表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機械化少年の異世界史  作者: 噛ませ犬
第1章 序
9/64

序:第八話 ワタシガイコクジンナニモシラナイネ

うーん

 颯爽と後ろに一つに縛った赤い髪をたなびかせながら現れた少女は少し哀れむような目でアレスを見た.

 「あんたってば.迷いがあるなら最初っから襲わなければいいのよ,全く.」

 「しかし今あいつらを逃がす訳には,」

 「それもオライオンに言われたからでしょ.たくどっちが弟だか分からないわね.あんたは腕力と人の良さだけが取り柄なんだし仕方ないか.」

 「・・・そこまでいうか?」

 「ほめてんのよ.二つも取り柄があんだから他は別のやつが補うわ.村の掟,第一は?」

 「・・・一人はみんなのため,みんなは一人のため.」

 「でしょうが.あんたら二人だけで全部やろうとしないでみんなが来るまでの時間稼ぎをすれば良かったのよ.」

 大きいからだを小さくしてアレスが反省する.

 「さて,あんたたち.悪かったわね.うちの馬鹿二人が先走っちゃて.でも大筋私の意見もこいつらと一緒なんだ.ここであんたたちを帰すわけにはいかない.ここにきた目的を聞くまではね.」

  

 『どうします?少しは話の分かりそうな人がきましたけど?』

 『そうだな.彼女に事情を説明して私たちに危害を加えないことを約束させるくらいかな?』

 『ちなみに,あの人は例の怪力女ですよ.』

 『なっ!あの!あんな少女がか?やはり何かあるなここの人には!?』

 『あの人の力は未知数です.なので私たちの安全はあの人の意向,ひいてはあの人に影響力のある人の意思に左右される恐れがあります.恥ずかしながら私たちの中で一番戦えるのはトモエさんですがいくら彼女でもあの力に対抗できないですよ.たぶん.』

 『・・・あの人を信じられるかどうかが鍵か.』

 『トモエさんは勘をナノマシンとIISで鍛えているんですよね?もうここは彼女の勘で判断してもらっては?』

 『では彼女にナノマシンで接触し,お願いしてます.』

と宇宙艇の通信機で三人が話し合っていた.


 「・・・」

 『トモエさん,トモエさん!聞こえますか?』

 「・・・」

巴の目に徐々に光が戻っていく.

 『・・・はい!聞こえます.私‘無我’状態だと意識が薄くなるんですよ.』

 『・・・そうですか.それはまた頼もしいというか不安になるというか・・・.それでですねあなたの勘で彼女が信用できるのかを判断してもらいたいんです.』

 『ええ!私がですか?でも私なんかが・・・.』

 『いやいや,みんなもう君の勘が当たることは身を以て知っているよ.お願い.君しかいないんだ.』

 『・・・なんだか今朝と逆になっちゃったね.わかった.やってみるよ.』


 「・・・(なんだ?あの子の雰囲気が変わった?歴戦の勇者のような雰囲気が薄くなっていく.久々に領主以外で互角に戦えそうだと思っていたのに戦闘態勢を解いちゃった.)」

 などとシンシアが物騒なことを考えていると

 「ねぇ,あなただれは?私は一橋巴.」

 「私はシンシアよ.ヒトツバシトモエはこの一行の長?」

 「(ヒトツバシトモエで一つの名前だと思われたぁ)一橋が名字で巴が名前よ.内には長は決まってないわ.でもみんなの意見はまとまってるわ.」

 「(名字とは何だ?)名字って何?それに意見がまとまっているのはなぜ?話し合ってる様子はなかったけど?」

 「名字は・・・えーと.」


 『なんて説明すれば良い?』

 『まだ名字の意味の単語はわからないからね.家族を表す名前で家族で一緒に持っている名前って答えたら今わかってる単語で表せるよ.』

 『OK.ありがとう.』


 「名字は家族を表す名前で家族で一緒に持っている名前よ.意見がまとまってるのはナノマシンで話したからなんだけど.」

 「あぁ,家名のこと.私は家名を持ってるような上等な身分じゃないからただのシンシアよ.ナノマシンていうのはなに?精霊術の一種?」

 「精霊術?」

 「精霊術を知らない?まさか!共和国にも精霊術はあるでしょ?っていうか精霊術使えない人はいないはずだしね.」

 「共和国って何?言葉を知らないだけかも.こちらの言葉はまだよくわからないから.」

 「共和国を知らない?言葉を知らないって話せてるじゃない.あなたどこの人?」 

 さすがに不信感が募り始めたのかシンシアの顔が少し険しくなる.

 「分からないのよ.船に乗ってたらいつの間にかここの海にいて,近いところがここだったから来たの.」

 「・・・漂流者って訳ね.私もこの辺り以外の地理にくわしくないからあなたがどこの人かわからないわ.領主に聞けば分かるかもだけど.あ,精霊術はね自然の力をちょっと分けてもらってそれを使う術のことよ.たぶんあなたは風の力で声を飛ばして会話してたのね.共和国はわたしの村から森へ西に50スタディオン(*9kmくらい)も行った所に帝国との国境があるわ.」

 「そうだったのよ.へー共和国についてはよくしらないわ.(何?精霊って?なんか勝手に納得してくれてるからそのまま流したけどなにそれ?)食料を勝手にとってごめんなさい.私たち食料を持ってなかったのよ.」

 「そう.別に気にしなくていいわよ.事情が事情だし.ただみんな不安がってるし村までついてきて村長に直接説明してくれない?」


 『・・・どうしよう.』

 『彼女は使用できそう?』

 『うん.』

 『なら彼女に俺たちに危害を加えないことを約束してもらってついていこう.』

 『うん.分かった.』


 「じゃあ,私たちに攻撃しないって約束してくれる?」

 「はは,だいぶ警戒させちゃったみたいね?大丈夫私がなんとかするわ.まかせて.」

そうしてようやく村へ向かうことになった.変身を解くタイミングを失ったリチャードとともに.



トモエ必殺:『私何も知らなかったの.ここはどこ?お家に帰して』

困ったときの巴の勘になりつつある.

ヤン=空気.

リチャードどうなる.

どうなるのか

どうしたものか

変な設定つけんじゃなかったな

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ