第26話 王都へ!!
「短めです!!」
「ルビの問題で一部スキル名が変わりました」
「後書きの方なので気にする方も悪しからず……」
私、リナはアストラルという分身体に憑依しているが、元々は龍神というものであり、その魔力は龍属性というべき特殊な波長を持っている。そして、その波動は分身体でも発しているらしい。
「あー、これ大丈夫なの?」
「マジかぁ。そうなるのかー。」
「ライ。落ち着きなさい! この場に敵は居ませんよ!」
「キュルウゥゥアアアアアッ!!!?」
つまるところ、私の魔力は彼にとって逃げ出したいほど怖かったらしい。近づいたら彼は恐慌状態になってしまった。
今日は初めてグレイのパーティーメンバーと会う日。早朝からメイシアの城門前で《遺灰》のメンバーと待ち合わせることになったんだ。《遺灰》はグレイがリーダーのSランクパーティーで、メイシアに拠点を持っている。え? 拠点あったの? なんで宿で生活してたの? とグレイに聞いたら、拠点はあるけど二人で住むなら広すぎると返ってきた。別に広いだけなら生活するのには困らないと思うが。
「リナ嬢。申し訳ないが少し離れて貰えますか? ライが落ち着いたら呼びますので。」
「あっはい。」
まずは一人目。猫人族のカプアさん。本名はカプア・ジャック。黒染めのモーニングコートのような防具? を着て、杖? を持った黒猫の紳士なお爺様だ。ところどころ白髪のような毛が混じっているためお年寄りなのだとは思うけれど、その立ち振る舞いは隙が無い。グレイ曰く、剣の御師匠様。………マジで? もしやそのJ字型の杖って仕込み剣だったりします?
「う~ん、リナさんって本当に小さいですね~。妹が出来たみたいです~。」
「イチオウトシウエデスガ?」
「知っていますか~? 小さいものは愛でられる宿命にあるんですよ~。クリス君もです~。」
「私の歳の半分しか生きてないエルフのちびっこと一緒にしないでもらえます―??」
「何で僕に飛び火した!?」
駆竜であるライを拾ったカプアさんが落ち着かせるというので、私はちょっと離れ、他の面子と会話する。
のんびりとした口調で話しかけてくるのはアシュレイさん。アシュレイちゃんでも良いと言われた。《遺灰》の紅一点、人族の女性だ。補助メインの魔法使いらしい。青っぽいローブの上に皮鎧を着ている魔法使いだ。…魔法使い、らしい。手に持っている武器が明らかに鈍器運用な戦棍じゃなければ。
「ねぇグレイ。アシュレイちゃんって……。おいこら目を逸らすな。」
「ああうん…。言いたいことはわかるんだが、出来れば俺に聞かないで欲しい。」
「じゃあえっと、クリスくん?」
「僕は初対面だから聞きたい事とかはよく分からないなー。」
そっと目を逸らしながら答えるのはクリスくん。19歳の少年エルフである。魔法戦士的な戦闘スタイルらしく、短剣と短杖がメイン武器で、防具は超硬金属のチェーンメイルだ。グレイに押しかけて弟子入りしたんだと。
「アシュレイちゃんってなんで鈍器持ってるの? 魔法使いだよね?」
「こっ、こいつ…!! 堂々と言いやがった…!?」
「いやだって気になるし。」
「私がどうかしました~?」
「「「いやなんでもない(です)」」」
暫くしてライが落ち着いたらしく、カプアさんに呼ばれたので私もライに挨拶でもしよう。そう意気込んで近づいてみたのだが……。もうね。すっごいビビってるんだよね。足がガクガクしちゃってるんだけど。えぇ…? そんなに怖い? 怖くないよー? って言いながら胴体を撫でてみた。………。わぁすっごい心拍数。あと分かりにくい竜の顔なのに、もう「殺さないで…」って表情だとはっきりわかるんですが。ここまで怯えられると罪悪感が凄い。もう凄いとしか言えないくらい凄い。
「グレイー。私ってそんなに怖いかなぁ?」
「本能的に強さでも悟ったんじゃないか?」
グレイに聞いた私が馬鹿だったよ! だーれが化け物じゃあ!! いや化物だったわ!!
「ふむ。しかしこれではリナ嬢は竜車に乗れないのでは?」
怯えるライの横でカプアさんが言う。確かにライが引く車…竜車には乗れなそうだ。乗ったら絶対ライのストレスになるだろう。
「ぶっちゃけ走ったほうが速いから問題ないのでは?」
「やっぱそうなるよな。俺も走った方が速いし、カプア、アシュレイ、クリスは竜車で、俺とリナは走っていくか。」
当初の予定通りだ。さて、それじゃあ出発「ちょっと待って下さい!」何事?
「走ってって…ここから王都まで走るんですか!?」
「そうだぞ? どうしたクリス。別に何も問題じゃないだろ?」
「いやいやいや、普通は無理ですからね!? っていうかそっちの子供が走るとか無理でしょう!?」
「おっ? 何だ喧嘩か!? 言い値で買うぞゴラァ!!」
「いや普通に考えてそうなるだろ!?」
普通…ね…。でもグレイも私も走っていく気満々なんだよなぁ。と言ったって私の外見が16歳くらいにしか見えないからなぁ。確かにそのくらいの一般人は走っていくのは無理なんだろう。しかし、私は普通に当てはまるようなものじゃない。思わず半眼になりながらクリスくんに反論する。
「お生憎様、私は普通じゃないのでー。むしろ騎獣が怯えるだけだから乗る方が難しいんですー。」
「はあぁ??? いきなり何だよ? そんなこと言ってるけど騎獣に乗ったことすら無いんじゃないのかよ!」
「ありますよーだ。しかもすんごい強くて速いやつに乗ったことだってありますし―?」
具体的には神獣。
「じゃあそいつに乗った時と同じようにすれば乗れるんじゃないのかよ。」
「え? 無理じゃない? だってあの子は私に怯えてたりしてなかったもの。それにライくん? には悪いんだけど私が走った方が速いし―??? 君と違ってねぇ??」
「おーい。喧嘩してんじゃねーぞー。」
「うふふっ。喧嘩するほど仲が良いのでしょうか?」
「どちらかと言えば同族嫌悪かと。」
「「誰がコイツと同族だって!?」」
「成程。それは合っているかもな。」
「阿吽の呼吸…でしょうか? ふふっ。」
「アシュレイ嬢。笑い過ぎでは?」
…ここで言い争っていても不毛な気がしてきた。こういうのは実力を見せたらいいんだよ。
「よし。さっさと出発しよう。実際に走って見せた方が速い。」
「リナは俺の後ろ走れよ~。王都の方角知らないだろ。」
「おや。方向音痴、という奴ですかな?」
「何だ? 冒険者の癖に一人じゃで歩けないってか? 道に迷って依頼失敗しそうだな。」
「くっそ腹経つな!!」
「実際迷子になりかけたじゃねぇか。」
シャラーーープッ!!! グレイが言わなきゃバレなかったのにーーーー!!!!! ええい、この怒りも走る力に変えてやるっ!
「おい馬鹿!! 王都はそっちじゃないぞ!!」
えっ嘘!? あっぶな!? 超序盤から道間違える所だった…。
こうしてリナは《遺灰》と一緒に王都へと向かうのだった。
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名 アシュレイ・フォン・リリーサイド
種族 人族
Lv. 138
体力 732
魔力 1520
武力 832
耐久 621
敏捷 721
特殊スキル 過剰出力
称号 魔法使い(物理) 元お嬢様・現修道女(物理) Aランク冒険者?
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名 カプア・ジャック
種族 猫人族
Lv.261
体力 2124
魔力 1821
武力 1702
耐久 1328
敏捷 1920
特殊スキル 幽鬼魂 アナタに敬意を送ろう
称号 僕はだぁれ? 黒の殺し屋 Aランク冒険者? 元暗殺者
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名 クリス
種族 エルフ
Lv.92
体力 738
魔力 921
武力 623
耐久 523
敏捷 674
特殊スキル 撃鉄魔法
称号 小さな勇者 Aランク冒険者
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