拷問
「オラもう一発!! どうだ? 俺の仲間になる気になったか?」
「さっきよりパンチ力が甘いな。このままじゃ寝ちゃうぜ?」
「ならこれでどうだ!!」
黒人は手を組み合わせ、俺の頭に振り下ろす。
痛ってぇ。脳が揺さぶられ、あまりの激痛に意識を手放しそうになる。が、ギリギリのところでとどまった。ここで諦めるわけにはいかない。
目が腫れて大きく視界を妨げている。多分、どっか骨折してるし、呼吸もしづらい。ワンチャン鼻曲がってるか?
右の瞼もめちゃくちゃ腫れてる。片方の視界は無いに等しい。
あとちょっと。本当にちょっとだ。
「なぁ、俺も殴りたくて殴ってるんじゃないんだ。そろそろ、折れねぇか?」
「諦めは悪い方なんだ」
「そうかい。良いパートナー関係が結べると思ったんだけどな」
机の引き出しから、」黒い鈍器を取り出す。ブラックジャック。袋に砂を詰め込んだだけのシンプルで強力な鈍器だ。あれで殴られたら、いかに頑丈な俺でも一発でおじゃん。
もう時間ねぇぞラハ。何してんだ。
「最後に言い残すことは」
「あんたの名前は?」
「ジョンだ」
「ジョン、か。良い名前だな」
「ありがとうよ。それじゃお休み」
「ボス!!」
突如として扉が叩き開かれる。ジョンの部下らしき男が肩を上下させている。
「急になんだ? 何があった?」
「他の奴らが殺されています!」
「誰に殺られたんだ?」
「分かりません! 死体だけ見つけました」
「必ず見つけて殺せ。俺も行く——ここで大人しくしてろ」
ジョンがブラックジャックを持って部屋から出て行く。
俺は深く息を吐いた。ギリギリセーフだぞ、相棒。




