表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
3/3

第三話《泊めてもらったら王城行きが確定した件》

「......で、君はどこの誰だ?」


低く、重い声だった。


目の前に立つのは、舞里のお父さん――カホダさん。完全に“ラスボス入場”の雰囲気である。


さっきまで天国みたいな食卓だったのに、急に尋問が始まった。


「えっと......その......記憶喪失、みたいなもので......」


自分で言ってて苦しい。


いや実際転生なんだけど説明できるわけない。


「記憶喪失、ですか?」


「う、うん。気付いたら街に倒れてて......何もなくて......」


部屋が静まり返る。


やばい。これ普通に不審者扱いでは?


その時。


「お父様! この人、本当に困ってたんです! 悪い人じゃありません!」


舞里が立ち上がった。


天使だ。完全に天使。好きだ。


カホダはしばらく黙ったまま僕を見つめていた。値踏みされてる。


絶対されてる。


たったの十秒くらいなのに、めちゃくちゃ長く感じる。


そして――


「......分かった」


「しばらく、この屋敷に滞在することを許可しよう。」


「......え?」


「ただし、怪しい行動とかあったらすぐにここから出される。いいな?」


神か??????


「ありがとうございます!!絶っっ対に怪しい行動なんてしないです!!」


思わず頭を下げた。異世界来て初めてのセーフ判定だ。


案内された部屋を見て、僕は固まった。


「いや広っっっ!!!!」


ベッドがデカい。


窓がデカい。


部屋がデカい。


全部デカい。


前世のワンルーム何個分だよこれ。


「本日はこちらのお部屋をお使いください。」


メイドさんまでいる。異世界すごい。


「夢じゃないよな......」


ベッドに飛び込む。ふかふかすぎて沈んだ。


(転生して初めて人生イージーモード来たか?)


――そう思った、その時。


コンコン。


「失礼します」


舞里が顔を覗かせた。


「明日、お父様が王城へ連れて行ってくれるって。」


「......王城?」


嫌な予感しかしない単語きた。


とりあえず、このデカい部屋を楽しもう。


◆◆◆


翌朝。


豪華すぎる馬車に揺られながら、僕は青空を見上げていた。


「なんで俺、王様に会うことになってるの?」


向かいに座るカホダは淡々と言う。


「身分不明者が自由に動くことはできないからだ。」


「アイツの許可が必要だ。」


ですよねーーー!!!


やがて見えてきたのは、巨大な城だった。


屋敷とは格が違う、完全にラスダン。


「帰りたい」「もう遅い」


即答された。


重厚な扉が開く、そこには玉座に座る一人の男。


その目が、まっすぐ僕を捉えた。


「異世界人よ。ようこそステラ公国へ」


「......は?」


「神より、話は聞いている」


......え。


「君は、この国で生きることになる。」


ちょっと待って。


まだ何も決めてないんですけど???


王は静かに言った。


「まず、君に身分を与えよう。」


助かった......のか?


その直後。


「ただし、監視付きで。」


「「「ですよねー!!」」」


――やっぱりハードモードだった。


いや、待って。なんで「監視」なんだ?まだ何もしてないけど。


「えっと……監視って?」


玉座の前にいた大臣が淡々と答える。


「そのままの意味です。」


やっぱりそうだった。


国王は静かに話を続ける。


「君は身元不明。 そして、この世界の人間でもない存在だ。」


優真は息を呑んだ。


(……それ、普通にバレてるのかよ。)


だが国王は動じない。


「安心しろ。今のところ、君を処刑したり追放したりするつもりはない。」


「今のところは、だが」


その一言で、安心は即座に崩れ去った。


カホダが口を開く。


「陛下、彼の処遇はいかがいたしますか?」


国王は少しだけ考えたあと、優真を見た。


「働いてもらう。」


「国民としてこの国に属する以上、働くのは当然だろう。」


それは確かに正論だった、寧ろ正論すぎて反論できない。


だが次の言葉で、優真の思考は止まる。




「王都巡回補助員だ。」




「......何それ?」


簡単に言えば、あちこちを見回って報告するだけの役職らしい、いわゆる雑物係。


「冒険者とかじゃないんですか?」「違う」


「騎士とか?」「違う」


「勇者とか……」「違う」


「ただのバイトじゃん!!」


一瞬、謁見の間が静まり返った。


そして舞里が小さく吹き出した。


国王は懐から一枚の証書を取り出す。


そこに書かれていたのは――




【仮身分証】

名前:未登録

種族:不明

出身:不明




「不明しかないじゃないか!!」


思わず叫ぶ優真、国王はこう言った。

「まずはこの国を見てくるといい。」「見て、聞いて、自分の目で判断しろ。」


()()()()()()()()()()()()を。」


その瞬間、部屋の空気がわずかに変わった。


舞里も、カホダも、何も言わない。


(……今、空気変わったよな?)


国王は微笑む。だが、その笑みは、どこか疲れているようにも見えた。


「では、期待しているよ。」


王城を後にした優真は、舞里と共に王都の通りを歩いていた。


街は活気に満ちている。


商人の声。子どもたちの笑い声。


誰もが笑っている。


一見すれば、完璧な“平和な国”。


だがその時、優真の視線が路地裏へと向く。


◆◆◆


そこでは、一人の若者が警備兵に引きずられていた。


抵抗の声はない。


周囲の人々は、ただ目を逸らすだけだった。


まるで、それが“日常”であるかのように。


優真は呆然と呟いた。


「……今の、何?」


舞里は少しだけ沈黙し、そして答えた。


「……見なかったことにして。」

気づいたらもうすぐ一年間投稿してなかったわ、ごめん。


そういえば、大事なお知らせがある。こちら:



【大事なお知らせ】


《平和生活かと思ったら普通に死にそうな国に転生した件〜異世界に来たらハードモードだった〜》× 《REINOA》

のコラボ企画決定!


いつも応援いただき、誠にありがとうございます。


このたび、関係各所との協議および調整の結果、《平和生活かと思ったら普通に死にそうな国に転生した件〜異世界に来たらハードモードだった〜》と《REINOA》のコラボレーション企画が正式に決定いたしました!


今回のコラボでは、キャラクター、設定、文化、そして一部の世界観要素が登場予定です。


一見まったく関わりのない二つの世界は、いったいどのような形で交わるのでしょうか。異世界からやって来た冒険者たちは、音律を追い求める人々と出会うのか。


異なる世界で紡がれる物語は、どこかで静かにつながっているのか。


詳細につきましては、今後順次公開予定です。

続報をどうぞお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ