表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/2

第一話《プロローグ》

「はは……また落ちた、か……」


駅の階段の片隅。人目を避けるように座り込み、僕はただ空を見上げた。


ブラック企業、借金、友人ゼロ、家族も居なくなった。気づけば毎日カップ麺と睡眠不足のループ。生きている意味なんて、とうの昔に見失っていた。


「せめて……今度こそ、平和な人生を……」


そう願って目を閉じた、その瞬間だった。


——ドンッ。


胸を突き破るような衝撃。息が止まり、視界が暗くなる。


……次に目を開けた時、そこは見知らぬ場所だった。


「……は?」


僕は、石畳の上で転がっていた。まるで誰かにゴミのように捨てられたかのように。


周囲には聖騎士装(せいきしそう)の兵士、そして街を歩く人々。だけど、その目は……どこか冷たい。


「おい、新入りか? 身分証、持ってんのか?」

「……え、あの、ここどこで……」

「は? 何だ、コイツ。身元不明の流入者だな。面倒なことにならなきゃいいが、入れ」


「……また、ハードモードかよ……」


そこは「百姓と貴族が平和に共存する理想の国」と呼ばれている、斯帝拉公国(ステラ公国)だった。


僕の“異世界人生”は、最初の一歩から、つまずくことになった。




「......夢じゃ、ないんだね......これ」


目に飛び込んできたのは、まるでゲームの中に入り込んだような街並みだった。


だが、鼻をくすぐる香りも、耳に届く喧騒も、肌を撫でる風も――どれもがリアルすぎる。


「ていうか、転生って……ほんとにあるのかよ」


「まずは、人に聞いて......って言っても、言語を通じるのか?」


試しに、近くの女性に声をかける。


「あの、ここって……どこ、なんでしょうか……?」


Meso(あなた) corinipa() kenoa(誰ですか)?」


「......え?」


知らない言語だった。終わった。


「おいおい……人生ハードモードすぎんだろ、これ」


そのとき、頭の中に響く声がした。


「これより、この世界の言語を授けます」


目の前が真っ白になった。


そして、光が収まり始めた頃、目の前の景色が変わっていた。


「なにこれ......!!!」


「フフフ。ここは神の世界サリパノ(Saripano)だ」


急に声を掛けられ、そこには数人の“人”……いや、“神”が玉座のような椅子に腰かけていた。


「やっと会えたな、神原優真(かんばらゆうま)


「?!?!なんで名前を......!」


「まず、君がこの世界に転生した理由を話そう。そこに座ってくれ」


優真はまだ現実を飲み込めないまま、言われるがままに椅子に腰を下ろす。


目の前の“神”たちは、どこか人間離れした美しさと威厳を持っていた。


「まず、君がここに来た理由を説明しよう。君は『ステラ公国』に選ばれた者だ」


「……選ばれた、って何を? 俺、ただ普通に生きてただけなんだけど……」


一人の神が口を開く。


「この世界では今、“平和”という名の不安定な均衡が保たれている。表向きには民は仲良く暮らしているように見えるが、実情は……腐っている」


別の神が補足する。


「“平和の象徴”とされるステラ公国も、実は内部から崩壊が始まっている。君にはその中で、どう“生き延びるか”を見せてもらいたい」


「え、俺そんなすごい人じゃ……っていうか、何で俺なんだよ……!」


「運命とはそういうものだ。君は、ここにいるべき存在なんだよ」


神原優真(かんばらゆうま)は理解した。


この世界では、「生きる」ことそのものが、試練になる。

処女作なので色々頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ