助ける
時間は少し遡る。
「あれが奴らのアジトね」
私は港の木箱に隠れながら、遠目に伺う。
ぱっと見三人いるけど、まだ中に何人かいるかも。
さっきみたいに正面から突っ込んで行くわけにもいかないし、弾もない。
やっぱステルスしかないか。
私は鞘からナイフを抜いた。そのまま忍び足で倉庫に近づく。
二人は倉庫正面を。もう一人は裏の海側を見張っている。狙うなら、孤立してる奴から。
「調子はどう?」
「あ?——グフォ」
振り返った男の顔面にナイフを突き刺す。事切れて私に寄りかかってきた体を、海に放り込んだ。
ドボン。水しぶきをあげて体が沈んでいく。
「今の聞こえたか?」
「ああ。俺がちょっと見てくる」
「待て。二人で挟み込むぞ」
OK。狙い通り。私は倉庫の壁の右端に屈んだ。ここは死角。
男の顔が見えてきた瞬間、地面を蹴って首元に斬り込んだ。鮮血は噴火みたいに噴き上げる。声を出すことなく、男は崩れた。
くるりと踵を返して、ナイフを投げた。ここまで一秒。
ナイフはまっすぐ進み、男の顔面の正中を射た。
「これで見張りは終わりっと」
ナイフを引き抜き、血と脂を拭き取る。まだ使おうと思えば使えるけど、切れ味は大きく落ちた。
ここからは、銃撃戦だ。
倉庫の中には木箱が詰められて、迷路みたいになっている。
ここなら、ショットガンが有効だ。残弾は三発。敵のアジトに殴り込むには少し心許ないけど、やるしかない。
倉庫の狭い通路を進むと、男が一人、タバコをふかしていた。
戦闘開始。私は躊躇なくトリガーを引いた。




