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サティアンは剣が突き刺さっていたの穴を辺りを調べまわっている
がそれに飽きたのか、それとも何か思いついたのか
なんともいえぬ様子のまま、すーっと出て行った
俺は机から、置きっぱなしになっていた、工具箱と量産型国産アーマーを両手に持つと、蝋人形の館と化してしまった鍛冶屋を後にした
親方の遺体を確認しようかとも思ったが、いざ実行に移そうとすると、トラウマになるほどの恐ろしい映像が脳裏に焼きついてしまうのでは、という恐怖と一刻も早くここから立ち去りたいという焦燥感が、俺の脚を勝手に出口へと向かわせた
モブマントを身につけ、そのまま通りを歩く
夕暮れ時、人はほとんどいない
鍛冶屋ベルクートは窓から中を見ても、相変わらず真っ暗だ
とぼとぼと当ても無く、歩く
びくびくしながら、力なく歩く
後ろから突然、ガッと肩をつかまれ、連れ戻される
そんな予知夢のような錯覚を何度みただろう
しかし結局は何も起こらず、いつの間にか電灯に明かりがポツポツ点き、日は完全に沈み、空は目がしみるほどの美しい星空になっていた
完全に時間の流れる感覚を失ってしまったまま、歩き続けた




