救出2
「クソ。弾切れか」
私は鈍器と化したショットガンを敵に投げつける。
ああもう、数多すぎ! どんだけいるんだよ!
「もっと攻めろ! あいつはもう弾切れだ」
廊下の奥の黒人が部下に飛ばしている。ガトリングガンをぶっ放してたのと同じやつだ。
大ボス発見。リボルバーの残弾は残り三発。対して残りの敵も三人。
息を一気に吸い込み、止める。そのまま身を隠していた木箱から身を乗り出した。
超集中。外界と完全に切り離された脳が、私の時間を遅くする。敵の一挙手一投足までもスローモーションになっていった。
冷静に、正確に、照星を敵に向けた。トリガーを引き抜く。放たれた二発の弾丸は、敵の眉間を喰い破った。
弾き出された脳漿も、ゆっくりと男たちの後ろに広がっていって。
「ぷはぁ!」
私は木箱に戻って肩で息をする。
久しぶりの超集中。脳への負担が大きいから、乱用しちゃいけないんだけど、二人は持ってけた。
残りはあいつだけ。私はそーっと木箱から頭を出して、リボルバーを撃った。
「うっ!」
うめき声と同時に木箱を削っていた射撃が止まる。
当たったか。ならこの隙に。
私は木箱から飛び出し、そのまま一直線に廊下をかける。
ショットガンはさっき捨てたし、リボルバーも今撃ち尽くした。
ラストは泥臭い肉弾戦で締めよう。
「クソガキィ!!」
放たれた右パンチは私に擦りすらしない。軽く跳躍し、ケバブみたいに太い腕を伝って、黒人の後ろに立った。
「なに!?」
突き出された右腕を掴んで、後ろに引き戻す。そのまま片足を背中に当てて、思いっきり引っ張った。
「あぁぁぁぁぁ!」
あまりの激痛に男はその場に膝を屈する。
「めちゃくちゃ痛いでしょ?」
「ガキ!! 今すぐ離せ!!」
「それはあなた次第。一つだけ質問するから、正直に答えて。助手はどこ?」
「助手だと?」
「はいとぼけたからお仕置き」
引っ張る力をさらに強めた。皮膚と筋肉の下で骨が軋んでいるのがはっきり分かる。
「突き当たりを右。右だ! そこに攫ったやつがいる!」
「最初から素直に言えばいいのに」
生かしておく必要はない。鞘からナイフを引き抜いて、背中から心臓に突き刺した。
「かはぁ‥‥‥!」
これで全員。助手、あんまし怪我してないといいけど。




