13
集合場所に到着、ってここ俺が拉致られたとこじゃん
中に入ると一番背の低いあいつが待っていた
「おや、逃げないでちゃんとこれましたね」
平たい声で俺に向かって言う
声の調子ではどんな感情でいるのか、わからない
匿ちゃんがご報告があります、とさっきの食い逃げの件を話し出した
「はぁ~そんなことがありましたか」
とミサ姉さんのほうを横目で見ながら呟いた
平静な声だ
何を考えているのか、見当もつかない
ミサ姉さんのほうはというと、椅子に座り、机に足を乗せ、ふてぶてしい態度だ
「われわれの役目はあくまでも勇者の監視です。そんな小さな事件はほおっておいて、下役人に任せておけばよいのですよ。岬さん」
岬さんといわれたミサ姉さんは、聞いているのか聞いてないのか、椅子をぎったんばったん、前後に揺らすだけだ
勇者の監視?勇者の監視っていったな今 それが俺らがやろうとしていることなのか
それからもずっとミサ姉さんにくどくど何か仕事に対する心構え的なことを話し出した 何か言い返すでもなくただじっとしている
どうやらこの小さいやつは、自分が説教がうまい人だと思っているみたいだ
俺は心の中でこいつに「サティアン」というあだ名で呼ぶことにした
もしこんなやつが、鍛冶屋にいたら次の日からそう呼ばれたに違いない
そしてみんなでいわしあげて1週間で出勤拒否だな 偉いさんなのか知らんが
いばってんじゃねぇよ
現場ならハンマーでも投げつけてやるとこだ
匿ちゃんのほうを見ると、なぜかこの説教タイムをにやにやしながら見ている
ははあ、匿ちゃんミサ姉さんのことが嫌いなのかな




