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機械化少年の異世界史  作者: 噛ませ犬
第1章 序
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序:第九話 村へ

深刻な場面を書くのはいやだねぇ.

読むのをそこそこ好きだけど.

とりあえず何とかなったかと一安心する漂流者一行(一名除く)であった.トモエは村へ向かう道すがらシンシアに色々話を聞いていた.

 「ねぇ,オライオンさん背負ってるけど重くないの?」

 「これはね私が地面に落ちる自然の力を操作しているからよ.ってこれは私とは頭のできがちがう友人の言葉だけどね.あいつはこれを『重力』って言ってたけど.結構レアらしいわよ,そいつ曰く.」

 「へー,すごいねぇ.じゃ空とかも飛べたりするの?」

 「いやぁ,それが試したんだけどね.これが難しいのなんの.私は精霊術を何となくで使ってるから理論的には可能だって言われてもピンと来ないのよ.」

 「そうなんだ.私も何となくで使ってるよ.」

 「へー,気が合いそうね.」

 

 「・・・早速仲良くなってる.」

 「適応力あるね,若いって良いわ.」

 「イレーヌさんも十分若いじゃないですか.あれは性格ですよ.ああやって会話してくれてるおかげで言語解析がかなり進んでいますよ.このまま話していてほしいですね.」

 「しかし,リチャードはどうする?変身を解くにしてもあまり見られるものでもないしな.」

 「そうですね.場合によっては警戒心を強めてしまうかもしれませんし.このままでいてもらうか,事情を話して変身を解かせてもらうかですね.」


 「・・・すまねぇ.」

 「・・・はい?」

 アレスがリチャード(女)に謝っていた.

 「男ならいざ知らず女に鉈を振り回しちまうとは森の男の名折れだ.名誉にかけて詫びはする.何でも言ってくれ.」

 「いえ,良いんですよ.お気になさらず.(こういう台詞,口調は違うが私も言っているな.こうして言われる側になると何とも気持ち悪い.気をつけよう.ああ,男とばれたらあとが恐いな.どうするかな.)」

 「いや,俺の気が済まねえんだ.頼む.」

 「頼むと言われましても.こちらも弟さんを気絶させてしまいましたもの,おあいこですわ.(まずい.男と明かすタイミングを逃してしまった.今更,実は男でした.なんて言える雰囲気じゃなくなった.ていうか気持ち悪い,早く男に戻って普通の会話がしたい.)」

 「なんと寛大なやつだ.困ったことがあったら何でも言ってくれ.力になる.」

 「ありがとうございます(暑苦しい男だ.こういう男は苦手だよ.)」

 もはや手遅れな状況のリチャードであった.


 「もう.このままいくしかありませんね.もし変身を解いたら血を見ることになりそうです.」

 「確かに.しかし,後々ばれたときが辛くなるな.」

 「そこは彼以外には明かして協力願うなりしましょう.」

 もはや人ごとのように話す三人であった. 


 〜村〜 

 「・・・それは災難でしたな.どちらから来たかもわからないのですか?」

 「えぇ.話は変わりますが,こちらでは空を飛びませんか?」

 「空を・・・か?精霊術で空を飛ぶものはおる.山の高さを超えることができた者はおらんな.山を越えると精霊の加護が届かないようで.音より速く飛ぶこともできん.自然の力を超えることはできんのだ.」

 「そう・・・ですか.私たちはどうやらこちらとは別の世界からやってきたようです.」

 「別の世界?」

 「はい.私たちの世界ではまず間違いなく‘帝国’や‘共和国’といった国はありませんでしたから.」

 「それは,失礼だが知らないだけということは?」

 「話に聞いた限りではこれだけの規模の国を私たちが知らないということはないと思います.私たちの国ではある程度の知識の共有化がなされておりましたので.」

 「そうか.辛かったろうな.」

 村長が白く染まる眉毛をゆがめて言った.

 「・・・」

 「当面の食事と寝床はこちらで用意いたそう.まずはゆっくりと疲れを癒し,どうするかを決めればよろしかろう.」

 「ご温情痛み入ります.」

 「気落ちせずに・・・な.」


 「いい人だったな.」

 「ええ,ありがたいことです.」

 「あまり深く突っ込んでくれなくて助かったよ.」

 「とりあえず休んで気持ちを整理させたい・・・」

 「そうですね.今日はもう寝ましょう.」

 こうして緊張でかショックでか疲れていたのか皆,深い眠りについた.





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