんどいポリシー持ってんな。知らんかった。戦闘訓練は終了して、まったりとしながらRが戻ってくるのを待つ。あいついっつも部屋にいる訳じゃなくて、結構な頻度でどこかに行ってしまうのだ。行き先は誰も知らないからよくMさんがキレている。
「という訳で忘れてたのか説明プリーズ。」
「普通に忘れてました。後悔はしてない。」
「よし、殴らせろ。」
「だが断る。」
「この野郎!」
Rが部屋に戻ってきたので突撃したらこんな答えが返ってきた。シバくぞ。そんな中Rは私のことをじっと見つめる。
「ん~。これはこれで。なかなかだね。…うん。じゃあカミサマテストしよー!!」
「は? なにそれ?」
「あ、元の姿で受ける? 人の姿で受ける?」
「聞いて? 私は説明が欲しいの。」
「じゃあ両方で行こ―!」
「聞けや!」
「……。大変だにゃ~。」
しみじみと言わないで!!
「これクリアしたら君の世界創るから!」
「よっしゃさっさと始めろー!!」
「手のひら返すの早いにゃ~。」
何か後ろで言ってる気がするけどいっか!!
「じゃあ人の姿では、世界1つ救ってきてね!! 救えたらクリア!!」
「何すればOKなのー!!」
「いっぱい魔物来るから殲滅して―。」
「おっけー!!」
「これ結構重大事件だから猫丸もフォローで付いてってー!。」
「うにゃっ!? ちょっ、待って聞いt
「おっけー!!」 「行ってらー!!」
「うにゃあああああぁぁぁぁ!!!?!???!」
なんか悲鳴が聞こえるけどいっか! やっるぞ~!!
Rが展開した術式によって、時間と空間を超えてどっかの世界に到着する。するとその世界には―――――――
空を、大地を、世界の大半を埋め尽くすバケモノの軍団がいらっしゃいました。
「「は?」」
思わず唖然とする私&猫丸ちゃん。当然気付く魔物たち。そして放たれる一斉攻撃。それはさながら花火の様で……って危な!!
「うおおおぉぉ!?!?!?」
「ふにゃああぁあぁ!?」
緊急回避!! 追加で結界も貼って余波も防ぐ。ナニコレ!? 多すぎない!?
「こ、こんな事態、主様は放置してたのかにゃ!? っ!! まさかこのためだけに!?」
「は!? どゆこと!? 説明プリーズ!!」
猫丸ちゃんの口から零れ落ちたのは何やら不穏な台詞!! それはさすがに聞き捨てられないよ!? とにかく魔法連射して数を減らすしかないかな!? どんどん魔法を撃ちながらそのまま私は猫丸ちゃんに何のことかと問い掛ける。
「この試験をやりたいから! この量の魔物をがいる世界を創ったのかもにゃ! もしくは! この量の魔物がこの世界にやってくるようにしたのかもにゃ!」
「魔物って異世界に行くことあんの!?」
「割といるにゃ!! リナの世界では悪魔とか言われてたと思うにゃ! そういう系統のヤツにゃ!」
「はああああああ!?!!??」
悪魔!? そんな理由で異世界に魔門を送るか!? バカなの!? んなこと流石にしないと…しな…い? いやするわ。あの馬鹿ならやりかねないわ。……つまり、私はまんまと掌の上で転がされた、もとい遊ばれてたという訳だ。…………フフフ。そうか、私は遊ばれたんだな………。私の中で、何かが切れた気がした。
「フフフ………。フフッ。そっか~。」
「に゛ゃ!? ちょっ、ここで神格をフル解放したらマズイにゃ! 落ち着くにゃ!」
私は大剣を創る。そして魔力を纏い、剣を肩に担ぐ。全く、猫丸ちゃんは心配性だなぁ。そう簡単にうっかりして世界壊さないのに。でもまずは―――――
「全員!!!!!! ぶった切ってやるううううぅぅぅぅー-----!!!!!!!」
魔物共を切り飛ばす。大剣だけじゃなく、魔力も斬撃に変えぶった切る。ただひたすら剣を振るって切り刻む。魔物どもが悲鳴をあげるが知らない。引かない。逃がさない。
「おらおらおらあ!! その程度かコンチクショウ!!! なら死に晒せぇ!!!!」
「…………………え、誰にゃ? 何か怖いにゃ。」
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!! 逃がさねぇぞ!! そぉら!! 赤いシャワーの完成だ!!」
空にいた奴は風の魔法とか、光の魔法とか、色々混ぜて切り刻む。夥しい量の死骸ができる。邪魔だな。焼くか。
「燃えちまえええええええええええ!!!!!!!!」
ゴウッ!!!
炎で片っ端から焼いていく。苦し紛れの反撃は私の防具、【世界龍の軽鎧】の力、『自動結界』が全て阻む。まだだ!! まだまだ狩る魔物はいる!!!
「あははははハハハハハハハハハハ!!!!!!!! まだまだ狩りハ終わらネェぞ!!!!!!」
「……………………。……もう、帰りたいにゃ………。」
ここでも猫丸の声は誰にも届かなかった………。
「面白かったら高評価お願いします!」




