第三話 謎のイケメン登場?!
「なんだろう、これ。誰かの忘れ物かな?」
もしそうならば、こんなとこに置いてちゃ、壊れるかもしれない。おじいちゃんに届けようかな。
慎重に慎重にっと
「やめろ。」
「えっ?」
「それに触るのはやめたほうがいい。」
あとちょっとで人形に触れるというところで、声が聞こえた。
男の子の声だ。
振り向くとそこには、人形と同じようなきれいな黒髪で、瞳はまるで血のように赤い紅緋色をした黒い着物を着た男の子が立っていた。
「君は、誰?」
「・・・・・俺は、萩。」
「しゅう?どんな字なの?」
「萩と書いて、しゅうと読む。お前は?」
「私は瞳。山宮瞳。ここの掃除を任されてるの。」
「ふーん」
萩は、見た感じ私と同い年みたいだ。直接聞いてないからわかんないけどね。
いつからそこにいたんだろう。いや、それよりももっと大事なことがある。
めっっっちゃくちゃイケメン!!!!
え、めっちゃかっこいいんですけどこの人!そこらへんのアイドルよりかっこいいよ!!
はっ!落ち着け、落ち着け私。こんなんだから彼氏いないんだよってこないだ哨に言われたばっかじゃん!
「ろくでもないこと考えてる顔だな。」
「え、そ、そんなことない!」
「あ、そ。」
み、見抜かれてただと・・!
萩は人形を手に取り、私のほうへ近づいてきた。
「これ、俺の知り合いのなんだ。」
「あ、そうだったんだ。でも、なんでこんなとこにあったの?」
「さあな。」
うっ、素っ気ないなぁ。
萩はどうやらこの神社の隣に住んでいるそうだ。生まれてから今まで、ほとんど毎日この神社に来てたのに、いつから住んでるんだろう。
「なあ、明日もここに来るのか?」
「えっ明日?うーん、どうだろう。たぶん学校の帰りによると思うよ。」
「じゃ、その時にまた会お。」
「う、うん。」
萩はじゃ、そゆことでと言いながら帰っていった。もちろん、人形を持って。
・・・・・変な子だったな。素っ気なかったけど、イケメンだしいいや。
あれ?でも今まだ十二時前だよね。もうちょっといてもよかったのに・・・。
忙しいのかな。まあいいや、作業開始っと!