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母親

夜まで音楽を聴き、バッグに荷物を詰めてクラブへ向かった。ヒップホップのビートが響いている。俺は定位置の壁にもたれた。


顔を知った男が俺の肩を叩く。俺がトイレに向かって指をさすと、男が後ろをついてきた。


トイレで現金を受け取ろうとしたところ、激しくドアがノックされた。やられた。そう思い、往生際悪く荷物を隠す。鍵を開けると、入ってきたのは制服姿の葵だ。


「お前、何してるんだ?」

「京介こそ何してるの!いつからそんなことしてるの!!」

「何で制服で入れたんだよ!」

「いいから帰るよ!」


そして男に向かってお辞儀をした。


「うちの子がご迷惑をお掛けしました!もう関わらないでください!!」


俺はクラブを引きずり出された。


「京介!人の道に反するようなことをしたらダメだよ!」


本当に母親だとしたら、母親というのはとても怖いようだ。

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