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機械化少年の異世界史  作者: 噛ませ犬
第1章 序
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序:第四話 不純異性交遊?

うーん.

 〜リチャード・ヨシヒロ組〜

 「村ですね.」

 「村だな.」

 「木造の家に見えます.」

 「木造の家だな.」

 「畑がありますね.」

 「畑だな.」

 「『昔の農村生活を体験しようツアー』でしたっけこれ.」

 「いや違う筈だ.『ジュラッシク・パーク』でもなかったはずだ.」

 「ですよね.大きいトカゲとかいますけどあれ,あれロボットじゃないですよ.」

 「つまり?」

 「さっき思いつきで言ってたことがほんとだった可能性が濃厚になってきたってことですよ.」

 「なってこった.」


 〜村人たち(?)〜

 『伐採して(とって)きたわよ〜.』

 『ご苦労さん,シンシア.じゃ次ぎはこれを運んでくれ.』

 『・・・お父さん,人使い荒くない?私これでも女なんだけど.』

 『・・・今働けるもんがお前しかおらん.だいたいお前,料理も裁縫もできんじゃないか.荷運びくらい手伝え.』

 『・・・分かったわよ.全く.どうして村の男たちがいないの?』

 『それがな,今妙な二人組を見たと言う報告があってな.村の男たちが総出で捜索しとる.』

 『・・・私の心配は全くなしですか.それってまさか・・・』

 『お前の心配をするくらいなら相手の命を心配するわ.ああ,もしかしたら‘共和国’の奴らかもしれん.』

 『もしそうだったらどうするの.』

 『領主に突き出すしかないだろ.そういう命令がでとる.』

 『・・・懸賞金は出るの?』

 『いや.出すと思うか?あのケチな領主が.』

 『思わないわ.』


 〜リチャード・ヨシヒロ組〜

 「さっきの女の子が誰かと話してますよ.」

 「本当だ.父親かな.」

 「顔立ち等の特徴からすれば違う気がしますね.」

 「ところで女性しかいないな.男はあの父親らしき男しかいないし.」

 「ああ,それならさっきから人間大の熱源があちこちで三体一組くらいの規模で10組くらいが組織的に行動してましたから,男が今出払ってるんじゃないですかね?」

 「・・・なんでそれを早く言わない?」

 「聞かれませんでしたので.」

 「・・・まぁ,いいや.でそれってまずくない?」 

 「なぜです?」

 「そりゃ,俺たちは君が感知できるから良いけど,ヤンさんとトモエちゃんが危なくない?」

 「あ,考えてませんでした.確かにそうですね.見つかったら危ないかもしれません.ここの人たちが友好的とは限りませんもんね.では感知範囲を広げてみます.」

 「さらに広げられるのかい?」

 「僕のナノマシンは空中散布もできまして,一時的にですが広げられるんですよ.」

 「・・・それは疲れるんじゃ?」

 「はい,かなり疲れますが,感知対象を人間大の熱源にのみにしぼればそれほどでもないですよ.」

 「そうか.頼むよ.」


 〜ヤン・トモエ組〜

 「・・・なんか嫌な気配がします.」

 「‘気配’?別に異常は見られないですけど?」

 「いえ,私のナノマシンとIIS,ちょっと特殊で気配とか予感とか感じられるんですよ.」

 「へー.失礼ですがそれは正確なんですか?」

 「はい,先生がおっしゃるにはかなりの精度だとかで.」

 「それはすごいね.なんでそんな特殊に?」

 「通ってる高校が教育実験校で様々な最新の教育方法を試験的に運用する学校なんです.その一環で人の‘勘’にあたる部分の成長を促す教育法の試験対象に私が選ばれて色々やらされたんですよ.」

 「それは・・・」

ヤンが同情の視線を送る.

 「いや,別にモルモットみたいな扱いを受けてた訳じゃないですよ.学生生活は楽しいし,実験も結構面白いですよ.古武術の先生まで呼ばれてましたし.」

 「それはすごいですね.」

 「なのでここから離れた方が良いです.」

 「どっちがいいんですか?」

 「あっちに行きましょう.」

とトモエとヤンが歩いていると,

 「っつ」

いきなりトモエの体が反応した.

 「どうしたの?」

ヤンが心配そうに見る.

 「いま,ヨシヒロ君の気配が広がったような.」

 「ヨシヒロ君のですか?」

 「うん.なんかかなり間近で見られてるみたいに感じてちょっとびっくりした.」

 「ああ,もしかしたら.

  ・・・ああ,やっぱり.今.ナノマシンの散布が行われているみたいです.」

 「ナノマシンを散布?」

 「ええ,ということはこれはヨシヒロ君のナノマシンなのでしょう.」

 「そんなことが・・・.というかなんでヤンさんにはそれが分かるんです?」

 「僕は仕事柄微小なものを拡大してみられるよう,ナノマシンとIIS処理機能を拡張しているからね.空気中のナノマシンも見ることができるんですよ.トモエさんの体からも微量ですがナノマシンが出ていますよ.」

 「へー.」


 〜リチャード・ヨシヒロ組〜

 「・・・いた」

 「そうか.どんな状態だい?」

 「村人とはまだ遭遇していないみたいです.うまいこと網の目を縫うように動いてます.」

 「そっかよかった.」

 「・・・俺はよくないです.」

 「どうしてだい?」

 「トモエさんはどうやら俺と同じようにナノマシン散布を行っていたようでナノマシン同士が接触しました.」

 「それがどうかしたのかな?」

 「ナノマシン同士が接触するというのは危険なんですよ.トモエさんのナノマシンのセキュリティがかなり無防備でした.その状態で彼女のナノマシンと接触して探知するってことは彼女の裸を間近で直視してしまったくらいの意味を持ちます.」

 「それはうらやま・・・もとい,いけないことだが仕方なかったんじゃないか?」

 「それはそうですが本人の同意なしでナノマシンと接触し探知する行為は相手が女性だった場合は特に刑罰が重いんですよ.そもそも倫理的に・・・」

 「・・・ちなみに刑はどのくらい?」

 「国にもよりますが禁固15年,または500万円以上の罰金です.」

 「・・・男と男の秘密にしよう.」

 「・・・お願いします.」

ここに奇妙な友情が発生した.

 「なんとか連絡が取れないもんかな?」

 「彼女が散布型なのがある種ラッキーですね.彼女のナノマシンに直接コンタクトをとれれば彼女のナノマシンを介して連絡が取れる筈です.」

 「じゃよろしく.」


 〜ヤン・トモエ組〜

 「その間近で見られている感じはもうなくなったのですか?」

 「ええ,今は遠くから望遠鏡で見られている感じです.」

 「・・・それはそれで嫌な感じですね.」

 「それほどでもないですけど.あっ.」

 「今度はどうしました?」

 「ヨシヒロ君から通信きました.」

 「ああ,ナノマシン同士を接触させたのか.」


 『聞こえる?トモエさん.』

 『うん,聞こえるよ.』

 『実は,そっちに結構の数の人が行っているみたいなんだ.』

 『人?』

 『うん.たぶん.実は村を見つけてね.そこに男がいなかったし.君たちの周りに組織的に行動する人間大の熱源を感知したから.』

 『そうだったんだ.あの気配はそういうこと.』

 『気配?まあいいや.そこから早く離れた方が良い.いったん合流しよう.イレーヌさんの所に戻れる?』

 『多分戻れると思う.』

 『危なくなったら.連絡して.パスはつないだままにしておくから.』

 『うん.分かった.』

 『気を付けて.』

 『そっちも』


 〜リチャード・ヨシヒロ組〜

 「イレーヌさんの所に合流することにしました.」

 「わかった.すぐに合流しよう.」


 〜イレーヌ〜

 「・・・遅いな.」




今回もイレーヌさんがtheヒトリボッチ.

トモエをシリアスにしようとしたらやたらポジティブ少女,ご都合主義キャラになってしまった.

ヤンはもはや解説要員なりつつある.

リチャードはなんだかな〜だし.

ヨシヒロは不器用になりつつある.


ていうかタイトル「少年」てしたけど今思えば少年おらんじゃろ.

青年とおっさんと姉さんと少女でしょ.

ていうか主人公誰よ.

スポットライトを当てる人間を決めないてのも手だなぁ.

じゃ題名が「機械化人間たちの」てな感じにせねばだな.



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