プロローグ
俺と姉は今日が14歳の誕生日だ。
姉と俺は双子なんだが、俺のほうがちょっと遅く生まれたので弟となった。いや、そんな話はどうでもいい。
このゲイロード家には奇妙な家訓がある。ゲイロード家はトクナーガという王家に仕えている。この王家ができたのはつい40年前の新興国なんだが、これが結構大変でな。
なぜかうちは男は冒険者をしてからでないと当主になれず、女は学園に行きいずれは時代の王子と婚約者候補になるという。
婚約者候補というか、なぜか俺たちの代では婚約者まで格上げ(これには諸事情あるが後で説明しよう)。
姉のほうはあんまり好きではなさそうだが、俺にとっては好都合だ。
俺はずっと冒険者に憧れてたからな。姉とは違ってなぜか体に筋肉がつきにくく骨格も女みたいなんだが、それでもある一定程度の剣技はある。
明日から姉は学園、俺は冒険者ギルドへ。順風満帆だったはずだが――
メイドのアメリアからとんでもない報告を受ける。
「あの、リック様。パンジー様が置手紙を残して、家から出奔されたようです……」
「……へっ?」
そして父上から呼び出されてメイドのアメリアからもう一つの衝撃的なことを知る。
「実はリック様に提案がありまして」
簡潔に言うと、姉の代わりに学園に行ってこいとのことです。
「へっ……ええええええええええええええ!!!」
―――
こうして姉が出奔している中、侯爵令嬢としての学園潜入生活が始まることとなったのである。




