第一話 私のちょっと変わったバイト先
「瞳ー!起きなさーい!今日はバイトに行く日でしょー!」
「はーい、お母さん。今起きるよ!」
私は山宮瞳、ごく普通の高校二年生です。家族は銀行で働いてる優しいお父さん、専業主婦でしっかり者のお母さん、そして中学三年でもうすぐ高校受験を迎えるの弟の哨と私の四人家族。特に貧しくもなく、かといってすごく裕福なわけでもなく、ごくごく普通でどこにでもある幸せな家庭。他の人たちとは違うところといえば私が毎週の日曜日に行くバイトぐらいしかないかもしれないです。
ガチャッ
「あっ、姉さん。おはよう。」
部屋に入ってきたのは弟の哨。いつもは貴重な休みだからと言って、午後の1時まで寝ているのに10時前に起きるなんて珍しい。
「おはよう、哨。どしたの、今日日曜だよ?珍しく早起きじゃん!」
「うん、今日クラブの集まりがあるからね。それよりも姉さん。」
「なーに?」
「もう50分過ぎたけど。」
「えっ」
哨に言われて慌てて時計を見ると、な、な、なんと!バイトの時間まであと10分もない!
「わー!やばい!やばいよ!!また遅刻だー!」
クローゼットの中から急いで制服(?)を引っ張り出して、哨を追い出して着替えるとあと6分!
階段を降りて鏡を見て、
「よし!行ってきまーす!!」
家を出てまっすぐいって右に曲がるともうすぐそこ。鳥居をくぐると2匹の狛犬さんがお出迎えをしてくれる。
そう、ここが私がお巫女さんをやらせてもらっている
人形神社です。