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 レンは森の奥へ進む中、他の冒険者たちを見かけた。彼らは薬草を探している少年少女で、まだ幼さが残る顔立ちをしていた。レンは(鑑定)と心の中で呟き、彼らを一瞥した。


 最初に目に入った少年はレベル3でスキルは持っていなかった。次に、少し離れた場所で薬草を探している少女に目を向けた。


[レベル3]

[所持スキル: 初級火魔法(レベル1)]


 レンはその情報に驚き、心が踊った。「魔法がこの世界にあるのか…すごいな。俺もいつか使ってみたいな」と、夢見心地で思った。


 他の少年少女たちも鑑定してみたが、多くはスキルを持っていなかったり、持っていても初級のスキルだった。レンは自分の鑑定スキルの有用性を再認識しながら、薬草採取を続けた。


 町の近くでは薬草の数が少なくなっていることに気づいたため、少し奥へ進むことにした。そこでは他の冒険者の数が減り、静けさが増してきた。レンは地面を見つめ、薬草と雑草を見分けながら慎重に採取を続けた。


(鑑定)


[薬草]

[用途: 回復薬の材料]


 鑑定スキルのおかげで、確実に薬草を見分けることができた。これにより、他の冒険者たちよりも効率的に薬草を集めることができた。


 ふと、近くの茂みで小動物の気配を感じた。レンは身を低くして様子を伺った。茂みの中から現れたのは、ウサギのような小動物だった。


(このウサギも捕まえられれば、ギルドに持ち込んで売れるかもしれない)


 レンは慎重に近づき、素早く動いてウサギを捕まえようとした。しかし、ウサギは素早く逃げ出し、レンはあと一歩のところで捕まえることができなかった。


「くそっ、逃げられたか…」


 悔しさを感じつつも、気を取り直して薬草採取を続けた。たくさんの薬草を集めることができたので、これを持ち帰って冒険者ギルドに報告することにした。


 レンは薬草を採取して冒険者ギルドに戻ると、受付嬢に報告した。彼女は新人冒険者が初日でこれほど多くの薬草を集めたことに驚いていた。


「すごいですね、レンさん。こんなにたくさんの薬草を集めてくるとは。本日の報酬は金貨1枚と銀貨2枚です」と、受付嬢は笑顔で伝えた。


 レンは報酬を受け取りながら、通貨について尋ねることを思い出した。


「あの…、通貨について少し教えていただけますか?どのような種類の硬貨があり、どのくらいの価値なのか知りたいです。」


 受付嬢は親切に説明を始めた。


「もちろんです。この世界の通貨体系は以下のようになっています。まず、鉄貨が最も低い価値を持ち、次に銅貨、銀貨、金貨、そして白金貨の順に価値が上がります。」


「具体的な換算レートは以下の通りです。1銀貨 = 10銅貨、1金貨 = 10銀貨、1白金貨 = 10金貨です。」


 レンはその説明を聞きながら、さらに質問を重ねた。


「それでは、例えば宿泊料や食事の値段はどのくらいなのでしょうか?」


 受付嬢は続けて説明した。


「一般的な宿の1泊の料金は銀貨3枚から5枚程度です。食事は銀貨2枚ほどかかります。もちろん、場所や質によって値段は変わりますが、これが大体の目安です。」


 レンはその情報を聞きながら、通貨の価値について理解を深めた。


「なるほど、通貨の種類と価値がよく分かりました。ありがとうございます、これで報酬の使い方がよく分かりました。」


「どういたしまして。また何か質問があれば、いつでも聞いてくださいね」


 と受付嬢は微笑みながら言った。


「ありがとうございます」


 レンは受付嬢から報酬を受け取った後、通貨についての説明を受け、宿代のことを考え始めた。その時、受付嬢が心配そうに言った。


「レンさん、まだ活動を始めたばかりで、お金も必要でしょうから、宿代は今すぐ払わなくても大丈夫ですよ。クエストを続けてからまとめて払ってもいいんです。」


 レンはその提案に感謝しつつも、自分の意志を固めて答えた。


「ありがとうございます。でも、昨日泊まった分と今日の分の2日分は払わせてください。自分の力でやっていきたいので。」


 受付嬢はその言葉に微笑みながら言った。


「そうですか。それでは、宿代の2日分、銅貨12枚ですね。こちらを引かせていただきます。」


 レンは支払いを済ませた後、残りの報酬を確認した。宿代銅貨12枚を引いた後の手元に残る金額は金貨1枚と銅貨8枚だった。


「これで大丈夫です。ありがとうございました。」


 礼を言い、受付嬢に頭を下げた。


 受付嬢は微笑んで答えた。


「どういたしまして。また何か困ったことがあれば、いつでも声をかけてくださいね。」


 レンはギルドを後にして宿に戻る途中、今日の初めてのクエスト達成を思い出し、心が躍った。初めてのクエストを無事に終えたことで、自分が少し成長したと感じた。そんな気持ちを抱えながら、レンは今夜の夕食について考え始めた。


(今日は初めてのクエスト達成を祝いたいけど、トムさんに借りたお金も返さなきゃいけない。どうやってやりくりしようか…)


 ルーンハウスに戻ると、レンは部屋に入って机の前に座り、手元の金貨1枚と銅貨8枚を見つめた。食事にお金を使うことと、借金を返すことのバランスを考える。


(銀貨2枚も出せば、かなり豪華な夕食が取れる。でも、それはちょっと贅沢すぎるかな。何かもう少し安いもので、でも美味しいものがないかな。)


 レンは町の商店街で見かけた食べ物を思い出し、どれが手頃で美味しそうかを思い浮かべた。


(あの屋台で売っていたパンとスープなら、銅貨数枚で買えるかもしれない。それならトムさんに借りたお金を少しずつでも返していける。)


 決心がついたレンは、外に出て商店街に向かった。屋台でパンとスープを買い、銅貨3枚を支払った。これで残りは金貨1枚と銅貨5枚となった。


(よし、これなら少しずつでもやりくりできる。)


 レンは満足そうにパンとスープを持ってルーンハウスに戻り、自分の部屋で夕食を取った。温かいスープと香ばしいパンが、初めてのクエスト達成を祝うための素朴なご馳走となった。


(今日一日、よく頑張った。これからもこうやって少しずつでも前に進んでいこう。)


 レンは心の中でそう誓いながら、初めてのクエストを達成した喜びと、これからの生活への希望を胸に、静かな夜を過ごした。

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