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救出3

「ジキル!」

馬で港湾地区を抜けてからしばらく。見覚えのある男が馬車からこっちに手を振っている、

「驚いた。君は馬に乗れたのか」

「さっき人生で初めて跨ったんだ。多分、こいつがお利口さんなんだろ」

馬は得意げに嘶いた。

「って、そんなことどうでもいい! ラハが!」

「あの火柱が彼女か」

ジキルは物憂いな目を、火柱に向ける。

馬に跨っている間にも火柱は勢いを増し、今や炎の触手をあちらこちらに振り撒いている。

当然、街は大騒ぎ。道には野次馬がごった返し、戒める警官の笛が鳴り響いている、

「ああそうだ。ジキル、荷台に武器は積んでいるよな?」

「君も戦う気か?」

ジキルの細い瞼が、さらに細くなって俺を縫い止める。

「当たり前だ。俺だけ指くわえて待ってろてか?」

足手まといなのは分かってる。ただ、これは俺の助手としての矜持だ。

それさっきは、逃げてジキルを呼ぶっていうラハの願望を通した。なら俺のわがままも一つぐらいいはずだ。

「‥‥‥分かった。荷台に乗れ。ただ、命の保証はしないぞ」

「死にたくなかったら、あいつの助手なんてしてねぇよ」

俺は馬から降り、荷台に乗り込む。

「君の乗ってきた馬はどうするんだ?」

「悲しいけど、ここでお別れだな」

しかし馬は首を上下に動かしながら、荷台に近づく。

その潤った目は、別れを悲しむようで。

「どうやら、君に付いていくみたいだね?」

「動物の心が分かるのか? てか、さっき会ったばかりだろ、俺ら」

俺は馬の頭を撫でながら、つぶやく。全くラハといいこいつといい、俺のどこに引かれているんだか。

「まぁ、馬車を走らせば分かるさ。君たちの信頼関係がね」

「面倒な人間関係にはあいつだけで十分だ。

人間、じゃなくて動物か。

まぁ今はそんな気とどうでもいい。

ジキルと俺と一匹。

戦力は十分だ。あいつを助けに行こう。




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