85/267
24
「お客様、お怪我はございませんか」
オールバックにした男の声が浴場に響き渡る
「中に俺たちの親分が取り残されてんだよ!」
さっきサウナルームに入ろうとした子分が番頭に向かって叫ぶ
「確認してまいります」
背の低い店員が、さっとサウナルームに入る
「おい!どうなってんだよ、ここの風呂屋は」
子分たちが番頭に詰め寄りだす、まずい空気になってきた
「お客様、まずは状況を把握することが何よりも先決でございます」
番頭は落ち着き払って応える、ならず者集団を相手にまったく動じていない




